初夢に出てくると縁起が良いものと言えば、
「一富士(いちふじ)、二鷹(にたか)、三茄子(さんなすび)」
がよく知られていますね。
この初夢の縁起物にはどんな意味と由来があるのでしょうか?
また、続きがあるって本当なのでしょうか?
今回は、初夢や一富士二鷹三茄子についてご紹介します。
そもそも初夢っていつ見る夢?
初夢とは、新年最初に見た夢のことですが、いつ見た夢のことなのかご存じですか?
新年最初といっても、解釈はいろいろです。
●「大晦日(12月31日)の夜から元日(1月1日)の朝かけて見る夢」
●「元日(1月1日)の夜に見る夢」
●「1月2日の夜に見る夢」
と諸説あるようですが、一般的には、新しい年を迎え最初に眠った日の夜に見た夢を言うそうです。
ですから元日(1月1日)の夜から2日にかけて見た夢のことになりますね。
一富士二鷹三茄子の意味
「一富士二鷹三茄子(いちふじにたかさんなすび)」
これは、初夢に見ると縁起が良いとされているものの順番で、
一番縁起が良いのが富士山
二番目が鷹
三番目が茄子
です。
一番目の富士=富士山は日本一の山
二番目の鷹=威厳のある鳥の王
三番目の茄子=「成す」「生す」ということで物事の生成発展する様子を表している
というように、それぞれに意味があります。
一富士二鷹三茄子の由来
「一富士二鷹三茄子」の3つの縁起が良いといわれるようになったのかについては諸説あり、以下の2つの説が有名です。
●徳川家康が、富士山・鷹狩り・初物の茄子(なす)を好んだからという説
●富士は『無事』、鷹は『高い』、茄子は事を『成す』という縁起の良い言葉に掛けているという説
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続きがあるって本当?
「一富士二鷹三茄子」には続きがあり、以下のように6番目まであります。
「四扇(しおうぎ)」
「五煙草(ごたばこ)」
「六座頭(ろくざとう)」
「扇」は、扇(あお)ぐために使われるだけでなく、お祭りや舞踊のときに使用する小道具です。
「煙草」も、祭りやお祝い事など人が集まる席になくてはならないものでした。
そのため「扇」「煙草」も縁起ものとされていました。
「六座頭」の座頭という言葉は、聞き慣れない方も多いかと思いますが、髪の毛を剃った盲人のことを言います。
小泉八雲の怪談話に登場する「琵琶法師」や「座頭市」を思い浮かべて下さい。
髪の「毛がない」ことから、「髪の毛がない」=「怪我ない」ということで、六座頭は家内安全を願うものとされました。
「一富士」「二鷹」「三茄子」と「四扇」「五煙草」「六座頭」は同じ意味?
また、別の説では
「一富士」「二鷹」「三茄子」
と
「四扇」「五煙草」「六座頭」
が対応していると言われています。
「一富士」と「四扇」は、どちらも末に広がっているため、子孫や商売の繁栄を表します。
「二鷹」と「五煙草」は、上にあがっていくことから運気上昇を表します。
「三茄子」と「六座頭」は、どちらも毛がないことから、「怪我ない」という縁起が良い意味とされています。
「四」を葬式・葬礼 「五」を雪隠や火事とする説も
また、四扇・五煙草のほかにも、
「四」を「葬式」や「葬礼」
「五」を「雪隠(せっちん・トイレの事)」や「火事」
とする説もあります。
例:
四葬式、五雪隠
四葬式、五火事 など
これらは、面白おかしくするため、後から加えられた言葉遊びだろうといわれています。
また、葬式や火事は縁起が良いとは言い難いことから、悪い夢を見たら現実には悪いことが起こらなくなるという逆説の願いが込められていたともいわれています。
縁起の良い初夢をみたいものですが、6つともあまり夢には出てきてくれそうもない物ばかりですね。
良い初夢を見る方法として、「七福神や宝をのせた船の絵」を枕の下に敷くとよいといわれています。
それでも悪い夢を見てしまった時は、朝起きたらすぐに、宝船の絵を川に流すと縁起が良くなるといわれています。
それにしても、富士山や鷹はいいとして、葬式、火事、トイレ、座頭とは・・・・すべてまとめて出てきたら、一体どんな夢になるのでしょう。
皆さんは想像できますか?
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コメント
コメント一覧 (3件)
七福神はつとに有名ですが、えびす様の謂れや大黒天との関連性など
意外と知られていないことがありますね。
一富士二鷹三なすびと混じって、一姫二太郎三なすびやらかぼちゃと
云った造語や喜劇があるようですが、それもまた大変に気になります。
縁起良ければ全て良し?
縁起良ければ全て良し?災い転じて福となすともあれ。
どちらにせよ、心機一転で物事を始めなければ、運は転がらないという事ではだと思いますけれどね。駄目なら、七転び八起きでしょう。いずれは報われますよ。ローマは一日にして成らず。。。
昔は抑圧された封建時代、日々の暮らしの中で見たもの聞いたものを良いことに置き換えることが必要だったのか。生き抜くために。ポジティブ思考で。!