日本人の食生活に欠かせないお米は、秋に稲刈りをします。
新米の季節になると稲刈りを楽しみにしている人もいるのではないでしょうか?
しかし、日本は細長い国なので地域ごとに気候が異なり、稲刈りの時期も全国一斉に行われるわけではありません。
そこで今回は、全国各都道府県の稲刈りの時期を一覧にしてご紹介します。
稲刈りの時期はいつ?その目安
稲刈りのタイミングの目安は以下のとおりです。
1.出穂(しゅっすい)してから40日前後が経過した頃
出穂とは、稲の穂が出ることです。
稲の種類や気候によって田植えから稲刈りまでの日数が異なりますが、早く収穫できる品種は田植えから出穂までおよそ50日、遅いものだとおよそ80日です。
出穂から稲刈りまではおよそ40日なので、田植えから稲刈りまで最短で90日、遅いものだと120日かかります。
2.出穂してからの積算温度が1000度前後になった頃
積算温度(せきさんおんど)とは、毎日の平均気温を合計したもので、積算温度が1000度前後になれば稲が成熟するといわれています。
3.籾(もみ)全体の85%~90%が黄色くなった頃
籾とは、籾殻(もみがら)を取る前の稲の実の部分のことです。
籾殻を取ったあとを「玄米(げんまい)」と呼び、玄米を精米(せいまい・表面を削る)したものを「白米(はくまい)」と呼びます。
籾が黄色くなったことで稲が成熟したことがわかるといわれています。
4.穂先から3つ目の枝分かれした部分が黄色くなった頃
穂先から3つ目の枝分かれした部分が黄色くなったことで稲が成熟したことがわかるといわれています。
これらの条件がすべて当てはまる時もあれば、いずれか一つだけの時もあるようです。
タイミングを間違うと収穫量が減ったり、質の悪いお米になってしまうため、稲刈りのタイミングは慎重に見極めているそうです。
日本全国各都道府県の稲刈りの時期一覧
稲刈りの時期は、同じ地域でも品種や田植えの時期、その年の気候や稲の生育状況などで変わってきます。
生育期間が短い品種の場合は田植えから稲刈りまでの期間が短くなりますし、一概に「稲刈りはこの時期」というのは難しいです。
9月中旬から10月中に稲刈りをする地域がほとんどですが、早い品種の場合、8月中旬ごろから稲刈りが始まることもあります。
また、寒い地域だからといって一概に稲刈りが遅いわけではありません。
寒い地域の場合は雪が降る前・気温が下がる前に稲刈りを済ませなければならないため、生育期間が短くて済む品種を植えることがあり、南の地域よりも稲刈りが早くなることもあります。
以上のことを踏まえて、一般的な稲刈りの時期は以下のようになります。
9月下旬~10月上旬ごろ
北海道・青森県・岩手県・宮城県・秋田県・山形県・福島県
9月下旬~10月中旬ごろ
茨城県・栃木県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・群馬県
10月上旬ごろ
新潟県・富山県・石川県・福井県・山梨県・長野県・岐阜県・静岡県・愛知県・三重県・滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県・鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県・徳島県・香川県・愛媛県・高知県・福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県
「5月下旬~7月上旬」と「10月上旬~11月上旬」ごろ
沖縄県
沖縄県は同じ農耕地に同じ作物を年2回栽培する二期作で稲を育てるため、2度稲刈りがあります。
沖縄のほかにも、鹿児島県や高知県など、温暖な気候の地域は、二期作で稲を育てる農家がありましたが、減反(げんたん・米の生産量を調整すること)政策のため二期作をする農家は減ったそうです。
日本一早い稲刈りは、沖縄県石垣市で、1月に田植えをして5月中旬ごろには稲刈りをするそうですよ。
すべて同じタイミングで収穫する場合、台風などの被害が大きくなってしまうため、同じ品種でも田植えや稲刈りの時期をずらすことで、リスクを減らしているところもあるようです。
そのため、同じ地域でも8月に稲刈りをする農家さんもあれば、10月に稲刈りをする農家さんもあります。
私たちが美味しいお米を食べることができるのは、稲を大事に育て、稲刈りのタイミングを見極め、収穫してくれる農家さんのおかげですね!
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