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2020年の祈年祭はいつ?新嘗祭との違いとは?

      2020/07/08


日本では古くから五穀豊穣を願ったり、収穫を感謝するための神事が行われています。

最も有名なのは毎年11月23日に日本各地の神社で行われる「新嘗祭」ですが、新嘗祭と同じように日本各地で行われる神事のひとつに「祈年祭」というものがあります。

今回は祈年祭について調べていきましょう!

 


祈年祭とは?

祈年祭の読み方は「きねんさい」または「としごいのまつり」です。

「春祭り(はるまつり)」ともいい、年のはじめにお米をはじめとする穀物類の五穀豊穣を祈る神道のお祭であり、神社で行われるお祭の中でも重要なもののひとつです。

また、「としごいのまつり」の「とし」は稲のことを指し、「ごい(こい)」は祈りや願いのことを意味しており、「としごい」は五穀豊穣を祈るという意味になります。

 

お米や穀物類を作ることで生活が成り立っていた時代、五穀豊穣を祈ることは国の安泰や繁栄を祈ることと同じと考えられており、国家が行うお祭とされていました。

現在、祈年祭は宮中祭祀(きゅうちゅうさいし)のひとつになっています。

 

宮中祭祀とは、皇居にある宮中三殿において、天皇陛下が国家と国民の安寧と繁栄を祈ることを目的に行う祭祀(感謝や祈りのために神仏および祖先をまつること)のことです。

宮中三殿とは、神道の神を祀る、賢所(かしこどころ)、皇霊殿(こうれいでん)、神殿(しんでん)の総称です。

 

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宮中三殿


祈年祭の起源は、もともとは農民が豊作をもたらすと信じていた「田の神」のお祭だったといわれており、そのお祭が天武天皇(てんむてんのう・第40代天皇、在位673年~686年)の時代に国家祭祀(国が行う祭祀)として、日本各地のすべての神社で行われたという記録が残っています。

奈良時代(710年~794年)になると、五穀豊穣・国家安泰・天皇安泰を祈るという儀式の形が定まり、平安時代(794年~1185年)になると天照大御神(あまてらすおおみかみ)に天皇が豊作を祈願する祭祀となりました。

 

室町時代(1336年~1573年)の戦乱期になると廃絶してしまいますが、明治時代(1868年~1912年)に重要な国家祭祀として復活し、宮中だけではなく全国の神社で祈年祭が行われるようになりました。

 


 

第二次世界大戦後、GHQ(連合国軍総司令部)の占領政策によって、国家神道(国として神道を信仰すること)が廃止されたため、「祈年祭」は国家祭祀ではなく、天皇家が行う宮中祭祀になったのです。

国家祭祀ではなくなっても、年のはじめに五穀豊穣を祈るお祭は神道ではとても重要なものなので、「祈年祭」は現在も多くの神社で続けられているのです。

宮中祭祀は、天皇の国事行為ではなく皇室の私的行事として扱われており、祈年祭も例外ではありません。

国事行為とは、天皇が行うものとして日本国憲法に規定された行為のことです。

 

関連:天皇の国事行為とは?一覧と覚え方!わかりやすく説明します

 

2020年祈年祭はいつ?

祈年祭は毎年2月17日に行われます。

祈年祭はもともと立春(りっしゅん・春のはじまり)である旧暦2月4日に行われていましたが、旧暦から新暦へ改暦後の明治6年(1873年)に2月17日に固定されました。

2020年の祈年祭は2月17日(月)です。

地域によっては3月や4月になってから「春祭り」として、五穀豊穣を祈る等、農耕(主に稲作)に関わる神事として行う神社もあります。

 


祈年祭と新嘗祭との違いとは?

新嘗祭(にいなめさい)は、毎年11月23日に行われる宮中祭祀で、五穀豊穣の収穫祭にあたります。

「祈年祭は五穀豊穣を祈る」もので、「新嘗祭は五穀豊穣へ感謝する」ものという違いがあります。

 

祈年祭と新嘗祭はどちらも五穀豊穣に関するお祭ですので、どちらがどちらなのかわからなくなることもあるかもしれません。

簡単な違いと覚え方は以下のとおりです。

 

祈年祭とは

これから農作業を始める季節(2月17日)に、五穀豊穣を祈るお祭。

 

 

新嘗祭とは

収穫の季節(11月23日)に、無事に収穫することができたこと、五穀豊穣への感謝のお祭。

 

 

 

祈年祭がどういうものなのかわかりましたね。

収穫を感謝する新嘗祭にばかり目が行きがちですが、よく考えると、農作業を始める季節にも「これから無事に農作物ができますように」と祈願することも大切なことですよね。

これからのことをお祈りする祈年祭と、収穫に感謝する新嘗祭は、セットで覚えるといいかもしれませんね。

 

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関連:宮中祭祀の歴史と意味とは?宮中祭祀一覧と内容

 



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