「急がば回れ」の意味と語源とは?使い方と例文。英語で何て言うの?

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急がば回れ急いでいる時、早くなんとかしようと慌てて失敗してしまった・・・ということはありませんか?

余裕のない時ほど、人はリスクを取りがちな行動を取ってしまいます。

こんな時によく使うことわざが「急がば回れ」です。

では、どこを回るのでしょうか?

また、このことわざはどのように生まれたのでしょうか?

今回は、「急がば回れ」についてわかりやすく解説します。

 

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目次

「急がば回れ」の意味とは?

読み方は「いそがばまわれ」です。

 

急がば回れには、以下の意味があります。

●「急いで物事をなしとげようとするときは、危険な近道を行くより、安全確実な遠回りを行くほうが得策だ」

 

●「急いでいる時ほど、無理に近道をするより確実な回り道を選ぶ方が、結果的に早く着く」

 

●「急ぐ時には危険な近道より、遠くても安全な本道を通る方が、結局早い」

時間や労力がかかっても「安全で着実な方法を取りなさい」という、戒めとして使われることわざです。

 

では、この「急がば回れ」ということわざ、いつ頃どんな由来でできたのでしょうか?

 

「急がば回れ」の語源とは?

時代は室町時代にさかのぼります。

室町時代の連歌師の宗長(そうちょう)の「もののふの矢橋の船は速けれど急がば回れ瀬田の長橋」という歌が語源となっています

 

連歌(れんが)とは、和歌の五・七・五(長句)を一人が詠(うた)い、もう一人がその後を次いで七・七(短句)を詠います。

そして、さらに、また次の人が五・七・五とつないでいく歌のことです。

 

「もののふ」とは武士のことで、この場合、旅人と考えていいでしょう。

矢橋

 

その時代、東国から京都に向かうには矢橋(やばせ・滋賀県草津市の集落の名前)という港から琵琶湖を渡し舟で渡るのが最短とされていました。

 

急がば回れの由来

 

しかし、そこには「比叡おろし」と呼ばれる突風が吹きつけるため、舟に遅れが出る心配があったのです。

そのため、琵琶湖の南端にある瀬田の唐橋(せたのからはし・日本三大名橋のひとつ)を回って行くことで、日程が狂うことなく行けたことから、遠回りでも「急がば回れ」と歌われたのです。

 

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「急がば回れ」の使い方と例文

何事も時間や労力はかかっても、確実な方法でやった方が結果的には間違いない、という使い方をします。

 

●例文1

「テーマパークの行き方を調べたけど、一度しか行ったことない場所だから知ってる道で行くよ。新しい道ができて早く着くらしいけど、渋滞も心配だし、急がば回れって言うしね。」

 

●例文2

「合格のためには、試験の前に一夜漬けするよりも、普段から計画的に勉強したほうが、急がば回れで合格する確率が高くなるはずだ。」

 

「急がば回れ」の類語や似たことわざ、四字熟語は?

急がば回れ

 

「急がば回れ」の類語や似たことわざ、四字熟語はいくつかあります。

 

●急いては事を仕損じる

何事も焦ってしまうと、いつもできるはずのことをやり損ねてしまうので、急いでいる時ほど落ち着いて冷静になって行動すると良い」という意味です。

 

●急がば高火(いそがばたかび)

急いで煮炊きする時は、火に近付け過ぎてはいけないという意味です。

火は中央部の温度は低く先のほうになるほど高温になるので、火に近づけ過ぎるとかえって煮物の出来が遅くなってしまいます。

 

●急ぎの文は静かに書け

急ぎの手紙ほど重要な要件が多いものであるので、書き損じや書き漏らしのないように落ち着いて心静かに書くべきであるということです。

 

●日進月歩(にっしんげっぽ)

日に日に、絶えず進歩することです。

 

●愚公移山(ぐこういざん)

何事も根気よく続ける事で、ついには山をも動かす程の成功を収めるという意味です。

 

「急がば回れ」の対義語は?

「急がば回れ」の対義語もいくつかあります。

 

●鉄は熱いうちに打て

物事は熱のある時に実行しないと成功しにくいということです。

 

●好機逸すべからず(こうきいっすべからず)

物事を行う際の好機は逃すべきではないということです。

 

●先んずれば人を制す(さきんずればひとをせいす)

何事も人より先に行えば、人より優位に立てるということです。

 

●巧遅は拙速に如かず(こうちはせっそくにしかず)

仕事の出来がよくて遅いよりは、出来は悪くても速いほうがよいということです。

 

「急がば回れ」は英語では何と言う?

英語にも「急がば回れ」を表す言い方があります。

 

●Make haste slowly.(ゆっくり急げ)

●Haste makes waste.(急かすことは無駄になる)

●More haste , less speed.(急いでいる時ほど、スピードを落とす)

●Slow and steady wins the race.(遅くても着実な者が競争に勝つ)

英語の「Slow and steady wins the race. (遅くても着実な者が競争に勝つ)」は、昔話の「ウサギと亀」を思い出してしまいました。

英語にも日本のことわざと似たような表現があるのは、とても面白いですよね。

急いでいる時ほど「急がば回れ」ということわざを思い出して行動してみてはいかがでしょうか。

 

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