「負けるが勝ち」ということわざをどのような場面で使いますか?
「負けなのに勝つって、意味がわからないよ」と思ったり「ただの負け惜しみだよ」思う方もいらっしゃるかもしれませんが、正しい意味はどういうものなのでしょう?
今回は「負けるが勝ち」について調べてみました。
「負けるが勝ち」の由来と意味とは?
読み方は「まけるがかち」です。
時と場合によっては、相手との争いに負けたことにしておいたほうが、結果として自分にとって有利になり勝ちにつながることもあるという意味です。
「江戸いろはかるた」で紹介されていますが、明確な由来や語源は定かではありません。
「負けるが勝ち」の使い方と具体例とは?
目先の利益を失うことがわかっていても、将来的には自分が勝者となることが確信できているときに使う言葉です。
また、意識的に負けたわけではなくても、最終的にその負けが有利に働いて勝利に結びつき、偶然「負けるが勝ち」の状態になることもあります。
「負けるが勝ちは、ただの負け惜しみである」と言う人もいますし、実際に負け惜しみとして使う人もいますが、本来の意味は先を見越してその時は負け、将来的に勝者になることを考えているので、負け惜しみにはなりません。
恋愛においては「負けるが勝ち」を実践することで、関係が良好に保てるようです。
カップルが喧嘩をすると、正論をぶつけあってもますます険悪な関係になっていくだけで、別れ話に発展しかねません。
ですので、正論で相手を打ち負かし勝つことを考えるよりも、自分が負けることで二人が良好な関係を保つことを選ぶのは結果的に勝ちにつながるのです。
具体的な使い方は・・・
●「今は負けるが勝ちの状況なのだから、黙って引き下がろう」
●「このまま喧嘩を続けても良いことはない。自分が負けることで相手の機嫌が良くなるのなら、負けるが勝ちだ」
「負けるが勝ち」の類語は?
「負けるが勝ち」の類語は、
●「逃げるが勝ち」
●「負けて勝つ」
●「征服のための屈服」
●「三十六計逃げるに如かず(三十六計は兵法にあった三十六の計略のこと。振りになったときは作戦を立てずに逃げることが最善である)」
●「叩かれた夜は寝やすい(他人に害を与えるよりは、自分が他人から害を受けた方が心安らかでいられる)」
などがあります。
また「負けるが勝ち」のように普通とは反対の方向から考えを進める様子や、真理に背くようにみえるが実は真理をついている様子を「逆説」といいます。
同じ逆説のことわざの例として
●「急がば回れ」
●「失敗は成功のもと」
●「かわいい子には旅をさせよ」
などがあります。
英語で何て言う?
「負けるが勝ち」は日本のことわざなので全く同じ英語はありませんが、英語圏でも似たようなことわざがあります。
●To lose is to win and he who wins shall lose.
(負けることは勝つことで、勝った者は負けるだろう)
●Sometimes you have to lose to win.
(時には勝つために負けることも必要だ)

「負けることがなぜ勝つことになるのか、よくわからないことわざだ」と思っていましたが、将来を見越して「今は負けておこう」ということだったのですね。
将来的に勝つ見込みもなく、ただ負けただけなのに「負けるが勝ちだ」と言うのは負け惜しみでしかありませんが、正しい意味で「負けるが勝ちだ」と使うのはなんだかカッコ良いと思いませんか?
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