
海外から観光や仕事などで日本に来る外国人は日本の自動販売機の多さに驚くそうです。
なぜ、日本にはこれほど多くの自動販売機が普及したのでしょうか?
今回は日本の自動販売機の台数や歴史などをご紹介します。
さらに、定番の飲み物だけでなく、日本のユニークで珍しい自動販売機もあわせてご紹介します!
自動販売機とは?
読み方は「じどうはんばいき」です。
自動販売機は、お金を投入することで自動で商品を購入できる機械のことです。
- 自販機(じはんき)
- 販売機(はんばいき)
などと略すこともあります。
自動販売機の種類はたくさんあり、以下のものが定番です。
- 飲料
- 食品
- タバコ
- お酒
ユニークで珍しい自動販売機もありますので後ほどご紹介します。
日本に自動販売機が多い理由とは?
日本に自動販売機が多く普及している理由は、以下のとおりです。
治安が良い
海外では盗難や損壊される恐れがあるため、自動販売機は主に屋内に設置されています。
しかし、治安が良い日本では、屋外に設置してもそうしたリスクが極めて低いです。
そのため、公園や路上など、建物がない場所のわずかなスペースも有効に活用して設置でたのです。
都市部の人口が多い
日本の人口の多くは都市部に集中しています。
都市部は公共交通機関も整備されているので、自動車での移動よりも公共交通機関を利用する人も多く、駅やバス停まで「徒歩」で移動する機会が自然と増えます。
この歩行者の多さが自動販売機の高い利用率に繋がり、設置する側としても十分に採算が取れる環境が整っているためです。
人件費を抑えられる
店舗での販売は、必ず人がいなければ成り立ちません。
しかし、自動販売機は無人で24時間いつでも販売できるため、人件費を大きく抑えることができます。
無人でいつでも売上が上げられるため、ビジネスとして非常に効率的です。
これが可能なのも、夜間に無人であっても自販機が壊されたりお金が盗まれたりしない、日本の高い治安があってこそなのです。
技術力が高い
日本の自動販売機は、温かい飲み物と冷たい飲み物を1台で管理できる技術を世界に先駆けて実現しました。また、電子マネーやスマホ決済への対応など、常に進化を続けてきたことも普及を後押ししています。
飲料メーカーが積極的に設置している
日本では飲料メーカーが自動販売機の設置・管理を行う独自のビジネスモデルが確立されています。
土地を提供するだけで売上の一部が得られる仕組みが地主にとって魅力的で、設置場所の確保がしやすい環境が整っています。
自動販売機の歴史
自動販売機はいつからあるのでしょうか?
世界で最初の自動販売機は、西暦1世紀頃に古代エジプトの寺院に置かれていた「聖水自販機」といわれています。
古代ギリシャの数学者・発明家であるアレクサンドリアのヘロンが考案したもので、コインを投入すると、その重みで一定量の水が出てくる装置だったそうです。
現存する世界最古の自動販売機は、1615年ごろにイギリスで作られた「煙草(たばこ)自動販売機」です。
コインを投入すると蓋が開いて煙草を取り出すことができる仕組みです。
しかし、蓋を閉じるのは手動だったため、店員が閉めなければならず完全に自動ではありませんでした。
現在のような、すべて自動の自動販売機が開発されたのもイギリスで、1857年(1867年という説もあり)に切手の自動販売機で世界初の特許が取得されました。
その後、飲料、お菓子、煙草、切手、チケットなどさまざまな自動販売機が実用化され、自動販売機の基本的な仕組みもこのころに確立されました。
1800年代後半には、日本でも自動販売機の研究が行われていました。
現存する日本で最古の自動販売機は、明治37年(1904年)の「自動郵便切手葉書売下機」で、切手と葉書の販売をするためのものでした。
発明家である俵谷高七(たわらやこうしち・1854年~1912年)が考案したもので、切手と葉書の販売だけでなく、郵便ポストとしても使えるよう作られていましたが、機械の作動の正確さに問題があり、実用化には至りませんでした。
明治時代にはほかにも様々な自動販売機が作られたそうですが、実験的なものがほとんどで定着はしませんでした。
明治44年(1911年)に鉄道の入場券の自動販売機が大阪の梅田駅で初めて導入されたといわれています。
1911年1月7日付の大阪毎日新聞にも「自働入場券販売函」の設置が報じられており、2銭銅貨を入れてボタンを押すと入場券が出てくる仕組みで、最大1,000枚をストックできるものでしたが、鉄道会社の公式記録には残っておらず、使われていた期間も不明です。
なお、鉄道の歴史を記録した「日本国有鉄道百年史(1969年)」によると、大正15年(1926年)に、ドイツ製の入場券の自動販売機を東京の東京駅と上野駅で導入したのが最初とされています。
日本全国に普及した最初の自販機は、大正13年(1924年)に実用化されたお菓子の自動販売機だといわれています。
発明家・中山小一郎が考案したもので、当時人気の新聞漫画キャラクター「のんきな父さん(ノンキナトウサン)」が描かれた袋入り菓子が販売されており、全国の店頭に約1000台が設置されるようになりました。
戦時中(1941年〜1945年)は自動販売機の開発、製造が中止されましたが、戦後の昭和32年(1957年)には、ホシザキ電機(現在のホシザキ株式会社)が日本で最初のジュースの自動販売機を発売しました。
上部に噴水ディスプレイが取り付けられた噴水型カップ式自販機で、1杯10円のジュースが販売されました。
また、同年には煙草の自動販売機が都市部を中心に普及を始め、1970年代になると全国各地に自動販売機が広まりました。
昭和37年(1962年)に、コカ・コーラの自動販売機を三菱重工業株式会社とアメリカのベンド社が共同開発し、880台が全国に設置されました。
清涼飲料用自動販売機の最初の導入となり、これをきっかけに飲料の自動販売機が全国に広まりました。
また、昭和42年(1967年)に、100円玉と50円玉の素材が白銅(銅75%・ニッケル25%の合金)に変更されました。それ以前の硬貨はニッケルや銀が使われており、自動販売機の中で誤作動を起こしやすいという問題がありました。
新しい白銅貨は自動販売機との相性がよく、これが自動販売機の急激な普及を後押ししたといわれています。
昭和48年(1973年)には、ポッカレモン(現在のポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社)と三共電器(現在のサンデン株式会社)と共同で、世界初となる「冷温兼用」の自動販売機を開発しました。
ただし、当時は温かい飲み物と冷たい飲み物をどちらか一方に切り替えて販売する仕組みで、1台でホットとコールドを扱えることは画期的でしたが、同時に両方を販売することはできませんでした。
その後、昭和53年(1978年)には1台で温かい飲み物と冷たい飲み物を同時に販売できる機種が登場しました。
2000年代に入ると、自動販売機はさらに進化を遂げ、電子マネーやキャッシュレス決済に対応した機種が登場しました。
また、購入時に音声が流れる「おしゃべり機能」などのユニークなシステムも搭載され、時代に合わせた利便性とエンターテインメント性を備えていきました。
日本の自動販売機の台数
日本の自動販売機設置台数は、20世紀中は増加の一途をたどりました。
ピークは平成12年(2000年)で、設置台数は560万台でした。
それ以降は徐々に減少しており、令和7年(2025年)には約390万台となりました。
減少した理由はいくつかあります。
●24時間営業のコンビニエンスストアやスーパーマーケット、ドラッグストアなどが増加し、いつでも購入できるようになったから
●インターネット通販サイトでまとめ買いをした方が安いから
●マイボトルが普及し、自分で淹れたお茶やコーヒーなどを持ち歩く人が増えたから
●価格高騰により節約志向が高まり、自動販売機よりも割安なスーパーマーケットやドラッグストアでの購入を選ぶ人が増えたから
など、さまざまな理由から自動販売機の利用者や利益が減ったことで、自動販売機が撤去されています。
自動販売機の設置台数が世界一多いのは、実はアメリカで約650万台です。
しかし、人口1人あたりの台数になると話は変わります。
人口比では日本は約32人に1台、アメリカは約51人に1台の割合となっており、人口比では日本が世界トップとなっています。それほど日本は自動販売機が身近な国なのです。
珍しい自販機まとめ
滅多に見ることができない、あまり見かけない珍しい自動販売機もありますのでいくつかご紹介します。
生搾りオレンジジュース
購入すると、機械が目の前でオレンジを丸ごと絞り、フレッシュなジュースを作ります。
おでん缶
熱々のおでんが缶に入っています。
ラーメン
冷凍ラーメンを取り扱っています。
また、購入するとその場でお湯を入れて食べられる状態になる自動販売機もあります。
ハンバーガー
冷蔵されたハンバーガーを内部で加熱して提供します。
昭和時代は全国のドライブインで見られましたが、現在は数が激減し珍しい存在となっています。
うどん・そば
購入すると、その場でうどんやそばで食べられる状態になって自動販売機から出てきます。
カレー
レトルトカレーや本格的なカレーを取り扱っています。
焼肉
冷凍の味付け肉を取り扱っており、購入してすぐに自宅で焼いて食べることができます。」
新聞
各新聞社の新聞を取り扱っています。
また、誕生日や記念日など思い出の日の新聞のテレビ欄や一面をプリントする自動販売機もあります。
花
花束やブーケなどを取り扱っています。
傘
急な雨に備えて、主に駅の構内や駅ビルに設置されています。
昆虫食
セミやコオロギなど、昆虫食を取り扱っています。
ショートケーキ缶
缶の中にショートケーキが入っています。
婚約・結婚指輪
指輪キットを取り扱っており、購入者が自分でオリジナルリングを作ることができます。
高級品
高級すし店のお寿司や、高級中華店の料理などの自動販売機があります。

自動販売機は古代エジプトにもあったのですね!
日本で多くの人が使うようになったのは戦後になってからですが、世界の自動販売機の歴史はとても古いことがわかりましたね。
日本に自動販売機が多いのは、治安が良いというのが大きな理由なのですね。
これからも安心して屋外に自動販売機を設置できる国でありたいですね。

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