ニュースなどで時々「帰り花」という言葉を見聞きすることはありませんか?
「帰り花」とは、花がどこかに帰るということなのでしょうか?
意味と使い方の例文をご紹介します。
また、「帰り花」は、俳句ではよく使われる言葉のようですが、いつの季語なのでしょう?
「帰り花」についてわかりやすく解説いたします。
「帰り花」の意味とは?
読み方は「かえりばな」です。
「返り花」と書くこともあります。
「帰り花」の意味は、本来であれば春に花を咲かせる桜や梅、梨などが小春日和(こはるびより)に花を咲かせることです。
小春日和とは、晩秋から初冬にかけて、まるで春のような穏やかなぽかぽかした陽気になることをいいます。
小春日和を本当の春と勘違いしてしまい、本来の季節ではない時期に花を咲かせてしまうのですね。
帰り花は、他に「狂い咲き」「二度咲き」と言ったり、人が忘れたころに咲くので「忘れ花」と言うこともあります。
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「帰り花」の使い方と例文
「帰り花」は本来は春に咲く花が小春日和に咲いてしまったときに使いますので例文は以下のとおりになります。
「昨日は小春日和だったから、裏庭で帰り花が咲いていましたよ。」
「寒い冬がやってきたのに桜の花が咲いていました。こういうのを帰り花といいます。」
「学校からの帰り道に、帰り花を見つけました!」
「帰り花を見つけると、春を思い出します。」
「寒さが厳しい中で帰り花が咲いていました。」
いつの俳句の季語?
「帰り花」は、冬の季語です。
帰り花を季語として用いた有名なものとして次の俳句があります。
●松尾芭蕉
『凩に 匂いやつけし 帰花』
(こがらしに においやつけし かえりばな)
凩とは、晩秋に吹く北寄りの風である木枯らし(こがらし)のことです。
その風にのって「帰り花」の匂いが運ばれる情景を詠んだものです。
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●与謝蕪村
『かへり花 暁の月に ちりつくす』
(かえりばな あかつきのつきに ちりつくす)
●高浜虚子
『日に消えて 又現れぬ 帰り花』
(ひにきえて またあらわれぬ かえりばな)
「帰り花」の意味がわかりましたね。
冬が来て寒さを感じさせる季節に桜が咲いていたら驚いてしまいますが、小春日和のせいだったのですね。
「帰り花」をうっかりして咲いた花と感じる人、寒さに負けずに頑張って咲いた花と感じる人、いろいろな感じ方があるようですよ。
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