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「リラ冷え」北海道でだけで使われる気象用語の意味と語源とは?時期はいつ頃?

      2019/05/01

同じ意味のはずなのに地域によって違う言い方をしたり、その地域でしか通じない言葉があったり、日本語は本当に不思議です。

季節を表す言葉の中にも、一部の地域でしか通じないものがあり「リラ冷え」は北海道だけで使われる言葉なのだそうです。

どういう意味で、いつの時期に使われる言葉なのでしょうか?

今回は「リラ冷え」について調べてみました。


「リラ冷え」の意味と語源とは?時期はいつ頃?

「リラ」とは、「ライラック」のことです。

ライラックは、モクセイ科ハシドイ属の落葉樹で、和名は「ムラサキハシドイ」といいます。

日本では一般的に、英語で「lilac(ライラック)」と呼びますが、フランス語で「lilas(リラ)」と呼びます。

 

ライラックは北海道札幌市を代表する花で、札幌市を象徴する「市の木」にもなっています。

札幌市のライラックは、北星学園女子中学高等学校(現・学校法人北星学園)の創始者で札幌の女子教育の発展に貢献したサラ・クララ・スミス(1851年~1947年)がアメリカから持ってきたものが起源といわれています。

ライラックは札幌の気候と相性が良く、街中に広まりました。

 

「リラ冷え」とは、リラ(ライラック)の花が咲く時期である5月中旬~6月上旬ごろに、一時的に寒くなることをいい、冷たい空気を持つオホーツク海高気圧が北海道に影響を与えて、20度台あった気温が10度台に下がる現象のことです。

「リラ冷え」は北海道以外では使われない言葉ですが、同じような現象を一般的に「寒の戻り」といいます。

 

「リラ冷え」という言葉は北海道を代表する俳人である榛谷美枝子(はんがいみえこ・1916年~2013年)さんが、昭和35年(1960年)に発表した

「リラ冷えや 睡眠薬は まだきいて」

という俳句に用いたのが最初だといわれています。

 

この俳句によって「リラ冷え」がリラの花が咲く頃である「春の季語」となりました。

 

その後、作家の渡辺淳一(わたなべじゅんいち・1933年~2014年)が昭和46年(1971年)に「リラ冷えの街」という小説を出し、日本中に「リラ冷え」という言葉が広まったのです。


蝦夷梅雨とは?

「リラ冷え」と同じ時期に北海道で起こる気象現象として「蝦夷梅雨(えぞつゆ)」というものがあります。

北海道には本州のような梅雨はないとされていますが、蝦夷梅雨はオホーツク海高気圧の冷たく湿った空気の影響で、湿度が高くなり、雨の日やぐずついた天気が2週間ほど続くことをいいます。そして、この時に急に冷え込み、肌寒くなるのがリラ冷えなのです。

本州の梅雨は「梅雨前線(ばいうぜんせん)」が影響して起こりますが、北海道まで梅雨前線は届きません。

梅雨前線の影響ではないため、気象庁では「蝦夷梅雨」のことを「梅雨」として定義していません。

 

 

「リラ」とはライラックの事だったのですね。

北海道はライラックの生育に適しており、北海道に初夏の訪れを告げる花として親しまれているそうです。

特に、ライラックを「市の木」にしている札幌市では、約400本ものライラックが咲き誇るさっぽろ大通りなどで、毎年5月中旬ごろに「さっぽろライラックまつり」が開催され、大勢の観光客でにぎわうそうですよ。

関連:「寒の戻り」「花冷え」とは?意味や時期、使い方。反対語は何?

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