みなさんのお宅に、神棚はありますか?
神棚には扉がついているのはご存知だと思うのですが、この扉は開けっ放しにするのか、ずっと閉めたままなのか、また、開けるならいつ開けるのがいいのでしょうか?
今回は、神棚の扉について解説します。
神棚とは?
神棚の読み方は「かみだな」です。
神棚とは、 神道(しんとう)の神様を祀るための棚のことで、神棚の扉の中には、神社で授かった御神札(ごしんさつ・おふだ)をお祀りします。
神道とは?
「神道(しんとう)」とは日本に古くからある宗教で、日本神話に登場する神様や、自然現象や自然そのもの(山や岩など)、亡くなった人などを敬ったり、身のまわりの様々なものに神を見いだす多神教(たしんきょう)です。
多神教とは、神様が多数存在する宗教のことで、日本では「八百万(やおよろず)の神」と表現するほど数多くの神様が存在すると考えられています。
日本神話には天照大御神をはじめ数多くの神々が登場しますし、菅原道真のように怨念を残して亡くなった人を敬って祀ったり、トイレの神様や台所の神様、石ころの神様、米粒の神様のように身近なものひとつひとつに神様が宿っていると考えられています。
「八百万」とは、実際に八百万のという数字を表すのではなく、「数えきれないほど多いこと」を意味しています。
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御神札(ごしんさつ・おふだ)とは?
御神札とは、神社が発行するお札のことです。
紙製のものがほとんどですが、中には木製や金属製のものもあり、いずれも神棚の中に置きます。
御神札の表面にはご祭神(神社で祀られている神様の名前)や神社の名前が書かれています。
神棚には、基本的には3体の御神札をお祀りしますが、1体だけ、2体だけでも問題はありません。
※神様の数え方は「1柱(ひとはしら)」で、神様の分身とされる御神札は「1体(いったい)」と数えます。
3体の御神札は、
●天照皇大神宮(てんしょうこうたいじんぐう)
●氏神(うじがみ)神社
●崇敬(すうけい)神社
のものを用意します。
以下それぞれについて説明します。
天照皇大神宮の御神札
伊勢神宮の御神札で「神宮大麻(じんぐうたいま)」ともいいます。
伊勢神宮にお参りできなくても、多くの神社で授与することができます。
氏神神社の御神札
氏神神社は、自宅から最も近い神社のことです。
御神札は氏神神社で授かることができます。
崇敬神社の御神札
崇敬神社は、地域など関係なく、個人の特別な信仰で崇敬する神社のことでで、1社だけでも複数でもどちらでも良いです。
御神札は崇敬神社で授かることができます。
※敬神社がない場合は崇敬神社の御神札は必要ありません。
これらの御神札を三社宮の神棚の場合は横に並べて祀ります。
順位が決まっていて、向かって中央が最上位、次が右側、その次が左側となっています。
中央に天照皇大神宮を、右に氏神神社、左に崇敬神社の御神札をお祀りします。
崇敬神社が複数ある場合は、崇敬神社の場所に御神札を重ねてお祀りします。
崇敬神社がない場合は、左側にはなにも祀りません。
一社宮の神棚の場合は重ねて祀ります。
この時の順位は、手前が最上位、次が真ん中、その次が奥となっています。
前から天照皇大神宮、氏神神社、崇敬神社の順で御神札を重ねてお祀りします。
崇敬神社が複数ある場合は、奥に重ねてお祀りします。
崇敬神社がない場合は、天照皇大神宮、氏神神社だけをお祀りします。
三社宮と一社宮、どちらも御神札は扉の中にお祀りします。
※画像では、わかりやすいように扉の上に御神札を表示しています。
毎日の神棚のお供え物は、米、塩、水の三品をお供えしましょう。
これらは基本的に毎日取り換えますが、難しい場合は毎月の1日と15日に取り替えます。
米を中心に、右に塩、左に水をお供えします。
また、米・塩・水といっしょに、お酒をお供えしてもいいでしょう。
榊(さかき)はいつも絶やさないようにして、毎月の1日と15日に取り替えるのが一般的ですが、枯れる前に交換します。
水は毎日交換し、難しい場合は造花の榊を利用してもいいでしょう。
神棚は神社での参拝と同じく「二拝二拍手一拝(二礼二拍手一礼)」が基本になります。
日頃の神様のご加護に感謝の祈りを捧げましょう。
御神札はいつ交換すればいいの?どのように処分すればいいの?
御神札は一度授かれば良いわけではなく、1年程度で御神札としての力が弱まったり、ご利益が無くなると考えられています。
ですので 1年に一回は交換するようにしましょう。
御神札の交換の時期など特に決まりはありません。
多くの人は年末に神棚を大掃除し、古い御神札を神社に納め、新しい御神札を授かり、神棚に祀ってからお正月を迎えます。
年末に新しい御神札を授かることが難しい人は、お正月にお参りに行った際に授かるようです。
古い御神札は神社にお参りに行った際に納めるとお焚き上げしてくださいます。
神棚の扉は開けっ放しにしていい?閉めたほうがいい?半開きにしたほうがいい?
結論から申し上げますと、 「扉は開けっ放しか、閉めるのか、半開きか」という決まりは特にありません。
神社や地域、家庭によって考え方は異なるため、最終的な判断は自分自身で行ってください。
しかし、普段は扉を閉めていて、大きなお祭などの行事がある時だけ開けることが一般的です。
神社では扉の向こう側には御神体が祀られているので、普段は扉を閉めて軽々しく人目に触れることがないようにしているといわれています。
それに倣(なら)ってご家庭の神棚の扉も、特別な日だけ開けるということが多いようです。
特別な日とは、例えば・・・
●お正月
●地域や近所の神社のお祭の日
●結婚や出産などおめでたい日
などのことです。
また、お正月は御神札を授かる時期でもあるため、「お正月は扉を開ける」という人が多いのですが、いつからいつまで開けるのかについては決まりがなく「お正月三が日は開けておく」「元日だけ開けておく」など様々です。
神棚の扉については、特に決まりがないのですね。
普段は閉めていて特別な日だけ開けるという人が多いようですが、「毎日朝のご挨拶をして開けて、夜のご挨拶をして閉める」という人や、「神様が見ていると思う方が信仰心が強くなるから開けっ放し」という人もいます。
自分自身がどのようにすれば神棚を大事にできるのかを考えると良いですね。
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