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「上座」と「下座」の由来とは?会議室・宴会・和室・面接・飲み会・車

      2018/08/11

「上座」と「下座」という席次(せきじ・座席へ座る順序)のマナーがありますが、みなさんは場面によって使い分けることができていますか?

プライベートでしたら間違っても恥をかく程度で済みますが、ビジネスシーンで間違うと恥をかくだけではなく、場合によっては商談が不成立!などという悲しいことにもなりかねません。

今回は「上座」と「下座」についていろいろ調べてみました!

 

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「上座」と「下座」の由来とは?

「上座(かみざ・じょうざ)」とは、目上の人やお客さんが座る上位の席のことです。

「下座(しもざ・げざ)」とは、目下の人やお客さんをもてなす側が座る下位の席のことです。

「上座」「下座」の起源は、室町時代(1336年~1573年)中期から安土桃山時代(1573年~1603年)にかけて完成した書院造(しょいんづくり)といわれる住宅様式の装飾のひとつである「床の間(とこのま)」だといわれています。


 

「床の間」の「床(とこ)」とは「座する場、寝る場所」という意味があり、身分の高い貴族が座ったり寝る場所を一段高くしていたことが始まりといわれ、奈良時代(710年~794年ごろ)にはすでに「床」という言葉があったようです。

部屋の床よりも一段高くした「押板」と呼ばれる板が付けられた場所に、掛け軸や生け花などを飾り、主君など自分より身分の高い人と会うための「上段の間」が作られ、自分より身分の高い人が家を訪れた際には、上段の間でもてなしたのです。

そして、「上段の間」を「床」と呼び、一段高いところを「床の間」と呼ぶようになったのです。

 

また、「とこしえ(永久)」という意味もあり、その家の繁栄を象徴するものでもあり、和室の一番良い場所に位置しています。

床の間はお客様をもてなす最上の部屋にあり、床の間を背にするのは最も身分の高い人とされ、床の間が「上座」になり、その反対側が「下座」となります。

 

基本的に入り口から遠い席が「上座」で、入り口に近い席が「下座」になりますが、これは、敵が入り口から入ってきた時に、地位の高い大将が敵に討たれてしまうことを防ぐため、入り口から一番遠いところに座ったことが由来しているという説があります。

 

また、入り口からの距離の他に「左上右下(さじょううげ)」という考え方があります。

これは、左が上位、右が下位とするもので、飛鳥時代(592年~710年)に中国から伝わってきたものです。

中国では、皇帝は北極星を背に南に向かって座ることが良いこととされていました。

そのため、皇帝から見て左側(東)から日が昇り、右側(西)へ日が沈むので、東は西よりも尊く、左は右よりも上位であると考えており、左=上座、右=下座となっています。


上座と下座、その席次とは?

「上座」と「下座」は、場面ごとに位置が変わりますのでひとつずつ見ていきましょう。

説明文の中に登場する数字ですが、席の順番を表し、①が最も上位の人です。

数字が少ないほど上位で、数字が増えるごとに下位になっていきます。


■会議室での「上座」と「下座」

会議の議長席を中心とし、議長席に近く、出入り口から遠い席が上座になり、議長席から遠く、出入り口に近い席が下座になります。

議長席に近いほど上座になり、上座から順に座ると、①が議長席から見て右側の一番近い席、②が議長席から見て左側の一番近い席、③は右側の席、左側の席④・・・と続いていきます。


■応接室での「上座」と「下座」

出入り口から遠い席が上座、近い席が下座です。

応接室に絵がかかっている場合は、絵を正面から見ることができる場所が上座です。

ソファとひじ掛椅子がある場合は、ソファが上座となり、数人が座れる長いソファと一人掛けのソファの場合は、長いソファが上座となります。

長いソファは出入り口から遠いほうが上座なので、複数人で座る時は、出入り口が遠いところから①、②、③と座ります。

ひじ掛椅子や、一人掛けのソファも同じで、出入り口が遠いところから①、②、③と座ります。


■宴会での「上座」と「下座」

出入り口から遠い席が上座、近い席が下座です。

床の間があれば、床の間の前が上座になります。

料亭などで景色が良い(立派な日本庭園があるなど)場合は、景色が見える席が上座になります。

 
(1)身内だけの場合

主賓がいる場合は、主賓が一番上位ですので主賓が上座である床の間の前に座ります。

ひとつのテーブルを囲む場合、主賓が①、②は主賓の正面に座り、③は①の左側、④は②の右側、⑤は①の右側、⑥は③の斜め左側、⑦は⑤の斜め右側、⑧は②の左側(最も出入り口に近い)・・・と続きます。

 

(2)接待などお客さんがいる場合

接待などでは、お客さんは同じグループ(同じ会社)ごとに座ります。

ここでは、お客さんが3人、接待する側が5人という設定で説明いたします。

床の間の前が上座で①、①の隣で入口から遠い席が②、①の隣で入口に近い席が③、①の正面が④、⑤は④の右側、⑥は④の左側、⑦は⑤の斜め右側、⑧は6の斜め左側になります。


■結婚式での「上座」と「下座」

新郎新婦に一番近い席が上座で、上座のテーブルの中でもより新郎新婦に近い席が上位となり、主賓が座ります。

新郎新婦から一番遠い席が下座で、新郎新婦の両親が座ります。

結婚式の場合、新郎新婦が座るメインテーブルに向かって左側が新郎関係者席、右側が新婦関係者席というふうに、テーブルがわけられることがほとんどです。


(1)円卓の場合

新郎関係者席の中で、新郎に最も近い席が上座で①、①の左側が②、①の右側が③、②の左側が④、③の右側が⑤・・・と続いていきます。

新婦側のテーブルは、新郎側のテーブルの真逆になっています。

新婦関係者席の中で、新婦に最も近い席が上座で①、①の右側が②、①の左側が③、②の右側が④、③の左側が⑤・・・と続いていきます。

 

 
(2)長テーブルの場合

基本的に円卓と同じで、新郎新婦に近いほうが上座です。

新郎関係者席の中で、新郎に最も近い席が上座で①、①の正面が②、①の左側が③、3の正面が4、3の左側が5・・・と続いていきます。

新婦側のテーブルは、新郎側のテーブルの真逆になっています。

新婦関係者席の中で、新婦に最も近い席が上座で1、1の正面が2、1の右側が3、3の正面が4、3の右側が5・・・と続いていきます。

 


■和室での「上座」と「下座」

床の間を背にする席が上座で、出入り口に近い席が下座になります。

床の間がある場合は床の間の前が上座ですが、床の間がない場合、出入り口から遠い席が上座になります。

床の間の前が①、①の隣が②、①の正面が③、③の隣が④(出入り口に最も近い)となります。


■面接での「上座」と「下座」

出入り口から遠い席が上座、近い席が下座です。

面接官が上座に座ることもあれば、下座に座る場合もあります。

面接官がいる部屋に通された場合、面接官の指示に従って座れば良いのですが、面接官よりも先に部屋に通された場合は、案内のされかたで座る位置がかわります。

「こちらでお待ちください」と言われた場合、下座の席の側で立ったまま面接官を待ちます。

「こちらにお掛けになってお待ちください」と言われた場合、それが上座であっても指示に従います。

席の指定がなく「お掛けになってお待ちください」と言われた場合は、下座の席に座って面接官を待ちます。

 

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■飲み会での「上座」と「下座」

出入り口から遠い席が上座、近い席が下座です。

飲み会の幹事が下座に座ります。

飲み会の会場が和室の場合、先ほど説明した和室の席次になります。

円卓の場合、出入り口から遠い席が上座で①、①の左側が②、①の右側が③、②の左側が④、③の右側が⑤、④の左側が⑥、⑤の右側が⑦・・・と続きます。

 


■車での「上座」と「下座」

車の場合、運転手が誰なのか、誰と乗るのかで座る位置が異なります。

 
(1)タクシーの場合

タクシーの場合、運転席の後ろの席が上座、助手席が下座になり、助手席の人が運転手に行先を告げたり料金を支払ったりする役目になります。

後ろの席に3人座る場合、運転席の後ろが①、真ん中が③、助手席の後ろが②、助手席が④となりますが、③の席は窮屈なので状況に応じで④の人が「席を変わりましょうか?」という配慮が必要です。


 
(2)自家用車や社用車(身内だけが乗る場合)

自家用車や社用車など、身内だけが乗る場合、助手席が上座、助手席の後ろの席が下座になります。

後ろの席に3人乗る場合、真ん中の席が最も窮屈になってしまうので下座になります。


 
(3)自家用車や社用車(お客さんが乗る場合)

自家用車や社用車などにお客さんを乗せる場合は、タクシーと同じように運転席の後ろの席が上座、助手席が下座になります。

自家用車や社用車などで、お客さんが運転をする場合は、お客様に敬意を払って助手席に最も上位の人が座りますので上座、後ろの真ん中の席または助手席の後ろの席が下座になります。

車の席次は決まっていますが、場合によって臨機応変な対応が求められます。

本来なら後部座席に座るべきお客さんが「助手席に座りたい」と言った場合は優先したほうが良いですし、足腰が悪い上司が乗り降りしやすいように助手席の後ろに座ってもらうこともあります。


■バスでの「上座」と「下座」

バスは運転席の後ろの席・最前列が上座で前から順番に座っていき、最後列が下座です。

補助席を使う場合、前から順番に座っていき、最後列の補助席が下座です。

バスの席次は決まっていますが、乗り物酔いしやすい人は前の方の席に座ってもらったり、最後尾に乗りたいと上司やお客さんが希望すれば優先したりするなど、臨機応変に対応しましょう。


■エレベーターでの「上座」と「下座」

エレベーターは、乗り降りがしやすい中央の奥が上座で、操作ボタンの前やドアの近くが下座です。

エレベーターに乗る時は、下座に行く人はドアが閉まらないようにエレベーターの外から押さえ、上司やお客さんに「どうぞ」と先を促し、最後に乗って操作ボタンの前やドアの前に立ちます。

降りる時は、下座の人が操作ボタンの「開」を押したり、ドアを押さえて、上司やお客さんを先に降ろします。

 


 

「上座」と「下座」はプライベートだけではなくビジネスマナーとしてしっかり身に付けていたいですね。

海外でも、「上座」と「下座」という考え方がありますが、国によって位置が異なるようです。

欧米などレディファーストをする国では女性が優先されますし、「左上右下」ではなく「右上左下」の国もありますので、海外に行くときは事前に確認しておきたいですね。

 

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