数え方「一十百千万億兆・・・」の続きとは?読み方と意味、覚え方

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数を数える時に一、十、百、千、万、億、兆までは馴染みがありますが、この続きはどうなっているのでしょうか?

それ以上大きな数字は普段の生活では馴染みがないので、知らないという人も少なくないと思います。

今回は「一十百千万億兆」の続きはどうなっているのか、読み方と意味、覚え方をご紹介します。

 

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目次

「一十百千万億兆」の続きとは?読み方は?

「一十百千万億兆・・・」

これらの漢数字の単位は4世紀後半~5世紀ごろに仏教や漢字の伝来とともに中国から伝わったといわれています。

漢字が伝わる以前の日本には文字が存在していなかったため、数の文字表記はありませんでしたが、「ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ・・・」という数え方は存在していました。

漢数字が伝わったことで、「いち、に、さん、し・・・」という漢語(かんご・中国語)が由来の読み方で数えるようになったといわれています。

また、漢数字が伝わる前の日本では、数は10または20までしかなかったといわれていますが、漢数字が伝わったことで11以上の数字を表すようになったといわれています。

 

詳細は以下の記事をご覧ください。

関連:「ひふみよ」の数え方の続きとは?「ひふみ祝詞」の全文と意味

 

その後、江戸時代(1603年~1868年)になると和算(わさん)が発展しました。

和算とは、中国から伝わった計算方法を日本独自の発展させた江戸時代の数学のことで、日常生活に関わる計算だけでなく、解析学や幾何学など高度な計算も漢数字を用いて行われていました。

 

以下は、江戸時代前期の和算家の吉田光由(よしだみつよし・1598年~1673年)が、中国の数学書を参考にして「塵劫記(じんこうき)」という算術書にまとめた漢数字の単位です。

数字には上限がないので無限に続きますが、「無量大数」が漢字文化圏では最大の漢数字となります。

漢字文化圏とは、中国、韓国、台湾、北朝鮮、ベトナム、日本のことです。

これらの国では、基本的に古代中国の漢数字をもとにしていますが、同じ漢数字でも時代や地域によっていくつかを表すは異なります。

例えば「恒河沙(ごうがしゃ)」はゼロの数が52というのが一般的ですが、ゼロの数が56の場合もあります。

 

また、華厳経という経典には「無量大数」よりも大きな数を表す言葉がたくさん登場し、その中で一番大きな漢数字は「不可説不可説転(ふかせつふかせつてん)」です。

「不可説」は、悟りの境地は言葉では説明できないという意味です。

「不可説不可説転」はそれをさらに上回る数字になり、ゼロの数が37潤2183溝8388穣1977秭6444垓4130京6597兆6878億4964万8128個となります。

これほど大きな数字は日常で使われるものではなく、仏教で悟りを開くにはとてつもない努力が必要だと教えるための数字ではないかと考えられています。

 

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「一十百千万億兆・・・」の意味

それでは以下にそれぞれの漢数字と意味などをご紹介します。

 

一(いち)

「壱」と書く場合もあります。

ひとつ、いくつかの中のひとつ、という意味があります。

 

十(じゅう)

「拾」と書く場合もあります。

「一」の十倍の数です。

数が多いこと、たくさんという意味があります。

 

百(ひゃく)

「佰」と書く場合もあります。

「十」の十倍の数です。

多くのもの、もろもろのものという意味があります。

 

千(せん)

「阡」または「仟」と書く場合もあります。

「百」の十倍の数です。

数が多いという意味があります。

 

万(まん)

「萬」と書く場合もあります。

「千」の十倍の数です。

数がとても多いことという意味があります。

 

億(おく)

「万」の一万倍の数です。

非常に多くの数という意味があります。

 

兆(ちょう)

「億」の一万倍の数です。

数が極めて多いという意味があります。

 

京(けい)

「兆」の一万倍の数です。

 

垓(がい)

「京」の一万倍の数です。

最果ての場所、境という意味がります。

 

禾予(じょ)

※「じょ」は、「のぎへん」に予

「垓」の一万倍の数です。

元々の漢字は秭であり、積み重ねるという意味があります。

 

穣(じょう)

「禾予」の一万倍の数です。

数字の単位としての意味は不明

 

溝(こう)

「穣」の一万倍の数です。

もともとは仏教用語で、「きわめて長い時間」という意味があります。

 

澗(かん)

「溝」の一万倍の数です。

数字の単位としての意味は不明

 

正(せい)

「澗」の一万倍の数です。

数字の単位としての意味は不明

 

載(さい)

「正」の一万倍の数です。

数字の単位としての意味は不明

 

極(ごく)

「載」の一万倍の数です。

数字の単位としての意味は不明

 

恒河沙(ごうがしゃ)

「極」の一万倍の数です。

もともとは仏教用語です。

「恒河」はガンジス川、「沙」は砂を表しており、「恒河沙」はガンジス川にある無数の砂という意味になります。

仏教では無限の数、数えきれないほどの数の例えとして用いられていました。

現在はゼロの数が52というのが一般的ですが、時代や地域、人によって解釈が異なりゼロの数が56という説もあります。

 

阿僧祇(あそうぎ)

「恒河沙」の一万倍の数です。

もともとは仏教用語で、「数えることができない」という意味があります。

現在はゼロの数が56というのが一般的ですが、時代や地域、人によって解釈が異なりゼロの数が64という説もあります。

 

那由他(なゆた)

「阿僧祇」の一万倍の数です。

もともとは仏教用語で「極めて大きな数量」という意味です。

現在はゼロの数が60というのが一般的ですが、時代や地域、人によって解釈が異なりゼロの数が72という説もあります。

 

不可思議(ふかしぎ)

「那由他」の一万倍の数です。

もともとは仏教用語で、思ったり、議論したりすることが不可なほど大きい数字という意味です。

現在はゼロの数が64というのが一般的ですが、時代や地域、人によって解釈が異なりゼロの数が80という説もあります。

 

無量大数(むりょうたいすう)

「不可思議」の一万倍の数です。

もともとは仏教用語です。

「無量」は計り知れないほど大きな量や膨大な量、「大数」は大きい数を表しており「無量大数」は計り知れないほど大きな数という意味になります。

現在はゼロの数が68というのが一般的ですが、時代や地域、人によって解釈が異なりゼロの数が88という説もあります。

 

「一十百千万億兆・・・」の覚え方

「ゆず」の「イロトリドリ」という歌の中でテンポよく「1.2.3.4…無量大数」と歌っています。

理由は不明ですが「禾予(じょ)」が抜けていますので、そこだけ注意が必要です。

1分05秒のあたりから確認してみてください。

丸暗記するしかないのですが、「イロトリドリ」のようにテンポよくメロディーに乗せて歌うようにすると覚えやすいかもしれませんね。

いかがでしたでしょうか?

「一十百千万億兆」の続きには想像もできないほど大きな数があることがわかりましたね。

普段の生活の中では「万」くらいまでしか使いませんし、宝くじの当せん金で「億」、国家予算で「兆」という数を見聞きする程度でしょう。

それ以上大きな数字は馴染みが無いのでゼロが68個もある無量大数なんて、書いている途中でわけがわからなくなりそうですが、昔の人がこんなに大きな数字について考えていたというのは驚きですね。

 

関連:漢数字の「一、二、三」はなぜ「壱、弐、参」と書くの?続きは?

 

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