新聞や本、仕事の書類など、普段の生活の中で「これ、読めそうで読めない!」と思ってしまう漢字は少なくないと思います。
今回は、簡単そうなのに読み方が難しい漢字、読めそうで読めない漢字を集めてみました!
あなたは全部読めますか?
読めそうで読めない漢字
まずは漢字だけを見て考えてみましょう!
その後、意味を書いていて少しスペースを空けて読み方を書いています。
ゆっくりスクロールさせながら確認してくださいね!
生憎
期待や目的に添えず都合が悪いという意味です。
「生憎、商品の入荷は未定でございます」
「生憎、ご予約がいっぱいでございます」
のように使います。
読み方:あいにく
胡坐
座り方のひとつで、両足を組んで座ることを「胡坐をかく」といいます。
「胡坐をかく」という慣用句もあり、自分はなんの努力もしないのに、周囲に頼ってずうずうしく構える様子をいいます。
「彼は親の地位に胡坐をかいている」
「自分が優秀だと胡坐をかくと後で痛い目に遭うよ」
のように使います。
読み方:あぐら
論う
もともとは「議論をする」という意味で使われていました。
今は「欠点やささいなことを取り立てて大げさに言う」という意味で使われることが多いようです。
「うちの上司は部下のミスを論うことが多い」
「今更昔のことを論うことはないだろう」
のように使います。
読み方:あげつらう
呆気
多くの場合「呆気にとられる」と使います。
思いがけない出来事、意外な出来事に驚き呆れ(あきれ)て呆然(ぼうぜん)とするという意味です。
「呆気にとられてその場に立ち尽くしてしまった」
「彼の言動は、その場にいた誰もが呆気にとられていた」
のように使います。
読み方:あっけ
強ち
一方的に決めつけられない様子、自分の都合だけでは決められない様子をいいます。
「君の考えは強ち間違ってはいない」
「息子の言っていることは強ち嘘とは言い切れない」
のように使います。
読み方:あながち
剰え
「さらに」や「それだけでなく」「おまけに」と言い換えることができます。
主に好ましくない状況が重なる様子や、悪いことが重なる様子をいいます。
「終電に間に合わなかった。剰え近くに宿泊施設もない」
「雨が降り出して、剰え風まで強くなってきた」
のように使います。
読み方:あまつさえ
肖る
影響を受けて同様の状態になることで、主に幸運な状態の人の影響を受けて自分も良い状態になりたいときに用います。
「幸せな結婚生活を送る二人に肖りたい」
「第一志望に就職が決まった彼に肖りたい」
のように使います。
読み方:あやかる
予め
物事を始める前にある事をしておく様子、前もって、という意味です。
「予めご了承ください」
「予め道順を確認しておきましょう」
のように使います。
読み方:あらかじめ
著す
書物を書くこと、書物を出版するという意味です。
「本を著す」
「この作者は多くの作品を著した」
のように使います。
読み方:あらわす
潔い
思い切りが良く未練がましくない様子、さっぱりとしている様子のことです。
「担当者が潔い性格で仕事がはかどる」
「先輩のように潔い人になりたいです」
のように使います。
読み方:いさぎよい
一矢
一本の矢のことです。
主に「一矢を報いる・一矢報いる」と使います。
「一矢を報いる」とは、敵の攻撃に対して一本の矢を射返す(いかえす)ことですが、これが転じて、自分への攻撃や非難に対して、少しでも反撃・反論することをいいます。
「一矢を報いる」
「一矢を放つ」
のように使います。
読み方:いっし
居丈高
人に対して威圧的な態度をとる様子です。
「後輩に対して居丈高な振る舞いをする」
「居丈高に指示を出す」
のように使います。
読み方:いたけだか
外郎
米粉に黒砂糖などをまぜて蒸した菓子のことです。
「山口、名古屋、小田原は外郎が名物です」
「お土産に外郎を購入する」
のように使います。
読み方:ういろう
転寝
寝るつもりはないのにうとうとしてしまうこと、床に入らずについ眠ってしまうことです。
「つい、ソファで転寝してしまったよ」
「仕事中なのに転寝をしてしまった!」
のように使います。
読み方:うたたね
俯せ
顔を下に向けてからだを伏せることや、腹を下にして横たわることです。
「俯せになって眠る」
「俯せのままじっとしている」
のように使います。
読み方:うつぶせ
疎い
事情を知らない、詳しくない、関心がない、疎遠になっている、なじめないなどの意味があります。
「機械の操作には疎くて、人任せなのです」
「親戚との関係が疎くなってしまった」
のように使います。
読み方:うとい
促す
物事などを早くするよう急き立てること、催促すること、相手がその気になるようすすめることです。
「部下に資料の提出を促す」
「子どもに食事を促す」
のように使います。
読み方:うながす
点頭く
首を一度前に倒して上げる動作のことです。
「彼の話を点頭きながら聞く」
「あまりの嬉しさに点頭くことしかできなかった」
のように使います。
読み方:うなずく
「頷く」とも書きます。
恭しい
相手を敬って、礼儀正しく丁寧に振舞う様子です。
「お客様を恭しく出迎える」
「神前で恭しく頭を下げる」
のように使います。
読み方:うやうやしい
愁い
心の中にある悲しい思いやもの悲しい様子です。
「いつも笑顔の母が、最近愁いを伴う表情が多くなって心配だ」
「恋人と別れたばかりの弟が愁いを帯びた顔をする」
のように使います。
読み方:うれい
御田
練り物や野菜などを煮込んだ料理のことです。
「御田の具は、大根が一番好きです」
「今夜は御田が食べたい」
のように使います。
読み方:おでん
※「おんだ」と読む場合は、神社が所有する田んぼのことをいいます。
戦く
恐ろしさ、寒さ、興奮などのために、体がぶるぶるっと震えること、または、そのような思いをすることです。
「ハイキング中に熊に遭遇して恐れ戦く」
「想像以上の寒さに体が震え戦く」
のように使います。
読み方:おののく
「慄く」とも書きます。このように書くこともあります。
徐に
落ち着いて、ゆっくりと行動する様子を表します。
「彼は徐に立ち上がった」
「カバンから徐に筆記用具を出した」
のように使います。
「突然に」「不意に」という意味はありませんので気をつけましょう。
読み方:おもむろに
慮る
周囲の状況などをよく考慮する、あれこれと思いを巡らせよく考えるという意味です。
「上司が部下のことを慮る人で良かった」
「相手のことを慮って日程を調整した」
のように使います。
読み方:おもんぱかる
凡そ
物事の大体の内容、あらましのことです。
「作業内容は凡そ理解している」
「喧嘩の原因は凡そ見当がつく」
のように使います。
読み方:およそ
予予
以前から、かねて、という意味です。
「お噂は予予聞いておりますよ」
「あなたのことは予予聞いていました」
のように使います。
読み方:かねがね
「兼ねがね」「兼ね兼ね」「兼兼」とも書きます。
感ける
ある一つの事に気を取られ、他のことをおろそかにしてしまう様子をいいます。
「遊びに感けて勉強がおろそかになる」
「仕事に感けて家庭を顧みない」
のように使います。
他に「心を惹かれる、感心する、共感する」という意味もありますが、この意味で使われることはほとんどありません。
読み方:かまける
萌し
物事が起ころうとしている気配や雰囲気のことです。
「残暑が厳しい毎日だが、朝夕には秋の萌しがある」
「治療の効果が出たのか、回復の萌しがみえる」
のように使います。
読み方:きざし
「兆し」とも書きます。
奇しくも
「偶然なことに」「不思議なことに」という意味です。
「奇しくも同じ電車に乗っていた」
「祖母と母は奇しくも同じ年齢で亡くなった」
のように使います。
読み方:くしくも
口遊む
詩や歌などを、思い浮かんだまま声に出して言ったり歌ったりするのことです。
「気づいたら好きな歌を口遊んでいた」
「息子がいつも口遊む歌はなんだろう?」
のように使います。
読み方:くちずさむ
括れ
中ほどで細くなっていることや、その部分をいいます。
「ダイエットを頑張ったのでウエストに括れができた」
「ひょうたんの括れ」
のように使います。
読み方:くびれ
焼べる
燃やすために火の中に入れることです。
「暖炉に薪を燃べる」
「石炭を燃べて蒸気機関車を動かす」
のように使います。
読み方:くべる
与する
仲間に加わる、見方をする、同意するなどの意味で使われます。
「以前は彼も賛成派だったのに、いつの間にか反対派に与した」
「どちらのチームにも与したくない」
のように使います。
読み方:くみする
「組する」とも書きます。
希う
強く願う、切望するという意味です。
「一層の御理解を希う次第です」
「ご成功を希っております」
のように使います。
読み方:こいねがう
「乞い願う」とも書きます。
転ける
倒れる・転がる・ころぶという意味です。
主に西日本で使われる方言です。
ほかに、映画や芝居などの興行が当たらないまま終わるという意味があります。
「段差につまずいて転ける」
「人気俳優の話題作だったはずなのに、転けてしまった」
のように使います。
読み方:こける
挙って
ある集団を構成する者全員が同じ行動をする様子、一人残らず全員、という意味です。
「部下は挙って賛成してくれた」
「クラスメイトは挙って体育祭を楽しんだ」
のように使います。
読み方:こぞって
言伝
伝言を他の人に取り次いでもらうことや、人づてに聞いた話のことです。
「先に帰るように言伝をする」
「先輩からの言伝は聞きました」
のように使います。
読み方:ことづて
強面
こわい顔つき。
また、相手を威圧するような態度のことです。
「強面の彼に意見をするのは、いつもびくびくしてしまう」
「優しい人なんだけど、強面なので第一印象が良くない」
のように使います。
読み方:こわもて
「強持て」「恐面」「恐持て」とも書きます。
流離う
どこというあてもなく、定まった目的もなく歩きまわることです。
「世界のいろいろな国を流離う」
「流離うような人生を歩んでいた」
のように使います。
読み方:さすらう
捌く
手際よく処理すること、道具をうまく使うことという意味です。
「次々と魚を捌いていく」
「包丁捌きが素晴らしい!」
のように使います。
読み方:さばく
然も
確かにそれに違いないと思われる様子をいいます。
「そのようにも」「いかにも」「まったく」などの意味があります。
「然もありなん」
「然もなくば」
のように使います。
読み方:さも
強か
粘り強くて、他からの圧力になかなか屈しない様子、しぶとい様子のことです。
「彼はとても強かだよ」
「君には強かさが足りない」
のように使います。
読み方:したたか
確り
物事が安定している様子、強固で揺るがない様子です。
「ロープを確りと結ぶ」
「彼は確りしているので、この仕事を任せても大丈夫だろう」
のように使います。
読み方:しっかり
設える
備え付ける、飾り付けるなどの意味があります。
「キッチンを自分好みに設える」
「庭に池を設える」
のように使います。
読み方:しつらえる
記す
文章や記事を書くこと、記録することです。
「会議の内容を記す」
「勝負の結果を記す」
のように使います。
読み方:しるす
清清しい(清々しい)
さわやかで気持ちが良い、さっぱりしている、ためらいがない、思い切りが良いという意味です。
「朝の散歩は清々しいので大好きです」
「あなたの行動はいつも清々しいね」
のように使います。
読み方:すがすがしい
掬う
手のひらやさじなど、くぼんだ形のものを使って、液状・粉末状のものの表面に近い部分を取り出すことや、液体に浮いているものや中にあるものを取り出すことをいいます。
「鍋の中から豆腐を掬う」
「料理中に灰汁(あく)を掬う」
のように使います。
読み方:すくう
雪ぐ
水で汚れを洗い落とすこと、水で清めることです。
「口を雪ぐ」
「汚れた手足を雪ぐ」
のように使います。
読み方:すすぐ・そそぐ
啜る
吸い込むようにして口の中に入れることです。
「ラーメンをおいしそうに啜る」
「お茶を啜る」
のように使います。
読み方:すする
寸寸
切れ切れになる様子を表しています。
「紙を寸寸に引き裂く」
「台風の被害が大きくて、道路網が寸寸になっている」
のように使います。
読み方:ずたずた
須らく
なすべきこととして、当然という意味です。
「学生は須らく勉強をすべきだ」
「須らく大人は子供のお手本であるべきだ」
のように使います。
読み方:すべからく
凡て
ある物事の全部、ことごとく、残らずなどの意味があります。
「凡ての力を使い切った」
「ここにある物は凡て持って行ってください」
のように使います。
読み方:すべて
「全て」「総て」とも書きます。
競る
他人に負けまいと互いに争うことです。
「ライバルと首位を競る」
「数が少ない品物を入手するために客同士の競り合いが始まった」
のように使います。
読み方:せる
殺ぐ
先端や出っ張った部分を切り落とすことや斜めに削ること、興味や関心や勢いを奪い去ることです。
「ゴボウを殺いで調理する」や
「彼の発言は全員の意欲を殺ぐ」
のように使います。
読み方:そぐ
「削ぐ」とも書きます。
唆す
その気になるようにおだてて仕向けることですが、良い意味に使われることはありません。
おだてていい気持ちにさせたり、その気にさせたりして悪い意味で誘う場合に使われます。
「何も知らない人を唆して犯罪グループに引き込む」
「恋人を唆して大金を使わせる」
のように使います。
読み方:そそのかす
漫ろ
複数の意味があります。
1つめは、これといった理由もなしにそうなったりすることです。
「漫ろにさみしさを覚える」
「漫ろ寒さが身に染みる」
のように使います。
2つめは、心が落ち着かないでそわそわする様子のことです。
「結婚式が近づいて気も漫ろです」
「明日の遠足が楽しみで気も漫ろだ」
のように使います。
読み方:そぞろ
「すずろ」や「すぞろ」と読むこともあります。
戦ぐ
風に吹かれて草や木の葉などがかすかに音をたてて揺れ動くことです。
「風で葉っぱが戦いでいる」
「裏山の木々が戦いでいる」
のように使います。
読み方:そよぐ
集る
多くの物や人が一箇所に寄り合う、集中する、むらがる様子です。
「お祭り会場は黒山のように人が集っている」
「稲刈り後の田んぼにすずめが集ってる」
のように使います。
読み方:たかる
魂消る
非常に驚くこと、びっくりすることです。
「突然目の前に現れたから魂消た」
「いつも穏やかな母があんなに怒るなんて魂消たよ」
のように使います。
読み方:たまげる
手繰る
両手を交互に使って綱などを手元に引き寄せる、話の筋や記憶を順番に引き出したり思い出すという意味です。
「記憶を手繰る」
「釣り糸を手繰る」
のように使います。
読み方:たぐる
徒ならぬ
普通ではない、並外れて優れているという意味です。
「この場所は徒ならぬ雰囲気だ」
「徒ならぬ予感がする」
のように使います。
読み方:ただならぬ
忽ち
すぐさま、即刻、非常に短い時間のうちに動作が行われる様子です。
「人気商品だから忽ち売り切れてしまった」
「彼女の笑顔が忽ち泣き顔に変わってしまった」
のように使います。
読み方:たちまち
偶偶(偶々)
何らかの目的や意図もなくそうなる様子、うまい具合にそういう事態や状況になる様子を表しています。
「街を歩いていると偶偶、昔のクラスメイトと会った」
「偶偶早く出勤したおかげで、後輩が努力している姿を見ることができた」
のように使います。
読み方:たまたま
躊躇う
あれこれ考えて迷う様子、決心がつかない様子、行動に移せない様子などをいいます。
「躊躇する(ちゅうちょする)」と同じ意味です。
「会議で発言するのを躊躇う」
「親と喧嘩をしたので家に帰るのを躊躇う」
のように使います。
読み方:ためらう
禿びる
先がすり切れる、すり減るという意味です。
「鉛筆が禿びるまで使う」
「気に入って毎日履いていた靴の裏が禿びた」
のように使います。
読み方:ちびる
一寸
「いっすん」とも読むのが一般的で、一寸とは昔の単位で今の単位に直すと約3㎝のことです。
「ちょっと」と「いっすん」は、読み方は違っても意味は同じで、短い距離や、短い時間、わずかなことのたとえです。
「一寸待っていてください」
「仕事で近くに来たので一寸立ち寄ってみました」
のように使います。
読み方:ちょっと
序に
あることを行うときに、いっしょに他のことにも利用できる機会のことです。
「買い物に行く序に郵便局にも寄って行こう」
「出張の序にその土地の美味しい物をたくさん食べよう」
のように使います。
読み方:ついでに
啄む
鳥がくちばしを使ってつついて食べる様子をいいます。
「庭の柿の実を鳥が啄む」
「文鳥が餌を啄む」
のように使います。
読み方:ついばむ
拙い
能力が劣っている様子、物事に巧みでない様子、技術が未熟な様子をいいます。
「拙い説明だが一生懸命さが伝わる」
「勉強を始めたばかりなので拙い英語しか話せない」
のように使います。
読み方:つたない
具に
細かくて詳しい様子、「ことごとく」や「もれなく」などの意味があります。
「会議の内容を具に報告する」
「花の成長を具に観察する」
のように使います。
読み方:つぶさに
詳らか
細かいところまではっきりしている様子のことです。
「予算の内容を詳らかにする」
「トラブルの原因を詳らかにしなさい」
のように使います。
読み方:つまびらか
「審らか」とも書きます。
円ら
丸くて愛らしいこと、可愛らしいことをいいます。
「円らな瞳が愛らしい」
のように使います。
読み方:つぶら
紡ぐ
本来の意味は、綿(わた)や繭(まゆ)の繊維を引き出して、縒り(より)をかけて糸を作るという意味です。
これが転じて「歴史を紡ぐ」「未来を紡ぐ」「言葉を紡ぐ」のような比喩的表現で用いられています。
「わが子の思い出をひとつひとつ紡いでアルバムを作る」
「親から子、子から孫へと命を紡いでいく」
のように使います。
読み方:つむぐ
遠離る
遠くに離れる、ある場所から離れて遠くなる、疎遠になるという意味です。
「船が岸から遠離る」
「遠離る姿を見送る」
のように使います。
読み方:とおざかる
刺刺しい(刺々しい)
ものの言い方や表情などがいかにも意地悪できつい様子を表します。
「あの人はいつも刺刺しいから苦手だ」
「誰に対しても刺刺しいのはどうしたものか」
のように使います。
読み方:とげとげしい
「棘棘しい」とも書きます。
何方道
どちらにしても、いずれにしてもと言い換えることができます。
「何方道、私が引き取ることになりますよね」
「何方道、残業をしなければならない」
のように使います。
読み方:どっちみち
蔑ろ
冷たくあしらうこと、侮り(あなどり)軽んずるという意味です。
「先生は彼を蔑ろにしている」
「私の意見が蔑ろにされた」
のように使います。
読み方:ないがしろ
乍ら
二つの動作、状態が並行して行われる時に用いられる言葉です。
「歩き乍ら音楽を聴く」
「安全を確認し乍ら先に進む」
のように使います。
読み方:ながら
存える
命を長く存続させる、長く生きつづけるという意味です。
「大きな事故に遭ったが処置が間に合って生き存えることができた」
「家族や友人はとっくに亡くなったのに、自分はまだ生き存えている」
のように使います。
読み方:ながらえる
泥む
そのことに心がとらわれること、こだわること、執着すること、とどこおること、物事が進まないことなどの意味があります。
「古くからの慣習に泥む」
「暮れ泥む空」
のように使います。
読み方:なずむ
準える
ある物事を他のものにたとえて表現すること、ある物事を似ているものと比較してそれとみなすこと、似せることなどの意味があります。
「長い人生を航海に準える」
「先輩の作品に準える」
のように使います。
読み方:なぞらえる
均す
凹凸(おうとつ)を無くして平らにすること、平均にすることです。
「グラウンドを均す」
「利益を均して分配する」
のように使います。
読み方:ならす
「平す」とも書きます。
捗る
仕事や作業などが滞ることなく順調に進むことです。
「今日は人数が多いから作業が捗るね!」
「一人だと勉強が捗る」
のように使います。
読み方:はかどる
密密
他人に聞かれないように小声で話す様子を表します。
「教室の端っこで密密話す」
「周りに誰もいなくても万が一があるから密密話しましょう」
のように使います。
読み方:ひそひそ
私か
他人に知られないように物事をすること。こっそり行うこと。
読み方:ひそか
「密か」や「窃か」と書く場合もあります。
直向き
ひとつの物事だけに心を向けている様子、一途に打ち込む様子のことです。
「彼は直向きに彼女のことを想い続けている」
「直向きな努力を認めてあげよう」
のように使います。
読み方:ひたむき
一入
ほかの場合より程度が一段と増すこと、元々の状態に比べてより一層程度が増すことをいいます。
「運動会で息子の成長を見ることができて喜びも一入です」
「20年ぶりの再会に懐かしさも一入でした」
のように使います。
読み方:ひとしお
染物を染料につける回数が由来とされており、「入(しお)」は染物を染料につける回数のことで、「一入(ひとしお)」は染料に一回、「再入(ふたしお)」は染料に二回つけることをいい、何度もつけることを「数が多い」という意味で「八入(やしお)」「千入(ちしお)」など表現します。
「入(しお)」の語源は定かではありませんが、「ひとしお」という言葉は現在と同じ「一層・一段と増す」という意味で平安時代ごろには使われており、当時はひらがな表記だったのですが、「染料に一回入れる(つける)」ことから「一入」という漢字を当てたと考えられています。
素見す
意味はふたつあります。
1つ目は、相手が困ったり恥ずかしがったりするような言葉をかけてからかうことです。
「たまたま帰り道が一緒になっただけなのに、クラスメイトから恋人関係だと素見された」
「両親が何歳になっても仲良しだから素見した」
のように使います。
2つ目は買う気もないのに商品を手に取ったり、値段を聞いたりすることです。
「待ち合わせ時間まで暇だから、デパートのお店を素見すわ」
「ブランドショップに立ち寄って素見してみよう」
のように使います。
読み方:ひやかす
総総
たくさん集まって垂れ下がっている様子を表します。
「髪の毛が総総している」
「うちのネコの毛は総総でとても触り心地が良い」
のように使います。
読み方:ふさふさ
相応しい
似つかわしい、つりあっているという意味です。
「リーダーとして相応しい人だ」
「結婚式には相応しくない服装ですよ」
のように使います。
正解は:ふさわしい
謙る
相手を敬って自分を控えめにする、謙遜する、卑下するという意味です。
「彼は誰に対しても謙った態度で接する」
「謙りすぎてはいけないよ」
のように使います。
読み方:へりくだる
綻びる
もともとは「縫い目がほどける」という意味でしたが、「緊張したものが緩む」という意味で使われるようになりました。
「セーターが綻びる」
「嬉しい知らせに思わず顔が綻んだ」
のように使います。
読み方:ほころびる
熱る
熱を帯びて熱くなる、熱を発する、顔が赤くなる様子です。
「風邪をひいて体が熱る」
「使い方が悪かったのか、パソコンが熱っている」
のように使います。
読み方:ほてる
仄か
わずかにそれと認められる様子、心や意識がぼんやりしている様子、量や程度がわずかなことをいいます。
「桜の花の香が仄かに漂っている」
「仄かな恋心」
のように使います。
読み方:ほのか
小火
わずかな火、小さな火、大きくならないうちに消し止められた火事のことです。
「近所で小火騒ぎがあった」
「隣の家が小火を出した」
のように使います。
読み方:ぼや
禍禍しい
好ましくないことや不吉な様子を表し、悪いことが起こりそうな感じがする、不吉である、不気味であるという意味があります。
「この家は禍禍しい雰囲気が漂っている」
「曲曲しいニュースが続く」
のように使います。
読み方:まがまがしい
「曲曲しい」とも書きます。
微睡む
微か(かすか)に睡眠をとるという意味で、少しの間うとうとすることです。
読み方:まどろむ
将に
ある物事が確かな事実である様子、間違いなく、本当に、ちょうど、などの意味があり、ある物事を強調するときに使います。
「将に君が言っていた通りのことが起こったよ」
「今、将に電話をしようと思っていたんだ」
のように使います。
読み方:まさに
「正に」とも書きます。
目映い
光が明るすぎてまともに見られない、光り輝くように美しいという意味です。
「朝日が目映い」
「目映いばかりの花嫁さんだ」
のように使います。
読み方:まばゆい
円やか
形が丸い様子、口当たりが柔らかい様子、やわらかで穏やかな様子のことです。
「このお酒は円やかで良いですね」
「プリンを円やかに作りたい」
のように使います。
読み方:まろやか
貪る
まだ十分ではないとして、ほしがり続けること、一つの行為を飽きることなく続けること、がつがつと食べる様子です。
「貪るように本を読んでいる」
「野良猫が残飯を貪っている」
のように使います。
読み方:むさぼる
目敏い
見つけるのが早いという意味です。
読み方:めざとい
愛でる
動植物や人やモノなどの、美しさや可愛らしさに感動し、その美しさを味わい、慈しみ、かわいがり、大切にすることです。
「梅の花を愛でる」
「生まれたばかりの子どもを愛でる」
のように使います。
読み方:めでる
乙張り
複数の意味があります。
1つ目は、ゆるむことと張ること。特に音声の抑揚やセリフ回しの強弱などを表します。
「乙張をつけた話し方」
「乙張のきいたセリフ」
のように使います。
2つ目は、物事の強弱をはっきりさせることです。
「乙張りのある生活をする」
「乙張りをつけて仕事をする」
のように使います。
読み方:めりはり
「減り張り」とも書きます。
若しも
「若し」を強めた言葉です。
「若し」は、まだ現実になっていないことを仮定する時に用いる言葉です。
「若しものことがあったら私に連絡をしなさい」
「若しも見つからなかったらどうしよう」
のように使います。
読み方:もしも
尤も
道理にかなっていること、なるほどその通りだと思われること、その様子をいいます。
「あなたの言い分は尤もです」
「君の嫌がるのも尤もだ」
のように使います。
読み方:もっとも
専ら
他のことに関わらずそのことだけをする様子、ひとつのことに集中する様子のことです。
「数か国語を話せるが専ら日本語を使います」
「彼は専ら昼食を作ります」
のように使います。
読み方:もっぱら
喧しい
声や物音が騒がしい、うるさい、騒々しい様子のことです。
「工事の音が喧しい」
「人気タレントの不倫報道で世間が喧しい」
のように使います。
読み方:やかましい
「かまびすしい」と読む場合もあります。
疾しい
良心がとがめることや、後ろめたい思いがあるという意味です。
「スマホを片時も手放さないのは、疾しいことがあるからだ」
「なにも疾しいことがないのに、交番の前を通るとドキドキする」
のように使います。
読み方:やましい
「疚しい」とも書きます。
漸く
やっと、しだいに、だんだんと、かろうじて、などの意味があります。
「漸く夏らしくなってきた」
「長年の夢が漸く実現した」
のように使います。
「しばらく」と間違って読む人が多いです。
読み方:ようやく
過る
そばを通り過ぎる、かすめて通り過ぎることです。
読み方:よぎる
澱み
水や空気が流れずにその場にとどまっていることや、物事が順調に進まず滞っている様子をいいます。
「この部屋は空気が澱んでいるね」
「プロジェクトが澱みなく進むのは君のおかげだ」
のように使います。
読み方:よどみ
陸でなし
「陸」は「ろく」とも読み、「陸」は地平線が平らなことから、物や性格が真っ直ぐで正しいことを意味していました。
そこに否定の「ない」を付けて「陸でなし」となり、性格が曲がった人、なんの役にも立たない人という意味になります。
「彼女が付き合うのはいつも陸でなしの男だ」
「あの家は陸でなしの息子がめちゃくちゃにした」
のように使います。
読み方:ろくでなし
「碌でなし」とも書きます。
禍
不幸をもたらすものや、思いがけない災難のことです。
「禍転じて福となす」
「口は禍のもと」
のように使います。
読み方:わざわい
「災」「厄」とも書きます。
弁える
物事の違いを見分ける・区別をつけること、物事の道理をよく知っている様子をいいます。
「彼は自分の立場を弁えている」
「善悪を弁える」
のように使います。
読み方:わきまえる
態と
意識して、また、意図的に何かをする様子です。
「彼は態と負けた」
「態と遅刻して怒らせる」
のように使います。
読み方:わざと
態々(態態)
ふたつの意味があり、使い方によっては大変失礼な言い方になることがあります。
1つ目は「何かのついでではなく特別に労力や時間を費やす様子」の場合に使います。
「態々お越しいただきありがとうございます」
「態々持ってきてくださったのですね」
のように使います。
2つ目は「しなくても良いことをわざとする様子」の場合に使います。
「忙しかったけど態々届けにきたよ」
「態々来なくても良かったのに」
のように使います。
読み方:わざわざ
どれくらいの漢字を正しく読めましたか?
昔は間違った読み方とされていたものでも、あまりにも間違う人が多すぎて、間違った読み方が正しいとなってしまうこともあります。
言葉は時代とともに変化していくものですから、「それは間違いだよ!」と頭ごなしに注意するのではなく、やんわり訂正したり、柔軟に受け入れて行くと良いのかもしれませんね。
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コメント
コメント一覧 (2件)
面白いですね!!
コメントありがとうございます!