「春日祭」は、平成10年(1998年)にユネスコ世界遺産に登録された神社で行われるお祭なのですが、どのようなお祭りなのでしょうか?
今回は奈良の「春日祭」の由来と歴史についてわかりやすく解説します。
春日祭とは?
読み方は、
「かすがのまつり」
または
「かすがさい」
です。
春日祭は、奈良県奈良市の春日大社の例祭で、三大勅祭のひとつです。
例祭(れいさい)とは、神社で毎年行われる祭祀(さいし・神や祖先を祀ること)の中で最も重要とされるもののことです。
勅祭(ちょくさい)とは、勅使(ちょくし)が派遣されて行われる祭典のことです。
勅使とは、天皇陛下の使者のことで、原則として宮中祭祀(きゅうちゅうさいし)を担当する掌典職(しょうてんしょく)の職員が使者を務めます。
宮中祭祀とは、皇居内で天皇陛下が、国家と国民の安寧と繁栄を祈ることを目的に行う祭祀のことです。
三大勅祭は春日祭のほかに、
「京都の葵祭」
「京都の石清水祭」
があります。
春日祭2025年はいつ?
春日祭は毎年3月13日に行われます。
2025年は3月13日(木)です。
春日祭の由来と歴史とは?
春日祭は平安時代(794年~1185年)の嘉祥3年(850年)に始まったとされています。
春日大社が藤原氏の氏神であったこともあり、藤原氏の祭事として、一族の長や使者が参列したといわれています。
藤原氏とは、藤原鎌足(ふじわらのかまたり・614年~669年)を祖とし、1200年以上もの間、朝廷に仕える臣下の一大勢力でした。
春日祭はもともと毎年2月と11月の最初の「申の日」に行われていたので「申祭(さるまつり)」とも呼ばれています。
「申(さる)」は十二支(じゅうにし)のひとつです。
現在は日にちを数字で表現しますが、昔は十二支を使って表現していたのですね。
春日祭は藤原氏のための盛大な祭事でしたが、応仁の乱(おうにんのらん・1467年~1477年)以降は中断されていました。
江戸時代の永禄年間(1688年~1704年)に再興されましたが、簡略化されたものでした。
そして明治18年(1885年)、明治天皇が春日祭を古い儀式や作法を今に伝える最も重要なお祭りとみなし復興させたのです。
新暦3月13日に行うことと定め、国家の安泰と国民の繁栄を祈る祭事となり現在に至ります。
新暦3月13日が選ばれた理由は不明です。
また、「春日祭」といえば、京都の春日神社で行われる五穀豊穣と無病息災を祈る秋祭が有名です。
しかし、こちらは奈良の春日大社の「春日祭」とは関係はなく、別のお祭りです。
因みに京都の春日祭は毎年10月の第二土・日曜日に行われ、2025年は10月11日(土)・12日(日)です。
いかがでしたでしょうか?
春日祭は平安時代から始まった歴史の古いお祭なのですね。
奈良県の春日大社は、全国各地にある「春日神社」の総本山で、「大社」とは地域信仰の中心となる格式が高く規模の大きな神社のことを意味しています。
ユネスコ世界遺産にも登録されており、春日祭は三大勅祭ということで、由緒ある神社の由緒あるお祭といえますよね。
ぜひ一度、春日祭に行ってみたいですね!
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