「如月」とは、何月のことなのかわかりますか？
漢字を見るだけでは何月のことなのかピンときませんが、意味や由来を知ると「なるほど！」と思うかもしれません。
また、「如月」の別名（異名・異称）を調べてみると、季節が思い浮かぶようなものが多かったのでいくつかご紹介します。
如月って何月？読み方は？
如月は「2月」のことです。
読み方は「きさらぎ」です。
もともと如月は旧暦の2月を指す言葉でした。
現在は旧暦2月＝新暦2月と考え、如月を新暦の2月の別名（異名・異称）として使用しています。
しかし、旧暦は太陰太陽暦といって月の満ち欠けを基準とした暦を使用していたため、太陽の動きを基準とした新暦（太陽暦）に単純に当てはまりわけではありません。
旧暦の2月を新暦に換算すると一ヶ月ほどズレが生じ2月下旬から4月上旬ごろになります。
如月の意味と由来、語源とは？
「如月」の意味や由来は定かではなく、以下のように諸説あります。
重ね着が由来という説
旧暦2月は寒さが厳しく、重ね着をするという意味の「衣更着（きさらぎ）」や「着更着（きさらぎ）」が由来という説が有力です。
天気が関係しているという説
旧暦2月は、天気が良くなり陽気が更に増すという意味の「気更来（きさらぎ）」が由来という説がります。
草木が関係しているという説
春に向かって草木が生え始める季節という意味の「生更木（きさらぎ）」が由来という説があります。
春めいてくることが由来という説
お正月に迎えた春が更に春めいてくる季節という意味の「来更来（きさらぎ）」が由来という説があります。
草木の芽が関係しているという説
草木の芽が張り出す月という意味の「草木張り月（くさきはりづき）」が「きさらぎ」に転じたという説があります。
「如月」という漢字は、中国の2月の異名「如月（にょげつ・じょげつ）」が由来しているそうです。
中国の最古の字書（漢字を分類した辞典）である「爾雅（じが）」には「二月を如となす」という記述があります。
「如」には「従う」や「赴く」という意味があり、寒い冬が終わり春に向かって万物が次第に動き始めるという意味合いで「如」という漢字があてられたようです。
如月の別名、異名、異称は何？
それでは2月（如月）の別名、異名、異称を見ていきましょう。
初花月（はつはなづき）
年が明けて初めて咲く花を「初花（はつはな）」といい、主に梅の花を指しています。
年明けに初めて花が咲く月という意味です。
梅月（うめづき・ばいげつ）
旧暦2月は梅の花が咲き始めるということで、梅に関連した名前が多く、他にも以下のものがあります。
●梅見月（うめみづき）
●梅津月（うめつづき）
●梅津早月（うめつさつき）
※「津（つ）」は「の」という意味の助詞です。
仲春（ちゅうしゅん）、仲の春（なかのはる）、中の春（なかのはる）
「春の真ん中の月」という意味があります。
旧暦の季節の分け方は、
1月・2月・3月が「春」
4月・5月・6月が「夏」
7月・8月・9月が「秋」
10月・11月・12月が「冬」
ですので、2月は春の真ん中の月にあたります。
雪消月（ゆききえつき）
雪が消える月という意味です。
木芽月（このめづき）
木の芽が出てくる月という意味です。
雁帰月（かりかえりづき）
雁（かり・がん）が帰っていく月という意味です。
雁とは、カモ科の水鳥のことです。
雁は秋から冬にかけてシベリアから日本へ渡ってくる渡り鳥で、春になるとシベリアへ帰っていきます。
令月（れいげつ）
何事をするにも良い月、めでたい月という意味です。
元号「令和」の「令」はこの令月が由来です。
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他にも、意味や由来は定かではありませんが如月の異名はたくさんあります。
●四陽（しよう）
●華朝（かちょう）
●花朝（かちょう）
●春朝（しゅんちょう）
●降入（こうにゅう）
●令節（れいせつ）
●橘如（きつじょ、くつじょ）
●繁節（はんせつ）
●花景（かけい）
●星鳥（せいちょう）
●桃華（とうか）
●酣春（かんしゅん）
新暦の2月はまだ寒さが厳しく、梅の花が咲くのはまだ早い・・・と思いますが、旧暦2月ならば梅の花が咲き始め、春がそこまで来ている時期なのです。
また、雁が越冬のために訪れる地域では、春になってシベリアへと帰っていく様子を見ることができるのでしょう。
月の別名を見ると、その様子を想像することができるんですね。
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