「寝言に返事をしてはいけませんよ」と言われたことがありませんか?
「いけません」といわれても、話しかけられるような寝言だったらついつい返事をしてしまいますし、怖がっているような寝言だったら安心させたくなりますよね。
寝言に返事をしてはだめな理由とはなんなのでしょうか?
また、話しかけてはいけないのはなぜなのでしょうか?
この記事では、寝言に返事をしたり、話しかけてはいけない理由について解説します。
寝言に返事をしてはだめな理由とは?話しかけてはいけないのはなぜ?
寝言に返事をしたり話しかけたりしてはいけない理由の由来は定かではありませんが、昔は、寝言を言っているときは寝ている人の近くに霊が来ていて、その霊と会話をしていると考えられていました。
そのため、寝言に返事をしたり話しかけたりすると霊との会話を邪魔したことになり、霊が怒って寝ている人の魂を連れ去ってしまい死んでしまうと考えられていたため、「寝言に返事をしてはだめ」「話しかけてはいけない」といわれるようになったようです。
また他にも、眠っている時はその人が仮死状態になっており、
「魂が黄泉の国(よみのくに・死後の世界)に行っている」
「魂が体から抜け出して体の周りをうろうろしている」
「魂が近くの神様と会っている」
などといわれ、いずれにしても、仮死状態の人の寝言に返事をしたり話しかけたりすると、魂が体に戻れなくなると考えられていたようです。
その他、理由は定かではありませんが
「寝言を言っている人を起こすと意識が混乱して暴れる」
「寝言に返事をすると寝ている人の寿命が縮む」
などといわれています。
しかし、これらは迷信であり、科学的根拠はありません。
寝言に話しかけたり、返事をするとどうなる?
科学的にいわれているのは、
「レム睡眠の邪魔をしてしまうので良くない」
「睡眠の質を下げてしまい負担が掛かる」
ということです。
人間は睡眠中に「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」を繰り返しています。
「レム睡眠」は浅い眠りのことで、体は休んでいるのですが、脳細胞が活発に働いている状態です。
この時に人は夢を見るといわれています。
「ノンレム睡眠」は深い眠りのことで、脳も体もゆっくり休んでいて、話しかけてもちょっとやそっとのことでは起きません。
それだけゆっくり脳や体が休んでいる状態なんですね。
寝言は「レム睡眠」の時に言うそうです。
そして、寝言に返事をすると眠りが浅いので脳が反応してしまい、睡眠不足の状態になるといわれています。
また、「レム睡眠」の時は周囲のことをある程度把握していると考えられています。
体は休んでいても脳は起きているので、脳が反応してしまいます。
そのため、「会話を続けなければいけない」「返事をしなければ」という気持ちが働き、脳に負担が掛かってしまうそうです。
そして、寝言に返事をすることが続くと、ストレスになったり、体の疲労回復が行われず体調を崩したりするといわれているのです。
昔の人たちは、寝言に返事をすることで寝ている人にどういうことが起るのか、科学的にわかっていたわけではありません。
しかし、寝言に返事をすることで寝ている人が体調を崩したり、睡眠不足になったりするのを見て「寝言に返事をしてはいけない」と思い、都市伝説のような言い伝えを残したのかもしれませんね。
寝ている人は、ゆっくり寝かせてあげましょう。
ただし、あまりに激しい寝言が続く場合は病気が隠れている可能性もあるそうなので、医療機関に相談するといいそうですよ。
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