子どもにとってお正月は、普段とは違うちょっとワクワクする行事ですよね。
そしてなにより楽しみなのが「お年玉」ではないでしょうか?
今回は、そんな「お年玉」の起源と由来、お年玉をあげる意味について解説します。
お年玉の由来とは?
お年玉の起源は定かではありませんが、江戸時代(1603年~1868年)ごろには庶民の間で広まっていたのではないかと考えられています。
お正月になると、年神様(毎年お正月に各家にやってくる豊作や幸せをもたらす神様)が訪れて、鏡餅に宿るといわれています。
年神様の霊魂が宿っているので、鏡餅には特別な力があると考えられていました。
そして、家長が家族に鏡餅を砕いて分け与えたものを「御年魂(おとしだま)」と呼んでいたのが、お年玉の起源ではないかといわれています。
「御年魂」には分け与えることで一年を生きるために必要な生命力を子どもに分け与えたり、子どもの無事な成長を願ったそうです。
ほかにも、鏡餅は新年のありがたい賜物(たまもの・神からいただいたもの)ということで「年賜(としだま)」と呼んでいたことが由来という説もあります。
いずれにしても家長から家族へ渡していた「鏡餅」が、次第に「大人」から「子ども」へお金をあげるお年玉へと変化していったようです。
現在のように現金を渡すようになったのは昭和30年(1955年)ごろからといわれています。
これは高度経済成長によって都市部に人が集まるようになり、自宅で餅を作らなくなったので餅の代わりに現金を渡すようになったようです。
お年玉をあげる意味とは?
すでに説明した通り、鏡餅を砕いた「御年魂」には年神様の霊魂が宿っているので、一年を生きるために必要な生命力を分け与え、無病息災や幸せを願う意味があります。
現在は鏡餅ではなく現金を渡すので、年神様から生命力を分け与えるという意味はなくなってしまいました。
そのため、新年を祝いつつ、子どもの幸せを願ったり、健やかな成長を願ったり、喜ぶ顔が見たくてお年玉をあげる人が多いようです。
ポチ袋の名前の由来
お年玉を入れる袋を「ポチ袋」と呼びますよね。
最近では小さいものからお札が入るサイズまで多種多様なポチ袋がありますが、なぜこの袋の名前は「ポチ袋」と言うのでしょうか。
発祥は関西と言われていて、関西の方言で「ポチ」という言葉は「心づけ」や「祝儀」という意味があり、元々は舞子さんに与えられていた祝儀袋だったそうです。
またほかにもご祝儀を渡すとき「これっぽっちですが」という言葉から、少ないですが・・・という謙虚な気持ちで渡していたのが由来とも言われています。
お年玉には税金がかかる?
お年玉は「贈与税(ぞうよぜい)」の対象となるので、金額によっては税金がかかります。
ひとりが一年間に貰う合計金額が110万円以上の場合に贈与税の対象になります。
しかし、社会通念上で妥当な金額であれば贈与税の対象にはなりません。
「社会通念上で妥当な金額」は、明確な金額が決まっていないので判断が難しいところですが、一般的な家庭でやり取りされるお年玉の金額と考えると良いかもしれません。
たとえば、親戚や友人知人がとても多いご家庭で、一人から3,000円~5万円をもらって合計金額が110万円を超えた場合でも贈与税の対象とはなりません。
これは、ひとりの大人から5万円を貰っても社会通念上で妥当な金額とされるからです。
社会通念上で妥当な金額が積み重なった結果、110万円を超えても贈与税の対象にはならないということです。
しかし、父方の祖父・祖母、母方の祖父・祖母、合計4人がそれぞれ50万円ずつお年玉を渡すと、合計200万円になってしまい、200万円-110万円=90万円に贈与税がかかることになります。
このように、ひとりの大人から50万円のお年玉をもらうのは社会通念上で妥当な金額ではないので贈与税の対象となるのです。
「社会通念上で妥当な金額」は具体的な金額は定められていませんので判断が難しいところですが、一般的なご家庭ならまず当てはまることはないですね。
お年玉がどういうものかわかりましたね。
小さい頃は、毎年貰ったお年玉で何を買おうか考えて心を躍らせたものです。
大人になってあげる立場になった時には、自分が貰った時の喜びを思い出し、子供たちの喜ぶ姿を見る為に奮発してあげたいですね。
お年玉をいくら渡すかは、親戚のみなさんで相談して決めておくと「多すぎる」「金額が釣り合わない」などのトラブルが少なくて済むようですよ!
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