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「お疲れ様」と「ご苦労様」の使い分け、わかりますか?

      2020/07/16


日常生活より職場やビジネスシーンで使うことが多い「お疲れ様」と「ご苦労様」という言葉ですが、その際、「上司にはご苦労様と言っていいのかな?それとも、お疲れ様なのかな?」などと悩む人も少なくないのではないでしょうか。

今回は「お疲れ様」と「ご苦労様」の使い分けについて調べてみました。

 


「お疲れ様」と「ご苦労様」の意味とは?

「お疲れ様」と「ご苦労様」は、どちらも相手の苦労をねぎらう言葉で、何かの作業をしている人に対して用いたり、共同作業を終えた人たち同士が用いることが多いです。

「お疲れ様」と「ご苦労様」は、明治時代(1868年~1912年)ごろには使われていたと考えられており、「ご苦労様」のほうが古く、方言が由来ともいわれていますが、語源などはわかっていません。

敬語として目上の人に用いる場合は「お疲れ様です」や「ご苦労様です」というふうに「です」を付けます。

 

「お疲れ様」と「ご苦労様」の違いと使い分け

お疲れ様

取引先や上司など目上の人にも用いますし、目上の人から目下に対しても用います。

また、社内などですれ違う時に「お疲れ様です」とお互いに声を掛け合う挨拶として用いることもあります。

 

ご苦労様

上から目線のニュアンスが含まれているため、取引先や上司など目上の人に対しては失礼にあたり、後輩や年下などに用いる言葉です。

「お疲れ様」のように、挨拶として用いることはありません。

 

「お疲れ様」と「ご苦労様」のマナー

昔は目上の人に対して「ご苦労様」と言ってもマナー違反ではなかったのですが、時代の流れとともに考え方が変わってきたようです。

 

江戸時代(1603年~1868年)ごろの「ご苦労」は、家来(目下の人)から主君(目上の人)に対して使われ、主君が家来の苦労をねぎらう際は「大儀(たいぎ)であった」という言葉を使っており、このころは目上の人が目下の人に「ご苦労」とは言わなかったそうです。

 

 

目上の人が「ご苦労」と言うようになったのは明治時代(1868年~1912年)になってからで、軍隊の中で目上から目下へは「ご苦労」、目下から目上へは「ご苦労様です」と、上下関係なく使われていたそうです。

 

平成(1989年~2019年)になったころから「目上の人に対してご苦労様は失礼」という認識が少しずつ広まったようですが、なぜそのような認識になったのかなどは不明です。

 

今は「目上から目下には、お疲れ様・ご苦労様、どちらでもOK」ですが、「目下から目上には、お疲れ様がOKでご苦労様はNG」というのがマナーですので使い分けたほうが無難ですね。

 


「お世話様」

「ご苦労様」の類語として「お世話様」という言葉があります。

「お世話様」も相手をねぎらう言葉で、お世話になった人に感謝を表す言葉ですが、目上の人に対して用いるのは失礼とされています。

「お世話様」はビジネスシーンで用いることは少なく、会社以外で何かの作業をしてくれた人に対して「お世話様です」と用いることが多いです。

例えば、宅配便を届けてくれた配達員や、マンションの清掃作業をしてくれた清掃員などに用いることが多いです。

 


 

 

「お疲れ様」と「ご苦労様」の使い分けがわかりましたね。

「ご苦労様を目上の人に使ってはいけないというのは嘘だ」という意見もあるようですが、確かに、昔は目上の人にも「ご苦労様」と言っていました。

しかし、時代の流れとともに言葉の使い方が変化することは珍しくありません。

「ご苦労様」と言われて気分を害する人もいますので、「昔はOKだったのに」と思わずに上手に使い分けてくださいね!

 



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