子どものころ、霊柩車を見たら「親指を隠さなきゃ!」と、慌てて親指を手のひらの内側に入れて握りしめた経験のある方は多いと思います。
なぜそんなことをしなければいけないのか、しなかったらどうなるのか、疑問を抱きながらもなんとなく「隠さなければ大変なことが起こる」と思って、大人になっても霊柩車を見るたびに親指を隠している方もいるかもしれません。
迷信?ジンクス?それとも本当になにかが起こるのでしょうか?
霊柩車はいつごろからあるの?
昔は、人が亡くなったら自宅(葬儀場)から火葬場や墓地まで、人の手によって棺(ひつぎ)を運びました。
数人でかついで運びましたが、次第に大八車(木製の人力荷車)のようなものに乗せて運ぶようになり、大正時代(1912年~1926年)には宗教的装飾が施された自動車である「霊柩車」が登場したといわれています。
親指を隠すのはなぜ?
地域や年代によって違いますが親指を隠すのは概ね以下の理由があるようです。
●親の死に目に遭えない
●親が早死にする
●縁起が悪い など
さまざまな理由があるようですが、親にとって良くないことが起こるといわれています。
親指を隠す意味や由来とは?
霊柩車は大正時代から使われていますが、「葬列を見たら親指を隠せ」という言い伝えはそれ以前からあったようです。
江戸時代後期に小山田与清(おやまだともきよ)という人物が、1818年~1845年にかけて、様々な雑学をまとめた「松屋筆記(まつやひっき)」という随筆(ずいひつ・思いつくままに自由な形式で書いた文書のこと)を残しています。
その中に「親指の爪間から魂魄(こんぱく)が出入りするために畏怖の時には握り隠す」という記述があり、霊魂が親指の爪の間から出入りするということが書かれています。
人は、亡くなって間もないときはまだ成仏しておらず、霊魂があたりを漂っていると考えられていました。
そしてその霊魂は、生きた人間の親指の爪の間を出入りすると考えられていたのです。
つまり、成仏していない魂の侵入を防ぎ、自らを守るために親指を隠したというわけです。
このような理由で「葬列を見たら親指を隠せ」となり「霊柩車を見たら親指を隠す」となったのですね。
そして、もともとは自分を守るために親指を隠していたのが、時の流れとともに親指と親が結びつき、いつの間に親を守るために親指を隠すようになり、さらに「親にとって良くないことが起こる」に変化したといわれています。
霊柩車を見たら親指を隠すことに、科学的根拠はなにもありません。
また、親指を隠さなかったからといって、親が不幸になったり、自分の中に成仏していない魂が入ってくるわけでもないでしょう。
しかし、今も昔も人が死ぬことへ畏怖の念を抱くのは変わりません。
科学的根拠がなく迷信とわかっていても、いつの間にか親指を隠してしまうのはそんな理由があるのかもしれませんね。
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コメント
コメント一覧 (3件)
もっと古代からの習慣で、由来はサムズアップ(右手の親指を立てる)に成ります。
古代の多くの地方で右手の親指を立てる習慣(おまじない)が有りました。
「$」と意味は同じで、イエスの言う「神のブドウの蔓」と同じ意味に成る。
「$」の中心の棒は「魔法の杖」で、「S」は巻き付く左回りの螺旋と成ります。
わたしたちには「$」は(左右)どっち回りの螺旋か判りませんが
邪悪な者は「どっち回りか考えるだけで」ダメージを受ける。(魔除けと成ります)
本題に入ると
仮に、あなたが右手の親指を立てると、立てられた相手は霊力を得ます。
右手の親指を立てる(見せる)のは、相手に「霊力を贈る」行為に成ります。
お辞儀も同じで、相手に霊力を与えて「善い人にする」神事(神楽)と成ります。
古代の人は来客に霊力を贈り「善い人にする」事で万難を排してきた。
死者に霊力を贈ると「不吉(結果が予想できない)」なので、避けている。
縄文人の縄文は、左回りの螺旋で栄螺(トーラ、ドラ)と言います。
左回りの螺旋は「人に霊力を与える」=「祝福する」と成ります。
「泥棒を見てから縄をなう」とは、悪人を見てから祝福してもダメだと言う事で、
普段からの「あいさつ(おじぎ)」が大切だと言う意味に成ります。
昔は着物は右手前(襟のあわせの右が前)でした。これを「キ」衣と言い。
男の仕事着は、左手前となり「シ」衣と成ります。
「キ」は「帯(=)」と「\」の襟を意味していて、「シ」も同様に成ります。
そもそも男の仕事着は、死装束(死事着)なのでした。
左手の親指を立てると「地獄に堕ちろ」と言う意味に成ります。
だから両手の親指を隠すの習慣に成りました。
こんばんは!!
多少は知っておりましたが、詳しくは知らなかったのでありがたいです!!
コメントありがとうございます!