2019年4月30日に平成31年は幕を閉じ、2019年5月1日に今上天皇(きんじょうてんのう・現在の天皇)が即位され「令和元年」が始まりました。
それでは「令和元年度」と「平成31年度」の期間はいつからいつまでになるのでしょうか?
またどちらを使うのが正しいのでしょうか?
わかりやすく解説します。
「元号」とは?
元号の読み方は「げんごう」です。
特定の年代に付けられる称号のことで「年号(ねんごう)」と呼ばれることもあります。
「元年」とは?
元年の読み方は「がんねん」です。
元号が改まった最初の年や、天皇即位の最初の年という意味があります。
「年度」とは?
年度とは、特定の目的のために規定された1年間の区切り方です。
多くの場合用いられているのは、官公庁などが予算を執行するための期間である「会計年度」や、学校など学年の切り替わりを目的とした「学校年度」です。
会計年度と学校年度はどちらも4月から3月までを区切りとしています。
一般的に「年度」といえば、4月から3月までの区切りを指しますが、ほかにもさまざまな「年度」があります。
たとえば、
「麦年度」・・・7月から6月まで
「いも年度」・・・9月から8月まで
「大豆年度」・・・10月から9月まで
などがあります。
この記事では、一般的な「年度」である4月1日から3月31日までの区切りについて解説しています。
令和元年度はいつからいつまで?
昭和から平成に改元された時を思い出してみましょう。
昭和64年(1989年)1月7日に昭和天皇が崩御し、翌日1月8日から元号は「平成」となりました。
この時は、昭和63年(1988年)4月1日~平成元年(1989年)3月31日が「昭和63年度」でした。
そして、平成元年(1989年)4月1日~平成2年(1990年)3月31日が「平成元年度」となりました。
ですので、昭和64年度は存在しませんでした。
さらに一つ前の、大正から昭和に改元された時はどうだったのでしょう?
大正15年(1926年)12月25日に「昭和」に改元されたので、「昭和元年」は12月25日~12月31日の一週間だけでした。
この時は、大正15年(1926年)4月1日~昭和2年(1927年)3月31日までが「大正15年度」でした。
そして昭和2年(1927年)4月1日~昭和3年(1928年)3月31日までが「昭和2年度」となりました。
ですので、昭和元年度は存在しませんでした。
このように、 4月1日時点での元号の年が、その後、途中で改元があってもそのまま年度として3月31日まで使われるということがわかります。
この考え方を踏まえて考えると、令和へ改元されたのは5月1日ですので、4月1日時点では平成31年です。
よって、平成31年(2019年)4月1日~令和2年(2020年)3月31日までが「平成31年度」となります。
そして、令和2年(2020年)4月1日~令和3年(2021年)3月31日までが「令和2年度」となります。
そのため 「令和元年度は存在しない」ということになります。
令和元年度は存在する
しかし、政府が以下のように発表しました。
「国の予算における会計年度の名称については、原則、改元日以降は、当年度全体を通じて『令和元年度』とし、これに伴い、当年度予算の名称は、各府省が改元日以降に作成する文書においては『令和元年度予算』と表示するものとする」
要約すると、国が行う「会計年度」に限って「令和元年度」とするということです。
つまり、平成31年(2019年)3月に成立した「平成31年度予算」は、4月30日までは「平成31年度予算」と呼ばれますが、令和元年(2019年)5月1日からは「令和元年度予算」になります。
「令和元年度予算」の期間は平成31年(2019年)4月1日~令和2年(2020年)3月31日ですから、改元日の一ヶ月前に遡った期間も「令和元年度」に含まれます。
簡単に説明すると、「改元日は5月1日なので年度の呼び方はこの日から変わりますが、令和元年度という期間が始まるのは4月1日から」ということになります。
このように国が行う 「会計年度」に限っては平成31年(2019年)4月1日~令和2年(2020年)3月31日までが「令和元年度」となります。
年度に関して明確なルール、法律はないので、国の予算に関すること以外は組織や団体の判断に任せるようですが、国に合わせて「令和元年度」にすることが一般的だと考えられます。
平成31年度はいつからいつまで?
これまでと同じように考えれば、 平成31年(2019年)4月1日~令和2年(2020年)3月31日までが「平成31年度」となります。
しかし、政府の発表にほかの組織や団体が従うとすると 「令和元年度」となり 「平成31年度」は存在しないことになります。
「令和元年度」と「平成31年度」どちらが正しい?
「平成31年度」と「令和元年度」を併記したり、新年度の始まりの元号を優先して「平成31年度」を用いることもなんの問題もありませんので、組織や団体によっては「平成31年度」を用いることがあるかもしれません。
少々ややこしいように見えますが、「平成31年度」は「平成が一ヶ月間だけ」と考えると、「令和元年度」にしたほうがしっくりくるような気がしませんか?
とはいうものの、政府の発表があったからといって「すべてにおいて令和元年度にしなければならない!」というわけではありませんので、「令和元年度」と「平成31年度」が混在することは理解しておいたほうが良いですね。
どちらも正しく、どちらを使っても良いのです。
関連:「令和元年」と「令和1年」はどちらが正しい?どちらを使ってもいいの?
コメント
コメント一覧 (8件)
大正15年度の記述の下
「大正元年度は存在しませんでした」
の記述は
「昭和元年度は存在しませんでした」
の記述が正当では無いでしょうか?
ご指摘ありがとうございました!
西暦で2019年度とすれば、全く問題はない。
昭和64年は1989年1月1日から1月7日までの一週間だけですが確かに存在しており、誕生日が昭和64年(書類上では平成元年扱いに不満)な人はいますし、現在でも昭和64年硬貨が使われていますので「昭和64年は存在しませんでした」は言い過ぎでしょう。
コメントありがとうございます。
該当部分ですが「昭和64年は存在しませんでした」ではなく「昭和64年度は存在しませんでした」と書いており、年度についての説明となっております。ご確認いただけますと幸いです。
揚げ足を取るつもりではありませんが、年度について会計年度と学校年度に限って説明されているように思います。いろいろな区切りの年度が多くあり、たとえば酒造年度では平成元年度製のお酒があります。
コメントありがとうございます。
酒造年度というものがあるのですね。
貴重な情報ありがとうございます。
平成31の100円があるけど、いくらの、価値があるか?