今回は、数多くある日本のお祭の中で、浅草神社の三社祭について解説します!
三社祭はなぜ三社なのでしょうか?三社の意味をご紹介します。
2024年の日程はいつなのかも載せていますので、チェックしてみてくださいね!
浅草神社の三社祭はなぜ三社?三社の意味とは?
三社祭の読み方は「さんじゃまつり」です。
三社祭は、毎年5月に行われる浅草神社の例大祭です。
例大祭とは、毎年決まった日に行われる神社にとって最も重要な祭祀のことです。
浅草神社は通称
「三社権現(さんじゃごんげん)」
「三社様(さんじゃさま)」
と呼ばれており、東京都台東区浅草にあります。
浅草神社の歴史は古く、推古天皇の時代にさかのぼります。
628年3月18日、「檜前浜成(ひのくまのはまなり)と竹成(たけなり)」という兄弟が現在の隅田川で漁をしていましたが、一匹も取れず、網に掛かったのは人形の像だけでした。
その像を水の中に放って、場所を変えて漁を再開しても、また同じ像が何度も網に掛かったそうです。
不思議に思った兄弟が、その地域の物知りである「土師真中知(はじのまつち)」に相談すると、その像は観音菩薩で御利益(ごりやく)のある像であることを教えてもらいました。
そこで、兄弟は漁がうまくいくよう観音菩薩の像にお祈りしたところ、翌日から大漁が続いたそうです。
この出来事を見た土師真中知が、自宅を寺にして兄弟が拾った観音菩薩の像をお祀り(おまつり)したのが「浅草寺」の始まりといわれています。
土師真中知の没後、その子供の夢に観音菩薩が現れ「檜前浜成・竹成と土師真中知を神として祀るように」とのお告を受け、三人を祀って「三社権現社」を作りました。
つまり、「三社」とは檜前浜成・竹成・土師真中知の三人のことを指しているのです。
「三社祭」の「三社」はここから来ているのですね。
明治時代(1868年~1912年)の神仏分離令(しんぶつぶんりれい・神と仏は別々に祀ること)によって三社権現社は浅草寺とは別法人となり「三社明神社」に改称し、さらに明治6年(1873年)に「浅草神社」に改称しました。
権現(ごんげん)と明神(みょうじん)は、神仏の称号のひとつです。
「権現」には神は仏の仮の姿として現れるという意味があります。
「明神」には神がそのままの姿を現すという意味があります。
浅草神社は、三柱(神様は一人、二人ではなく一柱、二柱と数えます)の神様をお祀りしていることや昔の名称の名残りで、現在も「三社権現」や「三社様」と呼ばれて親しまれています。
2024年の三社祭の日程や見どころは?
三社祭は毎年5月の第三金、土、日に行われます。
2024年は5月17日(金)、18日(土)、19日(日)の三日間です。
※厳密には、5月16日(木)の夜から始まります。
5月16日(木)
●18:00~ 本社神輿神霊入れの儀(ほんしゃみこしたまいれのぎ)
本社の神輿へ、浅草神社の御神霊(おみたま)をお移しする儀式です。
5月17日(金)
●13:00~ 大行列
お囃子やぴんざさら、町会役員、芸者衆などが草組合前から西廻りで浅草神社へ向かいます。
●14:20~ ぴんざさら舞奉納(浅草神社社殿)
●15:00~ ぴんざさら舞奉納(浅草神社社殿)
●15:30~ 各町神輿神霊入れの儀(かくちょうみこしたまいれのぎ)
各町会の神輿へ、浅草神社の御神霊(おみたま)をお移しする儀式です。
5月18日(土)
●10:00~ 例大祭式典
例大祭とは、神社において最も重要な神事です。
浅草神社社殿前で行われ、一年間を無事に過ごせた感謝を報告し、今後の安泰を祈願します。
●12:00~ 町内神輿連合渡御(ちょうないみこしれんごうとぎょ)
町内の氏子が所有する約100基の神輿、浅草神社が所有する3基の神輿が担がれて、町内を渡御します。
●13:00~ 大行列
お囃子やぴんざさら、町会役員、芸者衆などが草組合前から東廻りで浅草神社へ向かいます。
●17:00~ 巫女舞奉奏(神楽殿)
巫女舞が奉奏(ほうそう・奉納すること)されます。
5月19日(日)
●5:00~ 本社神輿神幸祭
御幸(ぎょこう・神霊が出かけること)が行われる神社の祭礼です。
●6:00~ 本社神輿宮出し
浅草神社には「一之宮」「二之宮」「三之宮」という3基の神輿があり、社殿前から三基同時に担ぎ上げ、鳥居から二天門脇を通過し二天門前交差点まで渡御(とぎょ・神輿が進むこと)します。
●8:00~ 本社神輿各町渡御
一之宮=西部各町
二之宮=南部各町
三之宮=東部各町
各町内を渡御します。
●14:00~ 巫女舞奉奏(神楽殿)
巫女舞が奉奏(ほうそう・奉納すること)されます。
●15:00~ 浅草組合奉納舞踊(神楽殿)
浅草組合が舞踏を奉納します。
●16:00~ 太鼓奉演(神楽殿前)
太鼓が奉演(ほうえん・奉納すること)されます。
●16:00~ 本社神輿宮入り
本社の神輿を神社へ戻すことで、一日かけて各町内をまわったら、神輿は神社へ戻ります。
●宮入終了後~ 本社神輿御神霊返しの儀(ほんしゃみこしみたまがえしのぎ)
本社の神輿へお移り頂いていた浅草神社の御神霊を、本殿へお戻しする儀式です。
江戸っ子気質の氏子たちの神輿は、担ぎ方が威勢よく、荒々しく激しいので見ごたえがあります。
神輿を激しく揺さぶるのは「魂振り(たまふり)」といって、神輿の御神霊の霊威(れいい・神仏の不思議な力)を高め、その御神德(ごしんとく・ご利益のこと)をあますところなく行き渡らせるという意味があります。
浅草神社はひとつなのに、なぜ三社なのだろう?という疑問が解決しましたね。
浅草神社周辺は普段から観光地として混雑していますが、三社祭は毎年大変な賑わいとなります。
神輿の周りは大変混雑し身動きができなくなるほどといわれています。
あまり近づきすぎると危険ですので注意しながら見物したいですね。
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