「修二会」とは奈良県にある東大寺二月堂で毎年行われる伝統行事です。
通称「お水取り」と言われており、奈良の人々にとっては「お水取りが終わらないと春が来ない」とも言われ、欠かすことのできない行事なのだそうです。
1250年以上続く伝統行事ということですが、どのような行事なのでしょうか?
また、お松明ってどんなものなのでしょうか?
今回は、修二会について解説します。
また、2025年の日程も掲載しておきますね。
修二会とは?
修二会の読み方は「しゅにえ」です。
修二会とは、2月に行われる仏教の法会のことです。
法会(ほうえ)とは、仏法に関する儀式を行う会のことです。
仏教発祥の地であるインドでは旧暦の2月が正月にあたることから、2月1日から2月14日まで法会が行われるようになったといわれています。
二月に修する法会ということから「修二会」と呼ばれています。
修二会は、一年の間に作った罪を懺悔(ざんげ)し、穢(けが)れを祓い、国家の平安を祈る法会です。
修二会は、新暦(グレゴリオ暦・太陽暦)になってからは月遅れの3月1日から3月14日まで行われています。
また、現在では日本でしか行われていない行事なのだそうです。
東大寺二月堂の修二会が大規模で有名ですが、ほかにも薬師寺、法隆寺西円堂、長谷寺などでも行われています。
お水取りとは?
読み方は「おみずとり」です。
お水取りは、東大寺二月堂で行われる修二会の通称です。
3月13日の午前1時すぎに東大寺の閼伽井屋(あかいや)にある若狭井(わかさい)という井戸から「お香水(おこうずい)」という神聖な水を汲み上げ、仏前にお供えする儀式が行われます。
このことから「お水取り」と呼ばれるようになり、修二会の通称となりました。
閼伽井屋の立ち入りは固く禁じられており、お水取りの儀式や若狭井を見ることはきません。
お香水は、参拝者にも配られます。
観音様の霊力がこもっているといわれ、お香水で薬を飲むと効果があるとか、お風呂に入れると健康になると考える人もいます。
また、お仏壇に供えた後に飲んでご利益を得る人もいるそうです。
東大寺二月堂の修二会(お水取り)
有名な東大寺二月堂で行われる修二会についてご紹介します。
修二会は「十一面悔過(じゅういちめんけか)」とも呼ばれます。
「十一面」は「十一面観音菩薩(じゅういちめんかんのんぼさつ)」のことです。
「悔過(けか)」とは、私たちが過去に犯してきた様々な過ちを、仏様の前で告白し許しを請うことです。
つまり、「十一面悔過」とは「十一面観音菩薩にこれまでの過ちを告白し許しを請う」ということになります。
修二会では、練行衆(れんぎょうしゅう・修二会を行う11人の僧侶のこと)が一般の人々に代わり、十一面観音菩薩にあらゆる罪を懺悔して国家の平安を祈ります。
東大寺二月堂の十一面観音菩薩は、「大観音(おおかんのん)」と「小観音(こがんのん)」の2体です。
絶対秘仏(ぜったいひぶつ)といって、信仰上の理由で非公開となっており、僧侶を含め誰も見ることができないそうです。
お松明って何?
読み方は「おたいまつ」です。
東大寺二月堂の舞台で火のついた松明を振り回すことです。
このお松明は、本来は行を始める際に練行衆の道灯りとして焚かれたもので、江戸時代ごろから次第に大きくなったといわれています。
一人の童子(どうじ・練行衆を補佐する人のこと)が松明をかざし、その後に一人の練行衆が続き、入堂したあとにその松明を舞台で振り回します。
お松明の火の粉を浴びると健康になる、幸せになると信じられており、燃えかすを護符(ごふ・お守り)の代わりにする信者も多いそうです。
お松明は期間中毎日行われますが、最終日には「籠松明(かごたいまつ)」といわれる長さ8m、重さ約70㎏の大きな松明が使われます。
普通の松明の長さ7m、重さ約40㎏です。
先述した通り、もともとお松明は、道灯りとして焚かれた小さな火だったのですが、江戸時代ごろから次第に松明が大きくなり、童子の見せ場として現在のようになったといわれています。
2025年の日程は?
修二会の開催期間は2025年3月1日(土) ~ 3月14日(金)です。
開催期間中のスケジュールは以下のとおりです。
通常のお松明
●3月1日(土)~3月11日(火)、13日(木)
19:00~ 約20分間
●3月14日(金)
18:30~ 約20分間
籠松明(かごたいまつ)といわれる特に大きなお松明
●3月12日(水)
19:30~ 約45分間
お水取り
●3月13日(木)
午前1時すぎ~ 30分程度
お香水は二月堂の井戸水とともに小瓶に入れられて、二月堂受納所で頒布(はんぷ・希望者に無料で配ること)されます。
※日程の中で特に混雑するのは、テレビで取り上げられることで有名な籠松明と一度しかないお水取りです。
※安全確保のために交通規制や入場規制をするため、時間に余裕を持って早めに行動したほうが良いようです。
※お松明は、人数が一定数以上になれば、ご覧いただけない場合がございます。
修二会は1250年以上も続く伝統行事です。
宗教儀式ですので歓声や拍手は禁止されており、カメラのフラッシュも厳禁とのことです。
とはいうものの全国から集まる観光客の中には修二会の本当の意味よりも、火を使った派手なお松明や籠松明についつい歓声をあげたり拍手をしてしまうそうです。
私たちのさまざまな過ちを代わりに懺悔してくださっているということを忘れずに寒い季節のことですから防寒対策もしっかりして見に行きたいものですね。
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コメント
コメント一覧 (2件)
籠松明は、3月12日です。一回り大きな松明が11本上がります。
そのため、他の日より時間がかかります。
他の日は、10本です。
14日は、尻つけ松明(あるいは尻焦がし)と言って10本が短時間で次々上がります。
また、14日のみ舞台に10本が勢揃いして並びます。
コメントありがとうございます!
日程を修正させていただきました。
助かりました!