体温が「36度9分」のときに「分」を使うのはなぜなのでしょうか?
また、同じ体温でも「36.9度」と表記するのは間違いなのでしょうか?
「度」の他に「℃」という表記もありますから、どっちが正しい表記なのか悩んでしまうこともありますよね。
この記事では、体温の読み方についてわかりやすく解説します!
体温の読み方は?
「36度9分」は、「ろくどくぶ」と読みます。
基本的に人の体温は30度台なので「30(さんじゅう)」は省略するのが一般的です。
たとえば、
35度は「ごど」
36度は「ろくど」
37度は「ななど」
38度は「はちど」
39度は「くど」
というふうに「30」を省略して読みます。
しかし、省略せずに36度を「さんじゅうろくど」と読んでも間違いではありません。
40度は「よんじゅうど」と省略せずに読みます。
また、
1分は「いちぶ」
2分は「にぶ」
3分は「さんぶ」
4分は「よんぶ」
5分は「ごぶ」
6分は「ろくぶ」
7分は「ななぶ」
8分は「はちぶ」
9分は「くぶ」
と読むのが一般的です。
4分を「しぶ」、7分を「しちぶ」と読んでも間違いではありませんが、4と7を聞き間違える可能性があるので「よんぶ」と「ななぶ」の方が良いでしょう。
また、「9分(くぶ)」は「きゅうぶ」でも間違いではありません。
体温の読み方「36度9分」に「分」を使うのはなぜ?
温度(気温や体温)の場合、小数一位は「分」という単位を使います。
これは、日本が使っている命数法(めいすうほう)の読み方です。
命数法では1以下の少数を表すとき、
0.1(十分の一)を「分(ぶ)」
0.01(百分の一)を「厘(りん)」
0.001(千分の一)を「毛(もう)」
というように漢字で表現します。
1分=0.1度ということになりますね。
「36.9度」は間違い?
「36度9分」を「36.9度」と表現するのは間違いではありません。
ただ、「36.9度」だと気温をイメージしてしまう人がいるため、体温を表す場合は「36度9分」にしたほうが良いようです。
「度」と「℃」どっちが正しい?
体温を表記する場合は「度」と「℃」のどちらも正しいです。
しかし、「度」は体温だけではなく角度や音程などさまざまな単位に使われていますので、「℃」と表記したほうがすぐに体温のことだと分かります。
また、「℃」は「ど」と読むのが一般的ですが、正式には「どシー」と読みます。
「℃」はセルシウス温度(Celsius temperature)の単位で、Cはその頭文字です。
セルシウス温度とは、スウェーデンの天文学者であるアンデルス・セルシウス(1701年~1744年)が考案した温度の単位です。
「水が氷る温度を0℃、水が沸騰する温度を100℃」という基準にして、水が氷る温度~沸騰する温度を100等分することによって、「1℃」を決めています。
「℃」は、「摂氏(せっし)」ともいいます。
数字の前につけて、「摂氏30度(せっしさんじゅうど)」とする場合もあります。
日本をはじめ世界の多くの国では「摂氏」が使われていますが、アメリカやイギリスでは「華氏(かし)」が使われています。
華氏の単位は「°F」です。
「°F」も「ど」と読むのが一般的ですが、正式には「どエフ」と読みます。
「°F」はファーレンハイト温度(Fahrenheit temperature)の単位で、Fはその頭文字です。
ファーレンハイト温度とは、ドイツの物理学者であるガブリエル・ファーレンハイト(1686年~1736年)が考案した温度の単位で、「水が氷る温度を32°F、水が沸騰する温度を212°F」という基準にして、水が氷る温度~沸騰する温度を180等分することによって、「1°F」を決めています。
摂氏を華氏に換算すると「37.0℃」は「98.6°F」となります。
アメリカやイギリスに旅行に行ったときに体温計や温度計を見てびっくりする人もいるようですよ。
「度」「℃」「°」の違い
同じような記号で「°」がありますよね。
「度」「℃」「°」それぞれの違いは以下の通りです。
正式な読み方が違う
「度 と °」は、「ど」と読みます。
「℃」は正式には「ドシー」と読みます。
表す対象が違う
「度」は、角度、体温、音程、アルコール度数、緯度経度など、さまざまな単位に使います。
「°」は、角度や時間を表すときに使います。
「℃」は、体温や気温を表すときに使います。
体温の読み方は厳密なルールがないことがわかりましたね。
ですが、「36度4分」だった場合、「ろくどしぶ」だと「36度7分」と聞き間違える可能性があります。
「ろくどよんぶ」と言った方が間違わずに伝わりますね。
誰かに伝える場合は正確に伝わるような表現を心がけるといいですね。
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