子どもの頃、約束の証として「指切りげんまん」を歌って、自分と相手の小指を絡めた経験が一度はあると思います。
この歌詞には一体どういう意味があるのでしょうか?
子どもの頃は無邪気に歌っていましたが、意味を調べてみるととても怖い歌のようです。
「指切りげんまん」歌詞の意味と由来は?実は怖い歌だった
歌詞は、
「指切りげんまん 嘘ついたら 針千本飲ます」
読み方は、
「ゆびきりげんまん うそついたら はりせんぼん のます」
です。
略して「指切り(ゆびきり)」と言うのが一般的で、約束を守るための誓いの儀式です。
「指切りげんまん」を漢字で書くと「指切拳万」となります。
まず「指切」の意味は文字通り、指を切ることです。
江戸時代(1603年~1868年)の遊郭である吉原で、遊女が客に対する心中立(しんじゅうだて・男女が不変の愛を誓うために証拠を立てること)として意中の男性に小指の第一関節から先を切って渡したことが由来だといわれています。
小指を切るということで、かなりの激痛が伴いますが「それほど愛している」ということを意味しました。
爪や髪を切って渡すこともありましたが、新しく生えてくる爪や髪よりも、切ってしまったらもう二度と生えてはこない小指を送ることで、誓いの強さを示したそうです。
しかし、実際に小指を切る遊女は少なく、模造品の指が出回ったという話もあります。
やがてこの「指切」が一般庶民にも広まり、約束を必ず守る意味へと変化しました。
つぎに「拳万」ですが、「一万回のげんこつ」という意味があります。
「約束を破った時には、一万回げんこつで殴る」ということで、後から付け足されたものだといわれています。
また、「嘘ついたら針千本飲ます」も、後から付け足されたものといわれており、「約束を破ったら裁縫の針を千本飲ませるよ!」と、約束を守らなかったら制裁を加えると歌っているのです。海の生物である「ハリセンボン」と思っている方もいるようですが、裁縫につかう針を千本のことです。
このように「指切りげんまん」はとても怖い歌だったのですね。
小指を絡めるのはなぜ?
指切りをするときは、約束を交わす相手と自分の小指を絡め、「指切りげんまん 嘘ついたら針千本飲ます」と歌います。
そして、最後は「指切った!」と言いながら指を離します。
この仕草は、実際に小指を切る仕草が元になっているといわれています。
「指切った!」と言うよりも前に指を離してしまった場合、約束が成立していないから守る必要はないとか、歌っているうちに約束を守る自信がなくなったとか、世代や地域によっていろいろな解釈の仕方があるようです。
「指切りげんまん 嘘ついたら針千本飲ます」の意味がわかりましたね。
「約束を守らなかったら酷い目に遭わせるよ!!」という脅迫のようなものでしょうか?
実はとっても怖い歌詞だったんですね。
もともとは遊女が愛情を示す行為でしたが、現在は子どもたちがお友達や家族と約束をするときに無邪気に歌っています。
子どもたちにはもともとの意味は教えず、「約束は守らなければならない」「嘘をついてはいけない」ということだけ教えてあげるといいですね。
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