盆栽の歴史と種類とは?なぜ世界で”BONSAI”として人気があるの?

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盆栽は日本の伝統的な文化として親しまれています。

松・梅・もみじ・桜など樹種は多彩で、10㎝ほどのミニ盆栽から50㎝を超える大品まで大きさも様々です。

近年は「BONSAI」として世界中に広まり、若い世代や女性にも人気が高まっています。そ

の歴史と種類、世界的な人気の理由を詳しく解説します。

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目次

盆栽とは?

読み方は「ぼんさい」です。

 漢字の「盆栽」は、

  • 「盆」=浅い器やお盆、鉢
  • 「栽」=植物を植えて育てる

という意味で、「浅い鉢に植物を植えて育てる」ということになります。

しかし盆栽は、単なる園芸ではありません。

枝や幹の形を美しく整えながら、小さな鉢の中に自然の美しさを表現し鑑賞する日本の伝統芸術です。

剪定や針金掛けを繰り返して形を作り上げますが、樹木は生きているため「完成」はなく、何十年、何百年と育て続けます。

季節ごとに変わる葉の色や枝ぶりを楽しめるのも、盆栽ならではの魅力です。

 

盆栽の歴史とは?

盆栽の起源は中国です。

中国では「盆景(pénjǐng・ペンジン)」と呼ばれています。

日本の盆栽とは異なり、盆景は器と木だけではなく、石や砂、苔、ミニチュアの建物や人などを配置して風景を作り上げるのが特徴です。

中国では2000年前にはすでに鉢の中に植物や石を配置して自然を表現する文化があったといわれており、8世紀ごろには盆景の文化が確立していたようです。

そして平安時代(794年~1185年)ごろに中国から日本に伝わったと考えられています。

鎌倉時代(1185年~1333年)ごろになると、

  • 鉢に植物を植えるものを「鉢の木・鉢植え」
  • 石や土を使って自然を表現するものを「盆山(ぼんさん)」

と呼ぶようになり、まだ「盆栽」という言葉は使われていませんでした。

その後、鎌倉時代から室町時代(1336年~1573年)にかけて、禅が貴族や武士、僧侶たちの間で流行しました。

「無駄を省き本質を見つめること」を重視する禅が、植物そのものの美しさや自然を表現することと結びつき、鉢の木や盆山が広く親しまれるようになっていきました。

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足利義政

足利義政

また、室町時代の八代将軍足利義政(あしかがよしまさ・1436年~1490年)が盆山を愛好していたとして有名です。

室町時代は「盆山」という呼び名が一般的で、石や自然の木を使って自然の風景を再現するものを指していました。

現在のように植物を育てて形を整える「盆栽」とは、まだ異なるものでした。

 

「盆栽」という言葉が広く使われるようになったのは、江戸時代以降のことです。

 江戸時代(1603年~1868年)になると、「盆山」は木を主役とした現在の「盆栽」と近いものへと徐々に変化していきました。

このころも「盆栽」と「盆山」が混在していました。

徳川家光

この時代の盆栽愛好家として有名なのが三代将軍徳川家光(とくがわいえみつ・1604年~1651年)です。

特に五葉松を好み、家光が育てた五葉松の3つの盆栽が現存しています。

3つのうち1つは皇居にある樹齢550年の五葉松で、「三代将軍」と名付けられています。

皇居の「三代将軍」(椿カノコさんのブログ)

 

残り2つは東京都立園芸高等学校にある南五葉松と北五葉松で、「徳川三代将軍家光公遺愛の五葉松」と名付けられています。

都立園芸高校の南五葉松・北五葉松(365連休の日々)

 

江戸後期になると盆栽が盛んに行われるようになり、身分の高い人たちだけではなく庶民でも楽しめる趣味になりました。

 また、江戸時代には文化人たちの間でお茶を楽しむ席に盆栽が飾られるようになりました。

こうした文化人たちの間では、細い幹で枝数が少なく、わびさびを感じさせる樹形の盆栽が好まれ、「文人盆栽」または「文人木(ぶんじんぎ)」と呼ばれるようになりました。

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文人木

文人木

「盆栽」という言葉が現在と同じ意味で使われるようになったのは幕末ごろです。

江戸時代には「盆山」と「盆栽」が混在していましたが、幕末ごろに区別するようになったのです。

「盆山」は石や土で自然を表現するもので、木は脇役です。

「盆栽」は鉢の中で枝や幹を整えて自然や美しさを表現するもので、木が主役です。

 

そして、明治時代(1868年~1912年)に「盆栽」という言葉が定着しました。

 政界や華族など身分の高い人たちの間で文人盆栽が流行し、盆栽そのものが次第に「高尚な趣味」として扱われるようになりました。

 東京には多くの盆栽生産者がいましたが、大正12年(1923年)の関東大震災で大きな被害を受けました。

盆栽生産者の多くは壊滅的な東京から離れ、盆栽に適した土や水のある広い土地を探して埼玉県へ移り住み、大正14年(1925年)に「大宮盆栽村」を作りました。

大宮盆栽村は埼玉県さいたま市の大宮公園北側一帯の総称です。

現在は6つの盆栽園があり、盆栽の聖地として国内外の人が多く訪れます。

戦後になると盆栽は庶民の趣味としても広まり、展示会の開催や書籍・雑誌で取り上げられることも増えました。

また、政界や財界のトップにも愛好家が多く、盆栽は日本を代表する伝統芸術として社会的に認められるようになりました。

平成(1989年~2019年)後期ごろまでは愛好家の多くが高齢男性だったこともあり、「盆栽=おじいさんの趣味」というイメージが定着していました。

現在は、自分の手で作品を仕立てる創作の楽しさや、植物に癒されながらじっくり育てる魅力が注目され、女性や若い世代にも広まっています。

 

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なぜ世界で”BONSAI”として人気があるの?

盆栽が世界に知られるきっかけとなったのは、昭和45年(1970年)の大阪万博(正式名称:日本万国博覧会)です。

大阪万博では日本庭園が設置され、半年間に渡って「盆栽・水石展」が開催されました。

通常なら大地に根差している樹木が、小さな鉢の中に植えられ、その鉢の中で美しい自然を表現していることが注目されました。

日本万国博覧会をきっかけに英国の辞書に初めて「BONSAI」が掲載され、世界中に盆栽文化が広まりました。

外部リンク:1970年の大阪万博で展示された盆栽が55年の時を超えEXPO2025大阪・関西万博に再び展示

 

その後、平成元年(1989年)には埼玉県大宮市で第1回世界盆栽大会が開催され、32か国・約1200名が参加しました。

この大会をきっかけに世界盆栽友好連盟(WBFF)が設立され、盆栽の国際的な普及がさらに加速しました。

平成になり、インターネットが普及すると、盆栽の技術や情報が世界中で共有されるようになり、外国人の間でも愛好家が増え、「BONSAI」として世界中に広まっていきました。

「BONSAI」がなぜ世界で人気なのか、理由はいくつかあります。

 

伝統芸術として世界に認められている

盆栽は日本の伝統芸術として世界に知られており、海外の美術館や博物館でも展示されています。わびさびや禅の精神に通じる独特

の美意識が、欧米を中心に高く評価されています。

 

SNSで育て方・魅力が世界中に広まった

一昔前は日本語の雑誌や書籍でしか情報を得られず、海外で盆栽を学ぶのは難しい状況でした。しかし現在はYouTubeやInstagramな

どのSNSを通じて、剪定方法や育て方の動画が英語に翻訳されて世界中に広まっています。

 

狭いスペースでも自然を楽しめる

小さな鉢の中で大木や雄大な景色を表現できるのが盆栽の大きな特徴です。庭がなくてもベランダや室内で楽しめるため、都市部の

マンション暮らしの人にも人気があります。コロナ禍の外出規制をきっかけに、家の中で自然を楽しめる趣味として世界中でさらに注目されました。

 

手をかけるほど愛着がわく

植物は生きているので常に変化しています。水やり以外は放っておける観葉植物とは違い、盆栽は理想の樹形にするために剪定や針

金かけなど頻繁に手を加える必要があります。その手間暇こそが愛着を深め、長く楽しめる趣味として世界中で支持されています。

 

名品は美術品としての価値がある

樹齢が高く手入れの行き届いた名品盆栽は、美術品と同様に高値で取引されます。数千万円から1億円を超えるものまであり、コレクションとして所有すること自体がステータスとして認識されています。

 

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盆栽の種類とは?

 盆栽の種類をわけるときには、「大きさの分類」と「樹種の分類」があります。

  

「大きさの分類」

 大品盆栽(だいひんぼんさい)

  樹高が40㎝以上の盆栽です。

  45㎝以上や60㎝以上と定義されている場合もあります。

 

  中品盆栽(ちゅうひんぼんさい)

  樹高が20㎝~40㎝の盆栽です。

  中品盆栽の中でも小品に近い35㎝~40㎝前後のものを「貴風盆栽(きふうぼんさい)」といいます。

 

  小品盆栽(しょうひんぼんさい)

  樹高が20㎝以下の盆栽です。

  小品盆栽の中でも

  • 10㎝以下のものを「ミニ盆栽」
  • 5㎝以下のものを「プチ盆栽」
  • 3㎝~4㎝以下のものを「豆盆栽」

といいます。

 

樹種の分類

 盆栽の樹木の種類によって分けることができます。

代表的なのは以下の5つです。

 

松柏類(しょうはくるい)

松、ヒノキ、スギ、イチイなど、常緑針葉樹を中心とした総称です。

盆栽の中で最も知名度の高い種類です。

一年中緑を楽しむことができる樹種です。

 

雑木類(ぞうきるい)

モミジ、ケヤキ、カエデ、ブナなど、松柏類以外の木の総称です。

新芽、紅葉、落葉など、四季の移り変わりを楽しむことができる樹種です。

 

花物類(はなものるい)

桜、梅、ツバキ、山アジサイなど、花を楽しむ樹種です。

 

実物類(みものるい)

ザクロ、南天(なんてん)、姫リンゴなど、果実を鑑賞するための樹種です。

 

草物類(くさものるい)

山や野原に自生する草の総称です。

草物類は単独で楽しむのではなく、数種類の草物を寄せ植えにしたり、他の盆栽の添え物とすることが多いです。

 

  5月第2土曜日は「世界盆栽の日」

 5月第2土曜日は「世界盆栽の日」です。大宮盆栽村・蔓青園(まんせいえん)の三代目園主で、1989年に開催された第1回世界盆栽大会の実現に尽力した故・加藤三郎氏の誕生日にちなんで、世界盆栽友好連盟(WBFF)が制定しました。

 毎年ゴールデンウィーク(53日〜5日)には、埼玉県さいたま市大宮の大宮盆栽村で「大盆栽まつり」が開催されます。市民盆栽展や盆栽・盆器の即売会、苔テラリウムなどのワークショップも行われ、盆栽初心者から愛好家まで楽しめるイベントです。

 詳しくは大盆栽まつり公式ページ(VISIT SAITAMA CITY をご覧ください。 

 盆栽がどのようなものかわかりましたね。

少し前までは、盆栽は高齢男性の趣味と思われていました。

漫画やアニメでも、父親や祖父が盆栽を大事に育てているシーンがありますよね。

しかし、現在は女性や若い人にも人気です!

SNSなどで情報発信している人もたくさんいますし、興味を持った方はまずは小さな盆栽から始めてみてはいかがでしょうか。

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