神社やお寺でお願い事をするとき、お賽銭を入れて手を合わせるだけでなく、「絵馬(えま)」と呼ばれる小さな板にお願い事を書くことがありますね。
ですが、いざ書こうと思ったときに「どうやって書いたら良いのかな?」と悩んだり、「そもそも絵馬ってなんだろう?」と疑問を抱いたりするかもしれません。
今回は、絵馬の正しい書き方を学んでいきましょう。
また、絵馬の意味と由来についてご紹介します。
絵馬の意味とは?
読み方は「えま」です。
絵馬とは、神社やお寺でお願い事をするときや、お願いが叶ったことに感謝をするときに奉納(神仏に献上すること)する絵が描かれた木の板のことです。
個人用の小さなものから大人数で奉納する大きなものなどがあり、描かれる絵は馬だけではなく、その年の干支であったり、その神社仏閣にゆかりのあるものが描かれていたりと、さまざまなものがあります。
絵馬の由来とは?
その昔、神様は馬に乗って人間の世界へ降りてくると考えられていました。
奈良時代(710年~794年)の「続日本紀(しょくにほんぎ)」には、神様にお願い事をするときに「神馬(しんめ・じんめ・かみうま)」と呼ばれる馬を奉納したという記録があります。
しかし、本物の生きた馬を奉納し続けることは難しいです。
庶民は馬を奉納できないので次第に木や紙、土で作った馬の像や馬の絵を描いた板を奉納するようになりました。
この馬の絵を描いた板が絵馬のはじまりといわれています。
江戸時代になると家内安全や商売繁盛、子宝など現実的な願いをかける風習が広まり、現在のように木で出来た小さな絵馬を奉納するようになりました。
昭和になると絵馬本来の「馬」とは全く関係のない干支やその地域の風景、縁起物など個性的な絵馬が作られるようになりました。
絵馬の正しい書き方
絵馬の正しい書き方は以下の通りです。
願い事やお礼を書く場所は?
絵が描かれている方が絵馬の表面です。
表面には何も書きません。
裏は何もかかれていませんので、裏面に願い事やお礼を書きましょう。
何を使って書くの?
絵馬は奉納したあと屋外に置かれることがほとんどです。
雨などで流れて消えないように、黒色の油性マジックで書きましょう。
持参してもいいですが、絵馬を書く場所で準備されていることがほとんどですので忘れた場合は聞いてみるといいですね。
願い事は具体的にひとつだけ
欲張ってたくさんの願い事を書くのではなく、一つだけにしましょう。
たくさん書くと効果が弱まるといわれています。
願い事の書き方
神様や仏様にお願いをするので基本的には、
「○○できますように」
「○○になれますように」
と書きます。
また、
「○○します」
「○○になります」
というふうに言い切ってしまうほうが願い事が叶いやすいともいわれていますので、ご自分が良いと思うほうで書くと良いでしょう。
他にも「恋愛成就」や「商売繁盛」などの四字熟語で願い事を書いてもいいです。
四字熟語に「祈願」と「祈」を付けて、
「恋愛成就祈願」
「祈 商売繁盛」
としてもいいですね。
個人情報はどこまで書くの?
基本的に住所、氏名、奉納日を書きます。
とはいうものの、他人に個人情報を見られてしまうことに抵抗がある場合は、住所は省略したり、都道府県だけにしたり、氏名はイニシャルや苗字だけでもいいそうです。
最近は絵馬用の個人情報保護シールを準備しているところもありますので、そのような場合は、住所、氏名を省略することなく全て書いても良いですね。
気持ちが大事!
絵馬は、神様に願い事を叶えてもらうために奉納するものです。
一方的に自分の願いを叶えてください!と願うのではなく、神様に日々の感謝をし、願いが叶うよう努力することを伝え、応援していただけるよう心の中で願いながら絵馬を書いたり納めたりすると良いようです。
絵馬の書き方の見本
絵馬は縦書きで書く人が多いのですが、縦書きと横書き、特に決まりはなくどちらでも良いです。
書きやすい方を選ぶと良いでしょう。
奉納日は
「令和7年〇月〇日」
「2025年〇月〇日」
でもどちらでも構いません。
また、「奉納日」と「住所、氏名」は書く順番が決まっていませんのでどちらが先でも構いません。
絵馬の書き方の例文
では絵馬の書き方の具体的な例文を紹介します。
受験に関する絵馬の書き方
「〇〇の資格試験に合格しますように!」
「△△大学〇〇学部に現役合格しますように」
「〇〇会社に採用されますように」
「合格祈願」
仕事に関する絵馬の書き方
「千客万来」
「祈 商売繁盛」
「新規プロジェクトが成功しますように!」
「希望の部署に配属されますように」
恋愛に関する絵馬の書き方
「恋愛成就」
「良いご縁がありますように」
「〇〇さんと結婚できますように」
「良縁に恵まれますように」
健康に関する絵馬の書き方
「無病息災」
「病気平癒祈願」
「〇〇の病気が一日も早く治りますように」
「家族みんなが健康に過ごせますように」
安全に関する絵馬の書き方
「家内安全祈願」
「交通安全」
「安全な毎日を過ごせますように」
「無事故無違反で過ごせますように」
お礼をするときの絵馬の書き方
「第一志望に合格することができました!ありがとうございました。」
「今年も健康に過ごすことができました。ありがとうございます。」
「〇〇の病気が完治いたしました。本当にありがとうございました。」
「無事に就職することができました。ありがとうございます!」
絵馬はもともと本物の馬を奉納していたのですね。
現在でも、伊勢神宮や日光東照宮、住吉大社などいくつかの神社では神馬が飼育されていて、参拝したときに会えるかもしれません。
時間帯や神馬の体調によっては会えないこともありますので、その時は、次の機会に楽しみをとっておきましょう。
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