元号「令和」が発表された際、意味や由来についてメディアが報道をしていたのを覚えていますか?
でも、その意味や由来を忘れてしまっていませんか?
今回は、「令和」の意味や由来をはじめ、「明治」「大正」「昭和」「平成」の意味と由来についてもご紹介します!
元号「令和」の意味と由来とは?
令和の読み方は「れいわ」です。
発表は2019年4月1日に行われましたが、施行されたのは新天皇が即位なさった2019年5月1日からです。
「令和」の由来は「万葉集(まんようしゅう)」です。
万葉集とは、現存する日本最古の和歌集で、誰がどのような目的で編纂(へんさん)されたのかなど詳しいことはわかっていませんが、759年に成立したと考えられています。
天皇や貴族だけではなく、庶民の詠んだものまで、4500首以上もの和歌が集められています。
平成以前の元号は中国の古典から引用していましたが、「令和」は初めて日本の古典から引用されました。
「令和」は、万葉集の「梅花の歌(うめのはなのうた)32首の序文」にある歌を引用しています。
『初春の令月にして 気淑く風和ぎ 梅は鏡前の粉を披き 蘭は珮後の香を薫す』
(しょしゅんのれいげつにして きよくかぜやわらぎ うめはきょうぜんのこをひらき らんははいごのこうをかおらす)
歌の意味は、
「初春の良き月、空気は麗(うら)らかにして爽やかで、梅は鏡の前の白粉(おしろい)のように咲き、蘭は匂い袋のように香っている」
です。
「令和」には、
「人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ。梅の花のように日本人が明日への希望を咲かせる。」
という思いが込められています。
「厳しい寒さの後に春の訪れを告げ、見事に咲き誇る梅の花のように、日本人が明日への希望とともにそれぞれの花を大きく咲かせることができる日本でありたい、との願いを込めた」という安倍首相の談話がありましたよね。
また、「令月(れいげつ)」は旧暦の2月の異称であり、何事をするにも良い月、めでたい月という意味もあります。
今上天皇(現在の天皇)のお誕生日が2月23日なので、天皇誕生日を意識した元号だともいわれています。
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明治・大正・昭和・平成の意味と由来とは?
それでは明治以降の歴代の元号の意味と由来についても見ていきましょう。
明治(めいじ)の意味と由来
中国の「易経(えききょう)」の
「聖人南面而聴天下、嚮明而治」
という一文が由来です。
読み方は以下のとおりです。
『聖人南面して天下を聴き、明に嚮ひて治む』
(せいじん なんめんして てんかをきき、めいにむかひて おさむ)
「聖人が南を向いて民の声を聴けば、天下は明るい方向に向かって治まる」という意味です。
南面は、古代中国において聖人は南を向いて着座する習慣があったことから、「聖人のように正しい姿勢で」という意味になります。
つまり、
「聖人のように正しい姿勢で政治を行えば、国家は明るい方向に向かって治まる」
という意味になります。
大正(たいしょう)の意味と由来
中国の「易経」の
「大亨以正、天之道也」
という一文が由来です。
読み方は以下のとおりです。
『大いに亨りて以て正しきは、天の道なり』
(おおいにとおりて もってただしきは、てんのみちなり)
「正しい行いであれば、何事も障(さしさわ)りなく通る。それは天が望む道だからである。」という意味です。
「大正」は元号候補にあがり続け、5回目にして元号として採用されました。
昭和(しょうわ)の意味と由来
中国の「書経(しょきょう)」の
「百姓昭明、協和萬邦」
という一文が由来です。
読み方は以下のとおりです。
『百姓昭明にして、萬邦を協和す』
(ひゃくせい しょうめいにして、ばんぽうを きょうわす)
「百姓」は「たくさんの人々」のことです。
「昭明」の「昭」は徳という意味があることから徳(身に備わった品性)を明らかにすることという意味になります。
また、「萬邦」は世界中の国々のことで、「協和」は心を合わせて仲良くすることです。
つまり、
「国の宝であるたくさんの人々が自分の徳を明らかにすれば、それを元として世界の国々は心を合わせ仲良く出来る。」
という意味になります。
「昭和」という元号には「国民の平和と、世界各国の共存繁栄がはかられる」という思いが込められています。
平成(へいせい)の意味と由来
中国の「史記(しき)」の
「内平外成」
という一文と
「書経」の
「地平天成」
という一文が由来です。
「内平外成」の読み方は以下のとおりです。
『内平かに外成る』
(うちたいらかに そとなる)
「国内は穏やかで、諸外国との関係も良好である」という意味になります。
「地平天成」の読み方は以下のとおりです。
『地平ぎ天成る』
(ちたいらぎ てんなる)
「天災に見舞われることなく、世の中が平穏に治まる」という意味になります。
つまり「平成」という元号には、
「日本国内だけではなく世界中が平和で、世の中が平穏な時代になりますように」
という思いが込められています。
こちらにつきましては「国の内外にも天地にも平和が達成されるという意味が込められており、これからの新しい時代の元号とするに最もふさわしい」と当時の竹下首相の談話がありました。
「令和」の「令」は「命令」や「法令」というイメージが強いという意見もあるようですが、「令月」は「めでたい月」ですし、「ご令嬢」や「ご令息」のように「良い・素晴らしい」という意味があるのです。
これまでは中国の古典から引用されていましたが、「令和」は初めて日本の古典「万葉集」から引用されています。
初春の美しい歌が「令和」の由来となっていることを忘れずにいたいですね。
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