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玉音放送の全文と意味(現代語訳)とは?簡単にわかりやすく解説

大勢の人たちが正座をして昭和天皇の「耐え難きを耐え、忍び難きを忍び」という玉音放送を聞いている映像を見たことがありませんか?

この玉音放送によって日本国民は初めて戦争に負けたことを知りました。

玉音放送がどんな内容なのかご存じでない方も多いと思いますので、その全文と意味を簡単にわかりやすく説明します。

 


玉音放送とは?

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読み方は「ぎょくおんほうそう」です。

「玉音」は、以前は「ぎょくいん」と読んでいましたが、「ぎょくおん」と読む人が増え、定着しました。

そのため、「ぎょくいん」でも間違いではありません。

 

「玉」という漢字は、天子(てんし・天命によって天下を治める者・皇帝や天皇のこと)を敬って添える字で、「玉音」には、天皇の声という意味があります。

つまり「玉音放送」とは天皇陛下の肉声の放送のことです。

 

この意味の通りなら天皇陛下の声を放送したものはすべて「玉音放送」ということになりますが、ほとんどの場合、昭和20年(1945年)8月15日正午に放送された「大東亜戦争終結の詔書(だいとうあせんそうしゅうけつのしょうしょ)」の音読放送のことをといいます。

 

「大東亜戦争終結の詔書」とは「終戦の詔書」とも呼ばれ、昭和20年(1945年)8月14日にポツダム宣言が受諾され、日本が戦争に負けたことを天皇陛下が国民に向けて直接伝えた公文書のことです。

8月14日に昭和天皇が「大東亜戦争終結の詔書」を音読されたものを録音し、8月15日正午にラジオで放送されたものが「玉音放送」で、その日が「終戦記念日」になりました。

 

玉音放送の全文とその意味(現代語訳)

玉音放送の原文(全文)

朕(ちん)深ク世界ノ大勢ト帝国ノ現状トニ鑑ミ非常ノ措置ヲ以(もっ)テ時局ヲ収拾セムト欲シ茲(ここ)ニ忠良ナル爾(なんじ)臣民ニ告ク

朕ハ帝国政府ヲシテ米英支蘇四国ニ対シ其(そ)ノ共同宣言ヲ受諾スル旨通告セシメタリ

抑々(そもそも)帝国臣民ノ康寧(こうねい)ヲ図リ万邦共栄ノ楽ヲ偕(とも)ニスルハ皇祖皇宗ノ遺範ニシテ朕ノ拳々(けんけん)措(お)カサル所曩(さき)ニ米英二国ニ宣戦セル所以(ゆえん)モ亦(また)実ニ帝国ノ自存ト東亜ノ安定トヲ庶幾スルニ出テ他国ノ主権ヲ排シ領土ヲ侵スカ如(ごと)キハ固(もと)ヨリ朕カ志ニアラス然(しか)ルニ交戦已(すで)ニ四歳(しさい)ヲ閲(けみ)シ朕カ陸海将兵ノ勇戦朕カ百僚有司ノ励精朕カ一億衆庶ノ奉公各々(おのおの)最善ヲ尽セルニ拘(かかわ)ラス戦局必スシモ好転セス世界ノ大勢亦我ニ利アラス加之(しかのみならず)敵ハ新ニ残虐ナル爆弾ヲ使用シテ頻(しきり)ニ無辜(むこ)を殺傷シ惨害ノ及フ所真ニ測ルヘカラサルニ至ル而(しか)モ尚(なお)交戦ヲ継続セムカ終(つい)ニ我カ民族ノ滅亡ヲ招来スルノミナラス延(ひい)テ人類ノ文明ヲモ破却スヘシ斯(かく)ノ如クムハ朕何ヲ以テカ億兆ノ赤子(せきし)ヲ保(ほ)シ皇祖皇宗ノ神霊ニ謝セムヤ是(こ)レ朕カ帝国政府ヲシテ共同宣言ニ応セシムルニ至レル所以ナリ

朕ハ帝国ト共ニ終始東亜ノ解放ニ協力セル諸盟邦ニ対シ遺憾ノ意ヲ表セサルヲ得ス帝国臣民ニシテ戦陣ニ死シ職域ニ殉シ非命ニ斃(たお)レタル者及其ノ遺族ニ想(おもい)ヲ致セハ五内(ごだい)為(ため)ニ裂ク且(かつ)戦傷ヲ負ヒ災禍ヲ蒙(こうむ)リ家業ヲ失ヒタル者ノ厚生ニ至リテハ朕ノ深ク軫念(しんねん)スル所ナリ惟(おも)フニ今後帝国ノ受クヘキ苦難ハ固ヨリ尋常ニアラス爾臣民ノ衷情モ朕善(よ)ク之(これ)ヲ知ル然レトモ朕ハ時運ノ趨(おもむ)ク所堪へ難キヲ堪へ忍ヒ難キヲ忍ヒ以テ万世ノ為ニ太平ヲ開カムト欲ス

朕ハ茲ニ国体ヲ護持シ得テ忠良ナル爾臣民ノ赤誠ニ信倚(しんい)シ常ニ爾臣民ト共ニ在リ若(も)シ夫(そ)レ情ノ激スル所濫(みだり)ニ事端(じたん)ヲ滋(しげ)クシ或(あるい)ハ同胞排擠(はいせい)互ニ時局ヲ乱リ為ニ大道(だいどう)ヲ誤リ信義ヲ世界ニ失フカ如キハ朕最モ之ヲ戒ム宜(よろ)シク挙国一家子孫相伝ヘ確(かた)ク神州ノ不滅ヲ信シ任重クシテ道遠キヲ念(おも)ヒ総力ヲ将来ノ建設ニ傾ケ道義ヲ篤(あつ)クシ志操ヲ鞏(かた)クシ誓テ国体ノ精華ヲ発揚シ世界ノ進運ニ後レサラムコトヲ期スヘシ爾臣民其レ克(よ)ク朕カ意ヲ体セヨ

 

玉音放送は、宮内庁公式HPで聞くことができ、全文のPDFをダウンロードできます。

外部リンク:終戦の玉音放送 - 宮内庁

 



 

昭和天皇は原文を音読されましたが、原文のままでは意味が難しいですよね。

そこで現代語訳してみました。

一字一句原文に忠実に訳すのではなく、わかりやすい言葉を選んでいます。

 

玉音放送の意味(現代語訳)

私は、世界の情勢と日本の現状について深く考え、非常措置によって今の事態を収拾しようと思い、ここに真心を尽くして仕えてくれた善良な日本国民に伝える。

 

私は、日本政府に、アメリカ・イギリス・中国・ソ連の4国に対して、ポツダム宣言を受け入れることを正式に告げた。

 

そもそも、日本国民が平穏無事に生活できるよう心掛け、世界の国々とともに繁栄を分かち合うことは、歴代天皇が大切にしてきたことであり、私はいつもそれを心に抱き、務めてきた。

 

アメリカとイギリス、2か国に宣戦布告した理由も、日本が他国に頼らず自分の力で生存することと、東アジアの安定を心から願ったからであって、他国の主権を排除したり、領土を侵略したりするようなことは、もちろん、私の意志とは異なる。

 

しかしながら、この戦争が始まってすでに4年が経過し、日本の陸海軍の兵は勇敢に戦い、官僚や公務員たち役人も職務に励み、日本国民は身を捧げて仕えてくれ、それぞれが最善を尽くしてきたが、戦局は必ずしも良くはならず、世界の情勢も日本にとって不利である。

 

それだけではなく、敵は新たに原子爆弾を広島、長崎で使用し、多くの罪のない人々を殺傷し、その被害が及ぶ範囲は測り知ることができない。そのような状況でもまだ戦争を続ければ、日本民族の滅亡を招くだけではなく、人類の文明をも破壊することになってしまうだろう。

そのような事態になったとしたら、私はどのようにしてわが子ともいえる国民を守り、歴代天皇の御霊(みたま・神や先祖の霊)に謝ることができるだろうか。

これこそが、私が日本国政府に対し、ポツダム宣言に応じるようにさせた理由である。

 

私は、日本とともに東アジアの解放に協力してくれた友好諸国(大東亜会議に参加した、ビルマ、中華民国、満州国、タイ王国、フィリピン、インドなど)に対して、遺憾の意(残念であるという気持ち)を表明しないわけにはいかない。

 

日本国民のうち、戦場で亡くなったり、職場で職務中に亡くなったり、戦災で亡くなった人々、また、その遺族のことを考えると、わが身は引き裂かれる思いである。

さらに、戦争で負傷し、空襲などの戦災に遭い、家や仕事を失った人々の生活のことを考えると、深く心が痛む。

 

今後、日本が受ける苦難は、言うまでもなく並大抵のものではないだろう。国民の気持ちも私はよくわかっている。

しかし私は、こらからの運命について、耐えがたいことを耐えて、忍び難いことも忍んで、永遠に続く未来の平和を実現するために道を切り開こうと思う。

 

私は、ここにこうして天皇を中心とする秩序を護り、真心を尽くして仕えてくれた善良な日本国民を信頼し、常に国民と一緒にいる。

もしも感情の高ぶりからむやみに争いごとを繰り返したり、仲間同士で互いを陥(おとしい)れたりして国家を混乱させ、人としての道を誤って世界から信用を失ったりすることは、私が最も戒めたいことである。

 

全国民が家族のように一致団結し、この国を子孫に伝え、日本の不滅を固く信じ、国の再建と繁栄の任務は重く、道のりは遠いと自覚し、持てるすべての力を未来の建設のために注(そそ)ごう。

人の行うべき正しい道を大切にし、志を固く守って、日本の栄光を再び輝かせるよう、世界の進歩に遅れないよう努力しなければならない。

わが国民よ、これが私の意志だと良く理解して行動してほしい。

 

 

「玉音放送」といえば、「堪へ難キヲ堪へ忍ヒ難キヲ忍ヒ」の部分の印象が強いです。

その部分しか知らない人の中には「戦争中は耐え忍ぶことが困難なことによくぞ耐え抜いてくれた」と昭和天皇が国民をねぎらっているとか、「受け入れがたい敗戦の屈辱のこと」と解釈する人もいます。

しかし、本当は「今後の日本が受けるであろう困難を、堪え難きを堪え、忍び難きを忍び、永遠に続く未来の為に平和な世を切り開こうと思う」ということを言っているのです。

敗戦によって終戦を迎えた国民に「今後も困難が待ち受けているけれど、がんばって平和な未来を切り開こう」と呼び掛けているのですね。

 

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