私たちが普段使っている日本語の中には、数多くの英語の単語がそのまま日常会話に使用されています。
例えば
- オーケー(OK)
- オーライ(Alright)
- サンキュー(Thank you)
- ナイス(Nice)
- チェック(Check)
- バイバイ(Bye-bye)
- ハロー(Hello)
- ラッキー(Lucky)
- チケット(Ticket)
- レポート(Report)
- ストップ(Stop)
- スケジュール(Schedule)
- コミュニケーション(Communication)
などです。
では、逆に英語になった日本語、海外で通じる日本語にはどのような単語があるのでしょうか?
海外で通じる日本語ランキングもあわせてご紹介します。
英語になった日本語一覧!
漫画やアニメなどのサブカルチャーなどから発生した単語など、現在たくさんの日本語がそのまま世界共通の言葉として使われるようになっています。
それではジャンル別に見ていきましょう!
食べ物編
「Washoku」=和食
英語では「Japanese food」や「Japanese cuisine」といいますが、「和食」は平成25年(2013年)に無形文化遺産に登録されたことで、「Washoku」でも通じることがあります。
「Sukiyaki」=すき焼き
坂本九さんの「上を向いて歩こう」という名曲は海外では『SUKIYAKI』として販売されました。
これは
・契約したアメリカのレコード会社の社長が日本で心に残る料理だったから
・知っている日本語が「SAYONARA」と「SUKIYAKI」くらいしかなかったから
などの説があります。
「Umami」=うま味
「うま味」は日本人が発見した味覚で、和食で出汁をとる日本独特の味覚だといわれています。
海外の研究者の間では1980年ごろから知られていましたが、一般的に広まったのは和食が無形文化遺産に登録されてからです。
うま味の意味とは?うま味成分の種類と食材一覧!うま味がわかるのは日本人だけ?
「Bento」=お弁当
英語では「lunch box」と言うのが一般的ですが、日本のお弁当は「バランスや見た目が良く、ユニークだ」と人気があり、「BENTO」でも通じます。
「Sake」=日本酒
日本酒もワインやブランデーのように「Sake」で伝わります。
「Dashi」=出汁
出汁に相当する液体を英語では「broth」や「stock」と言うこともありますが、和食の出汁は「Dashi」といいます。
「Teriyaki」=照り焼き
日本の照り焼きは、醬油ベースの甘辛いタレを食材に塗りながら焼く調理法を指しますが、アメリカでは「TERIYAKI」はソースのことを指すため、食材を焼いているとは限りません。
主に揚げ物にソースの「TERIYAKI」を付けているそうです。
「Ramen」=ラーメン
ラーメンはもともと中国から日本に伝わった麺料理ですが、日本で独自の進化をして日本食として定着しています。1970年代から1980年代にかけての日本食ブームで海外にも紹介され、英語圏では日本料理として「RAMEN」という言葉がそのまま使われています。
「Edamame」=枝豆
もともと枝豆を食べるのは主にアジア地域だけだったのですが、2000年ごろから英語圏でも冷凍枝豆が食べられるようになりました。
スーパーなどでも「Edamame」と表記して販売されており、日本食レストランでは定番メニューになっているそうです。
「Daikon」=大根
英語では「radish」ということもありますが、英語圏の「radish」は赤くて丸い小型の野菜を指します。
日本の「大根」と「radish」は異なる野菜だということで、日本の大根は「DAIKON」や「Japanese radish」と呼んで区別しているそうです。
「Sushi」=寿司
日本の伝統的な料理として海外に広まり、そのまま「Sushi」と呼ばれています。
各地で独自のアレンジが加えられており、アメリカで誕生した「カリフォルニアロール」は逆輸入され、日本でも人気です。
「Tempra」=天ぷら
日本の伝統的な料理として海外に広まり、シンプルで美味しい揚げ物料理として人気です。
そのまま「Tempra」と呼ばれています。
以下は、日本の和食の料理名・食材・調味料などとして英語に訳すことなくそのまま日本語が使われています。
- 「Sashimi」=刺身
- 「Tofu」=豆腐
- 「Natto」=納豆
- 「Yakitori」=焼き鳥
- 「Takoyaki」=たこ焼き
- 「Tonkatsu」=とんかつ
- 「Miso」=味噌
- 「Shabu-Shabu」=しゃぶしゃぶ
- 「Soba」=ソバ
- 「Udon」=うどん
- 「Wasabi」=わさび
- 「Matcha」=抹茶
- 「Nori」=海苔
- 「Konbu」=昆布
文化・芸術・伝統編
美しい日本の文化、芸術、伝統の多くもまた、海外でそのまま伝わる日本語になっています。
「Ikebana」=生け花
フラワーアレンジメントとは別のジャンルとして認知されているようです。
「Bonsai」=盆栽
盆栽は中国から伝わり日本で独自に発展した小さな鉢の中で木を育てて美しく形を整える伝統的な芸術です。
明治時代には海外へ紹介され、1970年の大阪万博をきっかけに世界的に知られるようになりました。現在では「Bonsai」という言葉が英語圏でも使われ、世界中で親しまれる日本の伝統芸術となっています。
「Ukiyo-e」=浮世絵
浮世絵は江戸時代に日本で発展した木版画で、庶民の生活や風景、役者や美人を題材にした絵画です。19世紀に海外に紹介されるとモネやゴッホなどの印象派の画家たちに影響を与え、英語圏でも「Ukiyo-e」として知られるようになりました。
「Koi」=錦鯉
英語では「carp」ですが、鯉を品種改良した観賞魚の「錦鯉」は世界中で愛されており、「KOI」と呼ばれています。
「Katana」=刀
英語では「Japanese sword」というのが一般的ですが、そのまま「KATANA」でも通じます。
英語圏の映画やゲームの世界では「katana sword」とも呼ばれています。
「sword」は剣という意味です。
「Bushido」=武士道
新渡戸稲造(にとべいなぞう・1862年~1933年)が英語で「武士道」という本を書き、明治32年(1899年)にアメリカで出版されました。
そのため、「BUSHIDO」は広く世界で知られる日本語となっています。
「Origami」=折り紙
英語で「folding paper」といいますが、日本の文化として「Origami」で通じることのほうが多いようです。
「Zen」=禅
仏教学者である鈴木大拙(すずきだいせつ・1870年~1966年)が日本の禅を海外に紹介するために英語で本を書き、1960年代に盛んに読まれるようになりました。
特にアメリカの若者の間で流行し、現在でも「Zen」で通じます。
「Zen Buddhism」ともいいます。
「Ninja」=忍者
日本独特の存在のため英語でも「Ninja」といいます。
忍者は「忍(しのび)」という言い方もありますが、そのまま英語でも「Shinobi」です。
海外で忍者が人気なのは、アニメの影響が大きいようです。
「Kimono」=着物
日本の伝統的な衣服として海外でも知られており「Kimono」で通じます。
以下は、日本の文化・芸術・伝統として英語に訳すことなくそのまま日本語が使われています。
- 「Kabuki」=歌舞伎
- 「Noh」=能
- 「Koto」=琴
- 「Geisha」=芸者
- 「Shamisen」=三味線
- 「Futon」=布団
- 「Tatami」=畳
- 「Shogi」=将棋
- 「Haiku」=俳句
- 「Samurai」=侍
- 「Syogun」=将軍
- 「Dojo」=道場
サブカルチャー編
また日本独自の文化として海外でファン層を広げている漫画やアニメ。
これらに関連する言葉も、海外でも伝わる日本語として定着しています。
「Manga」=漫画
英語では「comic」というのが一般的ですが、日本の漫画は世界中に広まっているため「MANGA」でも通じます。
「Otaku」=オタク
漫画やアニメなどを熱烈に愛する人として、日本より前向きな意味で広がっているようです。
「Karaoke」=カラオケ
カラオケは日本で発明された音楽に合わせて歌を歌う娯楽です。1970年代に日本で広まり、その後海外にも紹介され、英語圏でも「Karaoke」として表記・発音されるようになりました。現在では、バーやパーティー、イベントなどで日常会話や趣味の文脈で自然に使われています。
「Kawaii」=可愛い
漫画やアニメなどが世界に広まる中で「KAWAII」も日本語のまま広まっていきました。
「Anime」=アニメ
アニメは、「アニメーション」の略です。
アニメはもともと英語の「animation」が語源で、日本で略して「アニメ」と呼んでいたのがそのまま海外でも使われるようになりました。
「Cosplay」=コスプレ
和製英語の「コスチューム・プレイ」の略です。
アニメや映画のキャラクターの仮装をする起源はアメリカといわれていますが、日本で独自の進化を遂げて現在のようになり「COSPLAY」という言葉も世界に広まりました。
「Emoji」=絵文字
絵文字は1990年代後半に日本の携帯電話で、文字だけでは伝えにくい感情を表すために生まれました。スマートフォンやSNSの普及により世界で使われるようになり、emojiとして英語圏の日常会話やメッセージでも自然に使われるようになりました。
「Kaiju」=怪獣
英語では「monster」や「beast」というのが一般的ですが、「Kaiju」ともいいます。
2013年公開のアメリカ映画「パシフィック・リム」は日本の怪獣映画の影響を受けており、映画に登場する巨大生物を「Kaiju」と呼んでいます。
以下の3つは、英語圏で話題になった文化として、2024年にオックスフォード英語辞典に新しく追加された日本語由来の言葉です。
- 「Tokusatsu」=特撮
- 「Isekai」=異世界
- 「Mangaka」=漫画家
スポーツ編
いずれも日本が発祥のスポーツなので、日本語でそのまま伝わります。
「Gateball」=ゲートボール
昭和22年(1947年)に日本で考案されたスポーツです。
イギリス発祥の「クロッケー」というスポーツをヒントに考案されたため「Japanese croquet」ともいいます。
ほかにも
- 「Sumo」=相撲
- 「Karate」=空手
- 「Judo」=柔道
- 「Jujitsu」=柔術
- 「Kendo」=剣道
- 「Aikido」=合気道
その他
「Tsunami」=津波
1946年にアリューシャン地震が起こり、ハワイに大津波がきて大きな被害がありました。
そのとき、日系移民が「Tsunami」と言っていたことでハワイに「Tsunami」が広まり、いつしか世界中で使われるようになりました。
「Sakura」=桜
英語では一般的に「cherry blossom」といいますが、日本に興味がある外国人には「Sakura」で通じることが多いです。
「Omakase」=おまかせ
日本の寿司屋やレストランなどのメニューで「おまかせ」があり、外国人観光客を中心に広まっています。
「Sudoku」=数独
もともと「Number Place(略してナンプレ)」と呼ばれていたアメリカ発祥のゲームが世界中でブームになり、日本のゲーム会社代表取締役が「数独(数字は独身に限る)」として日本で発表し、今では「Sudoku」という呼び名が広まっています。
「Shiba」=柴犬 「Akita」=秋田犬
柴犬も秋田犬も日本の犬種の名前なので、そのまま英語になっています。
「Shinkansen」=新幹線
日本の高速鉄道の固有名詞として、そのまま英語になっています。
「Yakuza」=ヤクザ
日本の暴力団を指す「ヤクザ」という言葉が、そのまま固有名詞として英語圏にも広まりました。
「Karoushi」=過労死
日本は昔から長時間労働が一般的で、日本特有の現象として国際的に「過労死」が認識されています。
「Hikikomori」=引きこもり
日本特有の社会現象として海外でも注目されるようになりましたが、当てはまる英語がなかったため日本語がそのまま英語になっています。
「Mottainai」=もったいない
ノーベル平和賞を受賞したケニア人女性、ワンガリ・マータイさんが平成17年(2005年)に京都議定書関連行事に出席するため来日した際、「もったいない」という日本語を知り感銘を受けました。
その後、「Mottainaiキャンペーン」をスタートさせ、世界に「もったいない」を広めています。
「もったいない」をきちんと英語で訳すことのできる単語が存在しないため、日本の「物を大切にする文化」として日本語がそのまま英語になっています。
海外で通じる日本語ランキング
ここまでにご紹介した「英語になった日本語」の中でも、海外で通じる日本語をランキングにしました!
1位:「Sushi」=寿司
2位:「Otaku」=オタク
3位:「Kawaii」=可愛い
4位:「Karaoke」=カラオケ
5位:「ANIME」=アニメ
6位:「Ramen」=ラーメン
7位:「Kimono」=着物
8位:「Sake」=酒
9位:「Ninja」=忍者
10位:「Tsunami」=津波
漫画やアニメを通じて日本の文化に触れ、日本語を覚えたり、日本語を学ぶきっかけになる外国人も多いようです。
そのため「オタク」や「アニメ」がランキング上位に入り、多くの国で通じるのは面白いことですよね。
これらはほんの一部で他にもたくさんの日本語が海外で使われるようになっています。
日本の食べ物や文化など、日本から世界に発信しているものも増えていますし、日本に興味を持ってやってくる外国人観光客も積極的に発信しています。
海外でも通じるようになる日本語は、これからも増えていくことでしょう!
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