5月5日は「こどもの日」ですね。
「端午の節句」とも言い、男の子の誕生と成長を祝う日です。
この日が近づくと、男の子のいるご家庭では鯉のぼりを飾るようですが、いつからいつまで飾っておけば良いのでしょうか?
また、鯉のぼりには「吹き流し」というものがついていますが、その意味はなんでしょう?
今回は、鯉のぼりについて調べてみました。
Contents/目次
鯉のぼりとは?
読み方は「こいのぼり」です。
鯉のぼりとは、男の子の誕生と健やかな成長を願って、家の庭先に飾る「鯉の形を模して作ったのぼり」のことです。
布や紙などに鯉を描いたもので、風を受けると鯉が空を泳いでいるように見えます。
鯉のぼりは5月5日の「端午の節句(たんごのせっく)」に飾ります。
「端午の節句」はもともと中国の風習で別名、「菖蒲(しょうぶ)の節句」ともいい、香りが強く邪気を払うとされている菖蒲(しょうぶ)や蓬(よもぎ)を門に挿し、菖蒲を浸したお酒を飲んで厄除けや健康祈願をしていました。
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鯉のぼりを飾るようになったのはなぜ?
鯉のぼりはもともと、鎌倉時代(1185年~1333年)に武家の間で男の子の誕生や成長を祝って「のぼり」を立てていたのが由来です。
のぼりを立てることで、跡取りである男の子が生まれたことを周囲に知らせる意味もあったそうです。

そして江戸時代にこの風習が武家から庶民へと広がっていき、鯉のぼりが考案されました。
「鯉が竜門の滝を登ると竜となって天をかける」という中国の故事が由来となっており、鯉のぼりを飾ることで「男児の成長と出世を願う」という意味があります。
ちなみにこの故事は「登竜門」という言葉の語源になっています。
また「鯉は清流だけではなく池でも沼でも生きられる生命力の強い魚」であることから、男の子が環境の良し悪しに関わらず、立派に成長し出世するように願ったともいわれています。
吹き流しと色の意味とは?
鯉のぼりには、鯉だけではなく五色の吹き流しが飾られていますが、これには「魔除け」の意味があります。
吹き流しの色は
●青(緑)
●赤
●黄
●白
●黒(紫)
以上、五色です。

吹き流しの五色の色は、古代中国の五行思想(万物は木、火、土、金、水の5種類の元素からなるという自然哲学の思想)が由来とされ、青(緑)は木、赤は火、黄は土、白は金、黒(紫)は水を表しています。
これら5種類の色は万物を構成する元素であり、この五色が揃うと「魔除け」として威力を発揮すると言われ、幼い子どもを守ってくれると信じられているのです。
また、この吹き流しには「神様にはやく気づいてほしい」という気持ちも込められており、男の子が誕生したことを早く神様に知らせるために五色の吹き流しをつけて目立つようにしたともいわれています。
鯉のぼりを飾る時期としまう時期はいつ?
鯉のぼりを飾る時期はいつ?
鯉のぼりを飾る時期は特に決まりがありません。
地域や家庭によっても異なり、飾る時期は「春のお彼岸が過ぎたら」「ひな祭りが終わってから」という人もいらっしゃいます。
一般的には春分の日(3月20日ごろ)を目安に4月上旬ごろまでに飾るご家庭が多いです。
早ければ3月3日を過ぎてから遅くても4月中には出しましょう。
3月3日のひな祭りでひな人形を飾っているご家庭では、それを片づけてから鯉のぼりを出すのが一般的なようです。
ひな人形と鯉のぼりを一緒に飾ってはいけない理由はないのですが、片づけてから鯉のぼりを出す人が多いようですよ。
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鯉のぼりを片付ける時期はいつ?
鯉のぼりを片付ける時期も特に決まりがありません。
5月5日を過ぎたらすぐに片付ける人もいますし、6月まで飾っておく地域もあるようですが、5月中旬ごろに片付けるのが一般的です。
片づける時期に決まりはありませんが、お天気の良い日を選びましょう。
雨の日やじめじめした湿気が高い日に片付けると、虫がつきやすかったり、カビが生えやすくなります。
遅くなると梅雨になってしまいますので、鯉のぼりを大事に保管するためにも、梅雨になる前のお天気の良い日を選ぶといいですね。

昨今の住宅事情から、住宅密集地では小さな鯉のぼりしか見かけません。
しかし、都会を離れると、広い庭に男の子の名前の書かれたのぼりと、大きな鯉のぼりを飾っているのを見ることができます。
大きな鯉のぼりは迫力がありとても立派ですが、小さな鯉のぼりも込められた気持ちは同じですよね。
青空を泳ぐ鯉のぼりに、男の子の誕生への感謝と、健やかな成長の願いをかけましょう。
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