「負けるが勝ち」ということわざをどのような場面で使いますか?
「負けなのに勝つって、意味がわからないよ」と思う方もいるかもしれませんが、なぜ勝ちなのでしょうか?
今回は「負けるが勝ち」の本当の意味や由来、使い方と具体例などについてわかりやすく解説します。
「負けるが勝ち」はなぜ勝ち?本当の意味と由来とは?
「負けるが勝ち」の読み方は「まけるがかち」です。
つまらない争いは避け、その時は相手に勝ちを譲ることで、最終的には自分の勝利につながるという意味のことわざです。
目先の利益を失うことがわかっていても、将来的には自分が勝者となることが確信できているときに使います。
また、意識的に負けたわけではなくても、最終的にその負けが有利に働いて勝利に結びつき、偶然「負けるが勝ち」の状態になることもありますが、この場合も「負けるが勝ち」ということもあります。
負け惜しみを言うとき「負けるが勝ち」を使う人もいますが、これは誤りです。
本当の意味は先を見越してその時は負け、将来的に勝者になる場合に使うので、負け惜しみとしては使うのは間違いです。
「負けるが勝ち」は「江戸いろはかるた」の「ま」の札になっています。
しかし、明確な由来や語源などは定かではありません。
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「負けるが勝ち」の使い方と具体例
たとえば、恋愛においては「負けるが勝ち」を実践することで、関係が良好に保てるようです。
カップルが喧嘩をすると、正論をぶつけあってもますます険悪な関係になっていくだけで、別れ話に発展しかねません。
ですので、相手を打ち負かし勝つことを考えるよりも、自分が負けることで二人が良好な関係を保つことを選ぶのは結果的に勝ちにつながります。
具体例と使い方の例文は以下のとおりです。
カップルで喧嘩をしてどちらも引くに引けなくなっている時
「このまま喧嘩を続けても良いことはない。自分が負けることで相手の機嫌が良くなるのなら、負けるが勝ちだ、謝ろう。」
デートでどこに行くか決まらず、どちらも譲りたくない時
「今は『負けるが勝ち』で黙って引き下がろう。相手の行きたい場所へ行けば自分も楽しむことができるだろう。」
また、ビジネスシーンでも「負けるが勝ち」を実践することで、職場の雰囲気が良くなります。
具体例と使い方の例文は以下のとおりです。
同僚と意見が合わず議論が激しくなってきた時
「このまま議論を続けたら関係がギクシャクするかもしれない、ここは『負けるが勝ち』だから自分が折れて、一旦お互いが冷静になるのを待とう。」
自分の意見を言いたいけれど相手が全く聞いてくれない時
「反論したい部分もあるけれど相手がヒートアップしているから、『負けるが勝ち』と考えて、まずは相手の言いたいことを全部聞いてしまおう。」
「負けるが勝ち」の類語は?
「負けるが勝ち」の類語は、以下のとおりです。
●逃げるが勝ち
●負けて勝つ
●損して得取れ
●征服のための屈服
●三十六計逃げるに如かず(三十六計は兵法にあった三十六の計略のこと。不利になったときは作戦を立てずに逃げることが最善である)
●叩かれた夜は寝やすい(他人に害を与えるよりは、自分が他人から害を受けた方が心安らかでいられる)
また「負けるが勝ち」のように普通とは反対の方向から考えを進める様子や、真理に背くようにみえるが実は真理をついている様子を「逆説」といいます。
同じ逆説のことわざの例としては以下のものがあります。
●急がば回れ
●失敗は成功のもと
●かわいい子には旅をさせよ
「負けるが勝ち」の対義語は?
「負けるが勝ち」の対義語は、特にありません。
英語で何て言う?
「負けるが勝ち」は日本のことわざなので全く同じ英語はありませんが、英語圏でも似たようなことわざがあります。
●To lose is to win and he who wins shall lose.
(負けることは勝つことで、勝った者は負けるだろう)
●Sometimes you have to lose to win.
(時には勝つために負けることも必要だ)
「負けることがなぜ勝つことになるのか、よくわからないことわざだ」と思っていましたが、将来を見越して「今は負けておこう」ということだったのですね。
将来的に勝つ見込みもなく、ただ負けただけなのに「負けるが勝ちだ」と言うのは負け惜しみでしかありませんが、正しい意味で「負けるが勝ちだ」と使うのはなんだかカッコ良いと思いませんか?
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