神道

神輿(みこし)を担ぐ意味とは?ワッショイ、エッサ、ソイヤの由来

お祭りのシーズンになると神輿を威勢良く担ぎ町内を練り歩く姿をよく見かけますよね。

ふんどしや法被(はっぴ)姿の男性が担ぐ神輿や、女性だけの神輿、子どもたちが担ぐ神輿などがあり、担ぎ方も地域によってさまざまです。

地域によっては、神輿同士をぶつけあったり、神輿に水をかけたり、神輿を放り投げたりすることもあります。

それでは、神輿を担ぐのはどのような意味があるのでしょうか?

今回は、神輿の歴史や起源、ワッショイ、エッサ、ソイヤの由来についてわかりやすく解説します。

 

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神輿とは?

神輿
 

読み方は「みこし」です。

「しんよ」と読むこともあります。

 

「輿(こし)」とは、人を乗せ人力で持ち上げて運ぶ乗り物のことで、身分の高い人を乗せるために使われていました。

「神輿(みこし)」は読んで字のごとく神様が乗るものです。

さらに「御(お)」をつけて「御神輿(おみこし)」と呼ぶこともあります。

 

神輿を担ぐ人々
 

普段は神社にいる神様の霊(魂)が、お祭りのときに神社から出て、町内や御旅所(おたびしょ・神様が休憩や宿泊するための場所)へ赴く時に一時的に神輿に鎮座します。

簡単にいうと、お祭りの際の神様の乗り物ということになります。

 

鳳凰
 

神輿は、神社の形をしたものが多く、屋根の上には「鳳凰(ほうおう・霊鳥)」「擬宝珠(ぎぼし・ネギの花のような形の装飾)」が置かれています。

鳳凰は、中国神話が由来の霊鳥で、良いことの前兆として現れ、幸せを運んでくれる、縁起の良い鳥のことです。

擬宝珠は、ネギに似ているので「葱台(そうだい)」ともいい、ネギの独特の臭いが厄除けになるといわれています。

葱台

神輿の歴史や起源

神輿の起源は諸説あります。

 

祭壇が起源という説

狩猟と食べ物の収集を中心に生活をしていた縄文時代~弥生時代に収穫祭が行われていて、その時の祭壇が神輿の起源という説があります。

その時代、人々は狩猟や食べ物の収集が出来る場所へと移動しながら生活をしていたため、神様も一緒に移動をしていました。

この時、神様がいらっしゃる祭壇をそのまま担いで移動していたと考えられており、これが神輿の起源と考えられています

祭壇をそのまま担いで移動

祭壇は収穫祭が終わると取り壊され、毎年新しい祭壇が作られていましたが、人々が定住しするようになると神様も定住が求められるようになり、神様の居所として神社が誕生しました。

そして、神様の乗り物として神輿が継承され、現在のような形になったといわれています。

 

八幡神の乗り物が起源という説

神輿が文献上に初めて登場したのは奈良時代(710年~794年)の「八幡宇佐宮御託宣集 (はちまんうさぐうごたくせんんしゅう)」という書物です。

養老4年(720年)、九州で「隼人の乱」といわれる反乱が起こり、朝廷は宇佐八幡宮(うさはちまんぐう・大分県宇佐市の宇佐神宮)で国家鎮護と隼人討伐を祈願したところ、武運の神様である八幡神がこの願いに応じたので、朝廷は八幡神が乗る神輿を作らせ、隼人の乱の鎮定(ちんてい・乱をしずめる)に赴いたと書かれているそうです。



宇佐八幡宮

宇佐八幡宮


天皇の乗り物が起源という説

天平勝宝元年(749年)、聖武天皇(しょうむてんのう)が東大寺の大仏の建造にあたる時、莫大な費用を使って大仏を造ることに貴族たちが反対することを心配しました。



聖武天皇

聖武天皇


すると宇佐八幡宮の八幡神から「天と地の神を率いて我が身を投げうって協力し、東大寺の建立を必ず成功させる」という託宣(たくせん・神仏が人に乗り移ったり、夢に現れたりしてその意志を告げること)があり、聖武天皇は八幡神を奈良の都へと遷座(せんざ・移動すること)しました。

この遷座の際、「鳳輦(ほうれん)」と呼ばれる、天皇が乗る屋根に金色の鳳凰が輝く乗り物が用いられたのですが、これが神輿の原型という説があります。

 

鳳輦
 

このように神輿の起源は諸説ありますが、平安時代(794年~1185年)になると御霊信仰(ごりょうしんこう・非業の死を遂げた人間の怨霊が天災や疫病を発生させると考え、それを祀ることで鎮めるための信仰)が盛んになり、怨霊をなだめ祀るために京都や奈良、大阪などで神輿が作られるようになり日本各地へ広まりました。

 

神輿は鳳輦をもとにして、鳥居などいろいろな装飾がされ、小さな神社のようになっていきました。

室町時代(1336年~1573年)になると、今に伝わる村社会の掟や習慣が出来上がり、村人が団結して村の自治を行うようになり、村祭りなどで神輿を担ぐようになりました。

 

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神輿を担ぐ意味とは?

神輿を担ぐ
 

神輿を担ぐ意味や理由はさまざまですが、一般的には、神様がお祭りのときに神社から出て、偉大な力を振りまき、災厄や穢れを清めるためといわれています。

神輿を激しく動かすのは、神の霊威を高め、豊作や大漁を願う意味があるそうです。

ほかにも、神輿をぶつけたり、激しく揺さぶるのは、偉大な力を散布し、神様の力をたくさんいただけるようにという意味もあります。

また、神輿や担ぎ手に水を掛けるのは、清めの水の意味があるそうです。

 

神輿や担ぎ手に水をかける
 

人より高い位置で、肩に担がれるのは、神様を敬愛する気持ちの表れとされ、御旅所などでの休憩時も神輿は地面には下さず、台の上に置かれています。



御旅所での休憩

御旅所での休憩


ワッショイやエッサ、ソイヤの由来

お神輿を担ぐ時、

「わっしょい!わっしょい」

「エッサ!エッサ!

「セイヤ!ソイヤ!」

というかけ声をよく耳にします。

 

それぞれどんな由来があるのでしょうか?


わっしょい!の由来

「わっしょい」の語源は、

「和を背負う(わをせおう)」

「和一処(わいっしょ)」

「和と一緒」

「和一緒意」

などが由来という説があります。

 

和とは日本のことで、昔の日本を和(のちの大和)と呼んだ時の名残りだと考えられており、日本(和)の団結を象徴した掛け声といわれていますが、定かではありません。

ほかに、ヘブライ語の「主の救いが来る」を意味する「ワッ・ショ・ヨーイ」が語源だという説もありますが、信憑性に欠け、こじつけではないかといわれています。

 

エッサ!

古代ヘブライ語の「運ぶ」を意味する言葉が「エッサ」が由来という説があります。

 

ほかに、物を運ぶときにお互いがタイミングを合わせるための「えっさ、ほいさ」という掛け声が由来という説もあります。

「えっさ、ほいさ」もヘブライ語の「エンシャラ、ホイサ」が由来といわれており、エンシャラは「神の御心により」、ホイサは「前に進め」という意味があるそうです。

 

ソイヤ!、セイヤ!、オイサ!など

「ソイヤ」は漢字で「素意成」と書き、「素直な心を持って成りとする。」という意味があるといわれています。

また「それ行けや!」という掛け声が転じ「ソイヤ」となったともいわれています。

他にもアイヌ語が由来で「ソイヤ」には「揺する(ゆする)」という意味があるといわれています。

 

「セイヤ」や「オイサ」は、「ソイヤ」が変化したもの考えられています。

 

よいやさ!

「よいやさ」の語源は「弥栄(いやさか、やさかえ、やさか)」という言葉で、「いっそう栄える」という意味があるそうです。

 

神輿
 

ワッショイやエッサ、ソイヤ、いろいろと紹介しましたが、これらの掛け声の由来は学問的に明確な裏付けがあるわけではなく、あくまで一つの説として語り継がれているものです。

また、掛け声には特に意味はなく、担ぎ手たちのタイミングを合わせるたり、太鼓などと調子をあわせるための掛け声という説もあります。

 

神輿を担ぐ子どもたち
 

神輿が神様の乗り物だということがわかりましたね。

昔は神輿を担ぐのは氏子の役目でしたが、担ぎ手不足や町おこしなどを理由に、氏子以外が担ぐことも認める地域が増えているそうです。

もしもお住いの地域でお祭りがあるときには、担ぎ手として参加するのもいいかもしれませんね。

その時は、周りの人と掛け声を合わせて気分を盛り上げて行きましょう!

 

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