「宮島/厳島」は、広島県の有名な観光地です。
日本三景の一つであり、1996年に厳島神社がユネスコの世界文化遺産に登録されたことから、国内外から多くの観光客が訪れています。
海に浮かぶ厳島神社の大きな赤い鳥居は、広島県を訪れたことがない人でも、テレビや雑誌、ポスターなどで一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?
ところで「宮島」と「厳島」、2通りの呼び方がありますがその違いをご存知しょうか?
今回は「宮島」と「厳島」の違いや、厳島神社が海に建てられた理由などについて解説します。
宮島と厳島の違いとは?
宮島の読み方は「みやじま」、厳島の読み方は「いつくしま」です。
「厳島」とは、広島県廿日市市(はつかいちし)宮島町にある島のことで、瀬戸内海西部、広島湾の北西部に位置しています。
「宮島」とは、「厳島」の通称です。
厳島が「お宮(厳島神社)のある島」であることから江戸時代に「宮島」と呼ばれるようになりました。
ですので 「宮島」と「厳島」は同じ場所を指します。
ちなみに「厳島」を「いつくしま」と読むのは、厳島神社のご祭神(ごさいじん・祀られている神様)である市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)の「いちきしま」が「いつくしま」に転じたためといわれています。
他にも、厳島は古代から島そのものが神として信仰されており、「神に斎く(いつく・仕えるという意味)島」が由来という説もあるそうです。
「宮島」と「厳島」どっちが正しいの?
「宮島」も「厳島」も同じ場所ですが、 正式な呼び方は国土地理院が定める「厳島」で、「宮島」は通称です。
「宮島」と「厳島」の使い分けには明確な決まりはなく、漢字が簡単なことや読みやすいことなどから「宮島」が使われることが多いようです。
また、一般的に、 行政文書や学術的な文献の場合は「厳島」、観光地として観光PRなどに使う場合は「宮島」が使われるようです。
このように、どちらが正しいということはなく目的や用途によって使い分けられています。
厳島神社が海に建てられたのはなぜ?
厳島神社は飛鳥時代(592年~710年)の593年に創建され、1400年以上の歴史ある神社です。
昔から厳島は「島そのものが神(島全土が神)」として信仰されていたため、島の木を切ったり、土を削ったりすることは神を傷つけることになると考えられていました。
そのため、 島の土地を傷つけることなく厳島神社の社殿や鳥居を建てるにはどうしたらいいか?と考えた結果、海に建てることになったそうです。
現在も、島そのものが神という考えは残っており、「死」を穢れ(けがれ・忌まわしく不浄な状態)とし、島には墓地や墓を作ることが出来ません。
そのため、厳島の住民たちは島の外に墓を作ります。
「宮島」も「厳島」も、同じ場所を指していたのですね。
どちらを使っても問題はないのですが、多くの人が「宮島」と呼んでおり、「安芸の宮島(あきのみやじま)」という呼び方で有名な観光地となっています。
宮島は、宮城県の「松島」、京都府の「天橋立」と並び「日本三景」のひとつでもあります。
とても素晴らしい場所ですので、ぜひ訪れてみてくださいね!
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