「大祓」という行事があるのをご存知ですか?または「茅の輪くぐり」という言葉を聞くとピンとくる方もいらっしゃるかもしれません。大祓とはどんな行事なのか、その時期や茅の輪くぐりについて調べてみました。茅の輪くぐりの作法ややり方も紹介します。

6月 神道

2021年の「大祓」はいつ?意味と由来「茅の輪くぐり」の作法やくぐり方とは?

みなさんは「大祓」という行事があるのをご存知ですか?

「大祓」ではなく、「茅の輪くぐり」という言葉を聞くとピンとくる方もいらっしゃるかもしれません。

今回は、大祓とはどんな行事なのか、またその時期や茅の輪くぐりについて調べてみました。

茅の輪くぐりの作法ややり方も紹介しますね。

 


大祓の意味と由来とは?

「大祓」の読み方は「おおはらえ」または「おおはらい」です。

 

大祓は、神道の儀式です。

大祓は、人が知らず知らずのうちに犯した諸々の罪や過ち、心身の穢れ(けがれ)を祓い清めるものです。

大祓の「大」は「公」という意味があり、個人だけのものではなく、日本国中の穢れを祓うという意味があります。

 

「大祓」の時期は毎年2回あり、それぞれ「夏越の大祓(なごしのおおはらえ)」と「年越の大祓(としこしおおはらえ)」といいます。

 

「大祓」は日本神話の伊邪那岐(いざなぎ)の禊祓い(みそぎはらい・人々の罪や穢れを祓い清める神事)を起源としており、西暦701年の大宝律令(たいほうりつりょう)によって正式な宮中の年中行事に定められ、神社の年中行事のひとつとなり、現在も多くの神社で行われています。

日本神話の禊祓いとは、次のようなエピソードです。

 


 

伊邪那岐(いざなぎ)と伊邪那美(いざなみ)の夫婦は、日本の国土や多くの神を産みますが、妻である伊邪那美は火の神を産んだときの傷がもとで亡くなってしまい、黄泉の国(よみのくに・死後の世界、あの世と考えられています)へ行ってしまいました。

そのことを悲しんだ伊邪那岐は、伊邪那美を黄泉の国へ迎えに行きました。

伊邪那美は「私はもう黄泉の国の住民になってしまいました。しかしあなたと一緒に元の世界へ戻りたいので、黄泉の国の神々に相談します。相談している間、こちらを見てはいけません」と言いますが、伊邪那岐は待ちきれなくなり、こっそり伊邪那美命の姿を見てしまいます。


 

伊邪那美は亡くなったあと醜い姿になってしまっており、それを見た伊邪那伎は元の世界に逃げ帰ってしまいました。

黄泉の国からひとりで戻った伊邪那岐は、川の水で穢れを祓いました。

この時、伊邪那岐が体を川の水で洗った時に多くの神が生まれました。

たとえば、左目を水で洗った時に生まれたのが「天照大御神(あまてらすおおみかみ)」、右目を洗った時に生まれたのが月の神である「月読命(つくよみのみこと)」で、鼻を洗ったときに生まれたのが「須佐之男命(すさのおのみこと)」の三貴子(三貴神)だといわれています。

 

茅の輪くぐりの意味と由来とは?

「茅の輪くぐり」の読み方は「ちのわくぐり」です。

茅の輪をくぐりとは、茅(かや)で作られた大きな輪をくぐることによって、心身を清め、無病息災を祈る神事のことです。

 


 

茅の輪をくぐる理由は、日本神話に由来しています。

 

須佐之男命(すさのおのみこと)が旅の途中に、蘇民将来(そみんしょうらい)と巨旦将来(こたんしょうらい)という兄弟に宿を求めました。

 


 

弟の巨旦将来は生活が豊かだったのにもかかわらず断りましたが、兄の蘇民将来は貧しいながらも須佐之男命を手厚くもてなしました。

それから数年後、再び蘇民将来の家を訪れた須佐之男命は「もしも病が流行った時には、茅で輪を作り、腰につけて難を逃れよ」と教えました。

その後、病が流行った時に教えを守ったことで蘇民将来は厄を除け難を逃れたといわれています。

 


 

そして、人々は厄除けのために茅の輪を腰に下げるようになりましたが、江戸時代(1603年~1868年)の初期ごろに現在のような大きな輪になり、そこをくぐることで無病息災を願い、穢れを祓うという神事になったのです。

 


「大祓」と「茅の輪くぐり」

古来より日本では6月は夏の暑さがはじまり、心身が疲れたり、気力が衰えるなどし、病気の流行期と考えられています。

厄払いの「夏越の大祓」と、これからくる夏に病気などをせずに乗り越えられるようにという無病息災を願う「茅の輪くぐり」が結びつき、一緒に執り行われるようになったと考えられています。

 

2021年の「大祓」と「茅の輪くぐり」の時期はいつ?

先述したとおり、「大祓」の時期は毎年2回あり、それぞれ「夏越の大祓(なごしのおおはらえ)」と「年越の大祓(としこしおおはらえ)」といいます。

毎年6月30日に「夏越の大祓」、毎年12月31日に「年越の大祓」が執り行われます。

 

よって、2021年は以下のとおりです。

「夏越の大祓」は6月30日(水)

「年越の大祓」は12月31日(金)

 

大祓は6月30日と12月31日だけですが、茅の輪くぐりは大祓の二週間ほど前から設置している神社や、当日から一ヶ月間設置する神社などいろいろあります。

大祓の日はどうしても行けない・・・という方は近所の神社がいつから茅の輪を設置しているか調べるといいでしょう。

 

「夏越の大祓」とは?

「夏越の大祓」の読み方は「なごしのおおはらえ」で、「水無月大祓(みなづきおおはらえ)」とも言います。

水無月(みなづき)とは6月の別名です。

 

関連:水無月って何月?意味と由来、読み方と語源とは?別名は何?

 

「夏越の大祓」は、「大祓詞(おおはらえのことば)」という祝詞(のりと)唱え、罪や穢れを祓い、年越の大祓までの半年を新たな気持ちで過ごせるように祈る神事です。

 

「祝詞(のりと)」とは、お祭りや神事のときに神様に唱える言葉で、多くの種類があり、神事の内容などによって様々です。

「祝詞」を唱えることで無病息災や家内安全など、神のご加護やご利益があるとされています。

 

「大祓詞」とは、大祓のために集まった人々に聞かせる祝詞のことです。

一般的に神職が唱えますが、神社によっては神職と参列者が一緒に唱えることもあります。

もともと「大祓詞」は大祓でしか唱えないものでしたが、唱えることで心身の穢れを祓い清める効果があるので、大祓以外でも唱えても良いとされ、毎朝神職が神前で唱える神社や、神道の一般の方が自宅で唱えることもあります。

 

「大祓詞」につきましては、以下のリンク先を御覧ください。全文のPDFもダウンロードできます。

関連:大祓詞(おおはらえのことば)全文と現代語訳【PDFダウンロード】

 

人形(ひとがた)

「夏越の大祓」では、大祓詞を唱えたあとに人形(ひとがた)といって、紙を人の形に切り抜いた物に自分の穢れを移し、茅の輪をくぐり、心身を清め奉納します。

人形は撫物(なでもの)ともいい、名前と年齢を書いて、身体を撫で、息を三回吹きかけることで自分自身の穢れを移します。

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車の形をした車形というものもあります。

車の場合、車形には車のナンバーと、主に運転する人の名前を書き、車のエンジン部分や車の四隅、キズ、へこんだ場所などを撫でて車の穢れを車形に移し、奉納します。

 

水無月(みなづき)

京都では夏越の大祓に「水無月(みなづき)」という和菓子を食べる習慣があります。

 

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水無月は白の外郎(ういろう)に小豆(あずき)を乗せた三角形の和菓子です。

小豆には悪魔祓いの意味があり、三角形は暑さを払う氷を表現しているといわれています。

 

「年越の大祓」とは?

「年越の大祓」は夏越の大祓と同じことが行われますが、新しい年が良き年であることを祈る神事です。

茅の輪くぐりは、多くの神社では夏越の大祓でのみ行いますが、年越の大祓でも行う神社があります。

 

 


茅の輪くぐりの作法やくぐり方

茅の輪くぐりは祝詞を唱えながら以下のようにくぐります。(祝詞は後ほど紹介します。)

 

1.茅の輪の正面でお辞儀します。

2.茅の輪を左足でまたいでくぐり、輪っかの左側(①)を通って正面に戻ってきます。

3.お辞儀をして、茅の輪を右足でまたいでくぐり、輪っかの右側(②)を通って正面に戻ってきます。

4.お辞儀をして、茅の輪を左足でまたいでくぐり、輪っかの左側(③)を通って正面に戻ってきます。

5.お辞儀をして、茅の輪を左足でまたいでくぐり、そのまま真っ直ぐご神前に進んでお参りします。

 

このように、茅の輪は通常3回くぐりますが、地域や神社によって2回しかくぐらない場合や、混雑している時は1回だけくぐるよう案内をされることもあります。神社でくぐり方の説明や指示がある場合は従ってください。

 

茅の輪くぐりをするときの祝詞

代表的な祝詞は以下のとおりです。

茅の輪は通常3回くぐりますが、1回くぐるごとにこれらの祝詞のどれかを一度唱え、三回繰り返します。

 

代表的な祝詞①

「祓へ給へ 清め給へ 守り給へ 幸へ給へ」

(はらいたまえ きよめたまえ まもりたまえ さきはえたまえ)

 

代表的な祝詞②

「水無月の夏越祓するひとは、千歳の命延ぶというなり」

(みなづきの なつごしはらえ するひとは ちとせのいのち のぶというなり)

 

代表的な祝詞③

「蘇民将来 蘇民将来」

(そみんしょうらい そみんしょうらい) 

などがあり、神社によって異なります。

 

また、以下のようにくぐるたびに祝詞が異なる場合があります。


くぐるたびに祝詞が異なる場合①

1回目:

「水無月の 夏越の祓 するひとは 千歳の命 延ぶというなり

(みなづきの なつごしはらえ するひとは ちとせのいのち のぶというなり)

 
2回目:

「思ふ事 皆つきねとて 麻の葉を きりにきりても 祓へつるかな

(おもうこと みなつきねとて あさのはを きりにきりても はらいつるかな)

 
3回目:

「蘇民将来 蘇民将来

(そみんしょうらい そみんしょうらい)

 

くぐるたびに祝詞が異なる場合②

1回目:

「水無月の 夏越の祓 するひとは 千歳の命 延ぶというなり

(みなづきの なつごしはらえ するひとは ちとせのいのち のぶというなり)

 
2回目:

「思ふ事 皆つきねとて 麻の葉を きりにきりても 祓へつるかな

(おもうこと みなつきねとて あさのはを きりにきりても はらいつるかな)

 
3回目:

「宮川の 清き流れに 禊せば 折れることの 叶わぬはなし

(みやかわの きよきながれに みそぎせば いのれることの かなわぬはなし)

 

色々なやり方があるため戸惑ってしまいますよね。

多くの神社ではどのように祝詞を唱え、茅の輪をくぐるか看板などに案内していたり、神職の方が教えてくださるので安心してください。

 

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茅の輪くぐりは、ニュースなどでも見たことがある方も多いかもしれません。

茅の輪をくぐることで、穢れを祓い身を清める意味があったのですね。

大祓は6月30日と12月31日だけですが、茅の輪くぐりは大祓の二週間ほど前から設置している神社もあり、大祓の日はどうしても行けない・・・という方は近所の神社がいつから茅の輪を設置しているか調べるといいかもしれませんね。

 

関連:「神社」と「お寺」の参拝方法の違いとは?はしごするのは良くない?

関連:大祓詞(おおはらえのことば)全文と現代語訳【PDFダウンロード】

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