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「逆さごと」の意味とは?どんな種類があるの?

      2019/10/06

「逆さごと」という言葉を見聞きしたことはありますか?

お葬式の場面ではいくつかの「逆さごと」を見たことがあるかもしれません。

を普段の生活の中で「逆さごと」をすると「縁起が悪い」と叱られることもあるのですが、どんなものがあるのでしょうか?

今回は「逆さごと」について調べてみました。

 


逆さごとの意味とは?

「逆さごと」とは、あの世(死者の世界)とこの世(私たちが暮らす世界)を区別するため、死という非日常と日常を区別するためにお葬式の中で行われる習慣で、普段の生活の中で行うことを逆の方法ですることです。

 

例えば、普段は着物や浴衣を着る時には右前にしますが、亡くなった人に死装束を着せる時は普段とは逆の左前にします。

右前とは、浴衣を着る時に、着る人から見て右側の襟が下になるように着ることをいい、左側が上になります。左前は、右前の逆になります。

 

あの世はこの世とは真逆になっているという考え方があり、故人があの世に行っても困らないように「逆さごと」という習慣が始まったといわれています。

 

お通夜が夜に行われるのは、あの世とこの世は昼夜が逆転しており、あの世が明るい時に故人を送り出したいという考えがあったことが由来ともいわれています。

 

仏教では、人は亡くなるとあの世で7日ごとに裁判を受け、生前の罪を裁かれるといわれています。

あの世はこの世とは真逆なので、裁判までの間や次の裁判所への道中で困らないようにと「逆さごと」をするのです。

 

あの世では49日目(四十九日法要)の裁判で、「天道」「人間道」「修羅道」「畜生道」「餓鬼道」「地獄道」という6つの苦しみと迷いの世界、「六道」のいずれに行くのかが決まります。

そして、六道から離れることができると、極楽浄土へ行くことができると考えられています。

 

仏教の中で浄土真宗では、人は亡くなると同時に極楽浄土へ行けると考えられているため、「逆さごと」はしません。

 


どんな種類があるの?

「逆さごと」は宗教的な作法ではなく、古くから日本に根付いていた習慣なので、地域によって違いがあります。

ここでは、一般的な「逆さごと」の種類をご紹介します。

 

●逆さ着物

故人に着せる白い着物を「死装束」といいます。

着物は普段は右前で着ますが、故人に着せる死装束は左前です。

最近は白い着物ではなく、故人が好きだった服を着せることもあり、洋服の場合は左前を気にせず普段通りに着せます。

 

 

●紐の結び方

普段は紐を結ぶときは蝶結びですが、死装束の紐を結ぶ際は縦結びにします。

 

 

●逆さ着物

故人が好きだった着物を死装束の上にかぶせることがあります。

その際、着物の襟もとを故人の足の方へ、着物の裾を故人の頭の方へ向けてかぶせます。

 

 

●足袋

足袋を故人に履かせる際、左右逆にします。

 

 

●逆さ屏風

故人の枕元に飾る屏風は、絵柄が上下逆になるように飾ります。

 

 

●逆さ布団

故人を布団に安置する際、布団の襟に当たる部分を故人の足の方へ、布団の裾を故人の頭の方へ向けてかぶせます。

 

 

●北枕

普段の生活で北枕にするのは縁起が悪いとして避ける人が多いですが、「北枕」は仏陀(ぶっだ・仏教の開祖)が亡くなった時、頭を北の方角へ向けていたことが由来といわれており、仏陀のおられる極楽浄土へ行けるようにと願い、故人の頭が北向きになるよう寝かせます。

 

 

●逆さ水

普段は、お湯の温度を調整する際には、お湯に水を注ぎますよね。

逆さ水はその逆で、水にお湯を注いで温度を調整し、湯灌(ゆかん・故人の体を洗うこと)に使います。

「逆さごと」がどういうものかわかりましたか?

ほとんどは普段の生活ですることはありませんが、浴衣を着る時期になると左前にしている人を時々見かけてしまい、こっそり「逆だよ!」と教えたくなりますよね。

「逆さごと」は地域によって違う部分もありますし、ここではご紹介していないものもあると思います。

「お葬式ではこうしなければならない」と決められているものでもありませんので、お世話になっているお寺のお坊様や、葬儀スタッフなどと相談しながら進めると良いですね。

 



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