「見ざる聞かざる言わざる」ということわざを一度は聞いたことがありますよね。
三匹の猿が、それぞれ目、耳、口を両手でふさいでいる彫刻や置物は有名です。
「見ざる聞かざる言わざる」三匹の猿のことを三猿いいますが、意味をご存じでないという方も多いのではないかと思います。
今回は、三猿の意味とその由来についてわかりやすく解説します。
本当は四猿だったという話もあるみたいですよ。
三猿の意味と由来とは?
三猿は「さんざる」「さんえん」と読みます。
「見ざる言わざる聞かざる」という順番のとおり、日光東照宮の三猿も右から「見ざる言わざる聞かざる」の順番で並んでいます(上の画像参照)。
このことわざの意味は、
「自分に都合の悪いこと、人の欠点や過ちなどは、見ない、聞かない、言わないのが良い」
ということです。
アメリカやヨーロッパ、アジア、アフリカなど、世界各地に三猿に似た表現があり、その起源はまだ解明されていないそうです。
日本には、8世紀ごろ、それらがシルクロードを経由して中国から伝わってきたと考えられています。
因みに英語で三猿は
「Three wise monkeys(三匹の賢い猿)」
といい、
「見ざる、聞かざる、言わざる」は、
「see no evil, hear no evil, speak no evil」
と表現されます。
「見ざる聞かざる言わざる」という言葉は、孔子(こうし・中国の思想家・紀元前552年~479年)の論語が由来という説もあります。
孔子は、
「礼節にそむくことに注目してはいけない。」
「礼節にそむくことに耳を傾けてはいけない。」
「礼節にそむくことを言ってはいけない。」
「礼節にそむくことを行ってはいけない。」
と、四つの戒めを言っています。
この戒めを人々にわかりやすく伝えるために、猿を使って表現したと考えられています。
本当は四猿だった?
四猿は「しざる」と読みます。
孔子の四つの戒めは「見るな、聞くな、言うな、するな」ということですが、「見るな、聞くな、言うな」が「見ざる聞かざる言わざる」になります。
では「するな」とは・・・?
四猿を彫刻などで作ったものは、以下のような姿になっています。
見るな=目を両手でふさぐ猿
聞くな=耳を両手でふさぐ猿
言うな=口を両手でふさぐ猿
するな=股間を両手でふさぐ猿
「するな」は、股間を両手でふさいでいるので、性的なことに関する戒めといわれています。
「するな」=「しざる」もしくは「せざる」ということで、「見ざる聞かざる言わざるしざる(せざる)」で四猿となります。
日本では三猿が広く知られていますが、
「四猿」を「しざる」と読むことで「死」を連想させるから三猿になったとか、
性的な表現は良くないということで三猿にしたとか、
その理由は定かではないそうです。
三猿はことわざとしても広く知られていますし、「猿(さる)」を「~ざる」にひっかけているので日本発祥のものかと思っていましたが、同じようなものが世界各地にあったのには驚きでしたね。
日本で有名な三猿は、栃木県にある日光東照宮のものですが、日本各地、色々なところで見ることが出来ます。
埼玉県の秩父神社には「お元気三猿」といって「よく見て・よく聞いて・よく話す」という日光とはまったく逆のユニークな猿の彫り物を見ることが出来るそうです。
こちらも一度訪れてみると面白いかもしれませんね。
関連:論語とは?簡単にわかりやすく解説します!論語の名言一覧
関連:神社の狛犬と獅子は左右どっち?違いとは?阿吽の呼吸の由来と意味
関連:【動物のことわざ100選】動物が出てくる有名なことわざと意味一覧
コメント
コメント一覧 (4件)
四つめがあることを知ることができありがたいです。
孔子は日本の四国に来ている。イエス・キリストも来ていたらしい。
もっと昔にモーゼも。
猿=申=モウセがモーゼに変化?
「見ざる聞かざる言わざる」を教わったはず。
三体の像がある四国の秘密。
4猿=四国? するなで股間を塞ぐの謎。
邪馬台国と卑弥呼本当の読み方はやまとこく、ひびやと読む
4つめの猿のお話、知りませんでした!
興味深いですね。
ありがとうございました!
コメントありがとうございます!
お役に立てましたら幸いです。