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「僧侶」「住職」「和尚」「お坊さん」の意味と違いとは?

      2019/03/23

「僧侶」「住職」「和尚」「お坊さん」といろいろな呼び方がありますが、その違いをご存知ですか?

どの呼び方も、お寺で修行やお勤めをしたり、お葬式などで読経をしているイメージがあるのですが、それぞれの呼び方にはどのような違いがあるのでしょうか?

今回は「僧侶」「住職」「和尚」「お坊さん」の違いについて調べてみました。


「僧侶」の意味とは?

読み方は「そうりょ」です。

僧侶とは、「出家(しゅっけ)」して仏教の戒律を守り修行をしている人のことで、仏教の教えを守るために出家した人は、すべて僧侶といえます。

出家とは、家庭での日常生活が修行の妨げになると考え、家庭での生活を捨て、修行に適した環境に入って修行に没頭することです。

厳密に「出家」とは修行に専念するために一般的な生活をすべて切り離すことですが、僧侶でも結婚をし家庭を持つことが許されていますので、結婚後は自宅を構え、お寺へ通う人もいます。

出家の対義語は「在家(ざいけ)」で、会社などで働き、家庭での一般的な生活を営みながら修行をする人のことで、「居士(きょし)」「在家僧侶(ざいけそうりょ)」ともいいます。

 

仏教の戒律は宗派によって異なりますが、基本的なものに「五戒(ごかい)」があります。

五戒とは誰かに強制されるものではなく、出家した僧侶だけではなく、在家の信者たちも日々、自分の意思で守っていくことといわれています。

●不殺生界(ふせっしょうかい)、人に限らず命あるものをみだりに殺してはならない

●不偸盗戒(ふちゅうとうかい)、盗みをしてはならない

●不邪淫戒(ふじゃいんかい)、淫らなこと、不倫や浮気などをしてはならない

●不妄語戒(ふもうごかい)、嘘をついてはならない

●不飲酒戒(ふいんしゅかい)、飲酒をしてはならない

 

五戒に更に5つ加えた「十戒(じっかい)」というものがあり、以下の五つとともに十戒は出家した僧侶は必ず守らなければならないとされています。

●香油塗身戒(こうゆずしんかい)、化粧や香水などで身を飾り立ててはならない

●歌舞観聴戒(かぶかんちょうかい)、音楽や芸能など、娯楽をしてはならない

●高広大床戒(こうこうだいじょうかい)、快適な場所で生活してはならない

●不促金持戒(ふそくきんもつかい)、お金に関わってはならない

●非時食戒(ひじしきかい)、食事は決められた時間以外にしてはならない

 

「住職」の意味とは?

読み方は「じゅうしょく」です。

住持職(じゅうじしょく)の略で、お寺に住み込んでお寺を守る僧侶のことで、お寺の運営や管理なども行います。

住職はひとつのお寺にひとりだけで、お寺の代表者が「住職」と呼ばれ、住職の次に地位のある僧侶を「副住職」と呼びます。

 

「和尚」の意味とは?

読み方は宗派によって異なり、浄土宗などは「和尚(おしょう)」、真言宗などは「和尚(わじょう)」、華厳宗などは「和尚(かしょう)」です。

また、浄土真宗などは「和尚」ではなく「和上(わじょう)」となります。

和尚とは、宗教上の位のことで、師匠や先生という意味で、人々に教えを説く僧侶のことです。

一般的に、お寺で最も地位が高い僧侶が和尚なので、「住職」と同じ意味になりますが、お寺によっては、和尚が住み込みでない場合があるので、その時は、住み込みの僧侶の中で最も地位が高い人が「住職」になることもあるようです。

 

「お坊さん」の意味とは?

読み方は「おぼうさん」です。

お坊さんは僧侶全般を指し、親しみを込めた呼び方です。

 


「僧侶」「住職」「和尚」「お坊さん」の違いとは?

この中で、職業を表すのは「住職」だけです。

僧侶」「和尚」「お坊さん」は、仏教上の地位などを考慮した呼び方であり、職業ではありません。

 

「僧侶」とは、出家して仏教の修行をしている人全般を指しますので、「住職」と「和尚」は「僧侶」でもあるわけですね。

そして、「僧侶」のことを親しみを込めて「お坊さん」と呼ぶのです。

そのため「僧侶」と「お坊さん」は同じと考えて良いでしょう。

 

「住職」は、お寺の代表者であり、そのお寺にはひとりしかいませんから、一般企業でいう「社長」のような役職の僧侶のことです。

 

「和尚」は、一般的には「住職」と同じと考えて良いのですが、住み込みでない場合は別に住職がいることもあります。

「和尚」は宗派によって呼び方が異なりますので、ご自身の宗派ではどう呼ぶのか確認しておくと良いですね。

また、「和尚」と「住職」は同じ人を指していますが、一般的には「住職」や「ご住職」と呼ぶようです。

 


 

呼び方がいろいろあって、複数の僧侶がいるお寺では特に迷ってしまうこともあるかもしれません。

「この人が一番地位が高そうだ」と思い込んで「ご住職!」と呼びかけたのに、間違えてしまっては失礼ですよね。

そのような時は素直に「どのようにお呼びしたらよろしいですか?」と尋ねてみましょう。

日々修行をなさっている僧侶たちは、そんなことで怒ったり困ったりしませんので、優しく教えてくださいますよ。

 



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