毎日頑張って働いている人の中には、夏や冬のボーナスを楽しみにしている人は少なくないと思います。
ボーナスと似ているもので「寸志」というものがあります。
寸志とボーナス、どちらもお金を貰うことには代わりありませんが、どのような違いがあるのでしょうか?
また、金額(相場)はいくらぐらいなのでしょうか?
寸志とは?
「寸志」の読み方は「すんし」です。
「寸志」の「寸」は、昔の日本で用いられていた長さの単位で、「一寸=約3㎝」です。
これが転じて「寸」は「ほんの少し」や「わずかな」という意味で用いられるようになりました。
「一寸先は闇(人生はほんの少し先のことさえ予測できない)」ということわざや、「一寸(ちょっと)待って!」などと使いますよね。
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また、「寸志」の「志」は人の気持ちという意味です。
つまり、 「寸志」は、ちょっとしたお礼や厚意、少しばかりの感謝のしるしという意味になります。
別の言い方で「心付け(こころづけ)」ということもあります。
多くの場合、現金を封筒に入れて渡しますが、品物を「寸志」として渡すこともあります。
「寸志」はお礼の気持ちですから、お返しは不要です。
寸志とボーナスの違いとは?
会社から社員に渡す「寸志」と「ボーナス」は以下のような違いがあります。
金額が違う
ボーナスは、給料何カ月分というのが決まっています。
年間のボーナスの相場は中小企業なら給与の2~3カ月分、大手企業の場合は給与の4~5カ月分程度です。
寸志は、ボーナスよりも少ないです。
臨時で渡すことがある
ボーナスは、一般的に夏と冬に渡します。
寸志は、ボーナスの時期だけではなく、会社の業績が良かった時や、親睦会や歓送迎会などで渡したりすることがあります。
ボーナスの代わりに
ボーナスの代わりに渡すことがあります。
特に、新卒の初めてのボーナス月には「寸志」を渡すことが多いようです。
また、業績が悪化するなどボーナスを出すことができない場合、ボーナスの代わりに寸志を渡すこともあります。
ボーナス以外に寸志を渡す場面
ボーナス以外に「寸志」を渡す場面は以下のとおりです。
結婚式
披露宴を手伝ってくれた人(スタッフや友人など)に渡します。
遠方から参列してくれた人や主賓に「御車代」として寸志を渡します。
葬儀
葬儀を手伝ってくれた人(スタッフや友人など)に渡します。
ご遺体を扱ってくれたことに対するお礼として、霊柩車の運転手や、火葬場スタッフなどに渡します。
※結婚式や葬儀の場合、スタッフは金品を受け取ることを禁止されている場合があります。
そのような場合に無理やり渡すと、受け取った人が処分を受ける可能性もありますので気をつけましょう。
ビジネスシーン
親睦会や歓送迎会など、仕事関係の会合で幹事をした人に対して、上司が渡します。
他にも入社、退社、異動などで歓送迎会を開いてもらった人が、参加してくれた人に渡します。
※必ずこれらの場面で「寸志」を渡さなければならないわけではありません。
会社や親族、地域の慣習などもありますので事前に周囲の人に確認しておきましょう。
寸志の金額はどれくらい?
ここで紹介する金額はあくまで「相場」です。
会社や親族、地域の慣習などもありますので事前に周囲の人に確認しておきましょう。
ボーナスのかわりに
給与やボーナスよりも少額ですが、会社によって異なり、特に相場はありません。
ボーナスとして「寸志」として渡された場合は、給与所得として扱われますので、所得税の対象となります。
「お礼として渡す寸志」は、給与所得とはならないので税金の対象外です。
結婚式の場合
相場は3,000円~10,000円です。
10,000円の場合は水引きやのしが印刷された略式の御祝儀袋を用いますが、それ以下の場合は御祝儀袋より一回り小さいポチ袋を用いるのが一般的です。
結婚式は一度切りのお祝い事なので「結び切り」の水引きを選びましょう。
表書きは「お礼」「御車代」「ご祝儀」「寿」などです。
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葬儀の場合
相場は1,000円~5,000円です。
不祝儀袋か、白無地の封筒に「寸志」と表書きをして渡します。
ビジネスシーン
相場は3,000円~10,000円です。
白無地の封筒に「寸志」と表書きをして渡します。
わざわざ封筒を準備せずに、親睦会や歓送迎会などの会費に上乗せして渡すことが多いようです。
寸志とボーナスの違いがわかりましたね。
「寸志」はちょっとしたお礼や厚意、少しばかりの感謝のしるしですが、もらった時に「お礼をされて当たり前」という態度ではいけません。
寸志をもらってお返しは必要ありませんが、「ありがとうございます」という感謝の一言を忘れずに伝えましょうね!
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