昭和20年(1945年)に第二次世界大戦が終結しましたが、日本は国土にも空襲を受け、人類史上初のそして今のところは唯一の原子爆弾の被災国となっています。
被害は甚大で、大きな傷跡を負った日本。
凄惨な状況だった戦争、この悲劇を繰り返さない為にも終戦記念日とはいつなのか、どういうものなのか改めて振り返りたいと思います。
終戦記念日2025年は終戦から何年?
2025年の終戦記念日は8月15日(金)です。
今年、2025年は終戦から80年になります。
「終戦記念日」と「終戦の日」の違いは?
「終戦記念日」のほかに、「終戦の日」という表現もあります。
違いは何なのでしょうか?
実は「終戦記念日」と「終戦の日」は、同じ意味の言葉です。
しかし、メディアによって「終戦記念日」と「終戦の日」を使い分けています。
大手のメディアの場合、
「終戦記念日」と表現しているのは、読売新聞、時事通信、共同通信などです。
「終戦の日」と表現しているのは、NHK、TBS、フジテレビ、テレビ朝日などです。
特に決まりはなくどちらの表現も使っているのは、日本テレビ、朝日新聞、日経新聞などです。
なぜこのように使い分けているのでしょうか?
「終戦記念日」ではなく「終戦の日」と表現するメディアは、「記念日」という呼び方に抵抗を感じる人に配慮するためです。
「記念日」とは、何らかの物事や過去の出来事を記念する日のことで、「記念」は、「忘れずに心にとどめておくこと」という意味があります。
そのため「記念日」は、「結婚記念日」や「創立記念日」などの喜ばしい出来事やおめでたい出来事だけではありません。
「震災記念日」のようにつらい出来事や、悲しい出来事などにも使われるのです。
しかし「記念日」というと良いことに使うイメージが強いため、「終戦記念日」ではなく「終戦の日」という表現にするメディアもあるということです。
ということで、「終戦記念日」と「終戦の日」はどちらも同じ出来事を表し、違いはありません。
ちなみに、震災記念日は、大正12年(1923年)9月1日に発生した関東大震災における遭難死者を追弔し、記念する日です。
また、「震災記念日」と同じ9月1日は「防災の日」でもあります。
「防災の日」は関東大震災にちなみ9月1日に制定された記念日です。
防災の日の詳細は以下をご覧ください。
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終戦記念日 なぜ日本では8月15日?
終戦記念日とは、第二次世界大戦が終結したことを記念する日の事を言います。
日本の終戦記念日は8月15日となっていますが、なぜこの日が終戦記念日となったのでしょうか?
昭和16年(1941年)12月8日、日本は真珠湾攻撃を皮きりに太平洋戦争(大東亜戦争)に突入しました。
その後勢いに乗り太平洋の島々を占拠していった日本ですが、昭和17年(1942年)6月5日に起こったミッドウェーでの海戦を機に戦況は少しずつ悪くなっていきます。
物資も乏しくなり、次第に追い詰められていきます。
東京大空襲や日本全土に空襲を受け、昭和20年(1945年)8月6日にはついに広島に原爆投下、さらに8月9日には長崎に原爆が投下されます。
甚大な被害を受けた日本はついに8月14日にポツダム宣言を受諾しました。
ポツダム宣言とは、ベルリン郊外ポツダムにおいて発表されたアメリカ・イギリス・中華民国からの日本への降伏要求の最終宣言のことです。
そして、8月15日に昭和天皇の肉声による玉音放送にて、日本国民に発表されました。
つまり、8月15日は日本国民に大日本帝国の敗戦が伝えられた日なのです。
その後、昭和57年(1982年)にこの日を「戦没者を追悼し平和を祈念する日」として終戦記念日に定める事が閣議決定されました。
海外の終戦記念日(戦勝記念日)
では、海外でも終戦記念日は8月15日なのでしょうか?
連合国側であるアメリカ、イギリス、フランス、カナダでは大日本帝国政府が公式にポツダム宣言による降伏文書に調印した1945年9月2日を指すことが多く、その日を対日戦勝記念日(VJ Day)と呼んでいます。
また、同じく連合国の中華民国(現台湾)、連合国ではない中華人民共和国では9月3日が対日戦勝記念日とされています。
連合国ではない、朝鮮半島では日本統治から正式に解放された日付は9月2日ですが、VJ Dayにあたる光復節(韓国)と解放記念日(北朝鮮)は8月15日となっています。
少し複雑なのがロシアです。
ソビエト連邦時代は9月3日を対日戦勝記念日としていました。
それは、ソビエト連邦政府が降伏文書調印の翌日に戦勝記念式典を開いたことからこの日を対日戦勝記念日としたためです。
その後、1991年にロシア連邦となっても同じく9月3日としていました。
しかし、2010年7月14日に連邦議会が9月2日を「第二次世界大戦が終結した日」とする法案を可決したことにより、現在では9月2日が事実上の対日戦勝記念日となっています。
戦争の終結と主権回復の日
終戦記念日とは別に戦争が終結したことに関連する日があります。
昭和27年(1952年)4月28日にサンフランシスコ平和条約が発効し、戦後連合国による占領支配下にあった日本が独立国として主権を回復し、日本と多くの連合国との間の戦争状態が終結しました。
また、平成25年(2013年)4月28日には主権回復から60年を記念して「主権回復の日」が第二次安倍内閣によって定められ、日本政府主催での記念式典も行われました。
現在は戦争をすることもなく平和に過ごす事が出来る日本ですが、終戦記念日という日は平和がどれほど大切で尊いものなのか再認識するきっかけになる記念日だと思います。
今を生きる人たちはもちろん未来に生きる子供たちのためにも、戦争のない平和な世界が続くといいですね。
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