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天満宮に牛の像があるのはなぜ?

      2019/10/06

「天満宮」といえば、京都府の北野天満宮、福岡県の太宰府天満宮、山口県の防府天満宮、東京都の湯島天満宮などが有名ですよね。

日本各地に「天満宮」があり、複数の「天満宮」を訪れた人も多いと思いますが、牛の像があるのはなぜか気になりませんでしたか?

今回は、天満宮に牛の像があるのはなぜなのか調べてみました。

 


「天満宮」とは?

「天満宮(てんまんぐう)」とは菅原道真(845年~903年)を御祭神とする神社のことで、「天神社(てんじんしゃ)」とも呼ばれています。

「天満宮」は全国に約12,000社あるとされ、総本社は二つあり、京都府の北野天満宮と福岡県の太宰府天満宮です。

 


 

菅原道真は平安時代(794年~1185年)の貴族で優れた学者でもあり、仕事ができたので異例のスピードで出世していきました。

そのことを良く思わなかった人たちによって京(現在の京都府)から太宰府(現在の福岡県)へ左遷され、903年に亡くなってしまいます。

道真ご遺体は牛が引く車で運ばれ、牛は「安楽寺」で足を止め座り込んだのですが、「人にひかせず牛の行くところにとどめよ」という道真の遺言に従い、そこが墓所となりました。

 

道真が亡くなった後、天変地異が相次ぎ、左遷に関わったと思われる人々が次々に亡くなりました。

それらは左遷されたことを恨んだ道真の祟りだとされ、919年に道真を鎮めるために墓所の上に太宰府天満宮を建立しました。

それでも祟りが鎮まらなかったので、947年に北野天満宮を建立しました。

その後、大災害が起こるたびに道真を信仰する神社が日本各地に建立されたといわれています。

 


 

 

「天満」という名前は、道真の神号(しんごう・神の称号、神格化されてからの呼び名)である「天満大自在天神(てんまんだいじざいてんじん)」から来たといわれています。

「天満大自在天神」は、「道真の怨霊が神となり、それが天に満ちた」ことが由来だそうです。

 

「天満宮」は、最初は道真の祟りを鎮めるために建立されたのですが、道真が優れた学者だったことから、現在は「学問の神様」「受験の神様」として信仰を集めています。

 


天満宮に牛の像があるのはなぜ?

牛は、天満宮の御祭神(ごさいじん・祀られている神様)である菅原道真の使いとされており、天満宮に牛の像がある理由は以下のように諸説あります。

 

●道真が「丑年」に生まれたから

道真は845年に生まれたのですが、この年は「丑年」です。

 

 

●道真が「丑の日」に亡くなったから

道真は903年2月25日に亡くなったのですが、この日は「丑の日」です。

十二支は現在、主に「年」に当てはめられていますが、「日」や「時間」、「方角」などにも当てはめることができます。

 

 

●元服の日の夜に牛の夢を見たから

元服とは、男子が成人したことを社会的に示すための儀式です。

元服の儀式の夜、白い牛が角を痛めて死ぬ悪夢をみた道真は、夢の内容をとても気にして自ら牛を描き、お酒を供えて拝んだそうです。

 

 

●牛が道真に懐いたから

道真が京都の北山できのこ狩りをしていた時、どこからともなく子牛が道真に近寄ってきました。

子牛は道真に頭を垂れ、道真を慕うような仕草をするので、道真はとても喜んで連れ帰り可愛がったそうです。

 

 

●牛が道真を守ったから

左遷され、京から太宰府へ向かう道中で刺客に襲われたとき、どこからかやってきた牛が刺客の腹を角で刺し、道真の命を守りました。

この牛は、実は子牛のころ道真が連れ帰った牛で、京を発つ直前に行方がわからなくなっていたのですが、道真の命を守るためにやってきたのです。

道真はとても喜び、太宰府まで連れて行ったそうです。

 

 

●牛が座り込んだ場所を墓所としたから

道真が太宰府で亡くなった後、その亡骸は牛が引く車に乗せられ運ばれていました。

牛は途中で足を止め、座り込み、まったく動かなくなってしまったため、人々は「道真がここで眠りたいのだろう」と考え、その場所を墓所にしました。

道真は「人にひかせず牛の行くところにとどめよ」という遺言を遺しており、牛が止まった場所が「安楽寺」で、現在の太宰府天満宮です。

 

 

●道真の神号に関係があるから

道真の神号である「天満大自在天神(てんまんだいじざいてんじん)」の「大自在天神」ですが、仏教では牛にまたがっていると考えられています。

「大自在天神」は仏教の「シヴァ神」のことで、シヴァ神は踊りながら世界を破壊し、創造するとされ、破壊の神といわれています。

道真の神号に「大自在天」があるのは、道真の力とシヴァ神の力が習合(神仏の一部が混同または同一視されること)されたものだそうです。

 


 

道真公と牛のエピソードはたくさんあるのですね。

天満宮にある牛の像を撫でることでご利益があると考えられており、「撫で牛」といわれています。

牛の頭を撫でると頭が良くなり、自分の体の悪い部分と同じ場所を撫でると病気が治るそうです。

いつごろからそのようなご利益があるといわれるようになったのか定かではありませんが、受験シーズンになると多くの受験生たちが牛の像の頭を撫でる姿を見ることができます。

 



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