節分の豆まきに登場する鬼や、昔話に登場する鬼を思い浮かべてみると、「虎柄のパンツ」を履いていますよね。
「なぜ虎柄のパンツを履いているんだろう?」と疑問に思ったことはありませんか?
虎そのものも強いイメージがあるので、その虎をパンツにしてしまった鬼はもっと強いことをアピールしているのかな?と子どものころ考えた人もいるかもしれませんね。
今回は、鬼の虎柄のパンツについて調べてみました!
節分とは?
鬼のパンツの説明の前にまず、節分について見ていきましょう。
「節分」とは「季節を分ける」という意味があります。
季節を分ける日は一年間に春夏秋冬の4回あります。
春は「立春(りっしゅん)」、夏は「立夏(りっか)」、秋は「立秋(りっしゅう)」、冬は「立冬(りっとう)」から始まりますが、この、春夏秋冬それぞれが始まる日の前日を「季節を分ける」という意味で「節分」というのです。
節分の豆まきは、もともとは中国から伝わってきた「追儺(ついな)」という風習に由来しており、季節の変わり目には邪気(鬼)が生じると考えられているため、その鬼を追い払う儀式として、文武天皇(もんむてんのう)の時代の慶雲(けいうん)3年(706年)に宮中で初めて行われたそうです。
室町時代(1338年~1573年)ごろには、冬から春になる時期を一年の境目とし「立春」は新年を迎えるのと同じくらい大事な日として特に重要視され、豆をまいて鬼を追い払う行事として庶民にも定着していきました。
鬼はなぜ虎柄のパンツを履いているのか?その理由とは?
中国から伝わった「追儺(ついな)」は、陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)に基づいて行われていました。
陰陽五行説とは、自然界のあらゆるものを「陰と陽」に分け、さらに五行思想の「自然界は木、火、土、金、水の5つの要素から成っている」という考え方が結びついたものです。
陰陽五行説では、鬼が出入りする方角は北東とされ、鬼門(きもん)といいます。
私たちが普段、生まれ年などで使っている「十二支(じゅうにし)」は、方角に当てはめることができ、以下のようになります。

子の方角(北・0度)
丑の方角(北北東微東・30度)
寅の方角(東北東微北・60度)
卯の方角(東・90度)
辰の方角(東南東微南・120度)
巳の方角(南南東微東・150度)
午の方角(南・180度)
未の方角(南南西微西・210度)
申の方角(西南西微南・240度)
酉の方角(西・270度)
戌の方角(西北西微北・300度)
亥の方角(北北西微西・330度)
鬼門である北東は丑と寅の間ということになり、鬼門=北東=丑寅(うしとら)の方角になるのです。
これを「頭が牛(丑)で下が虎(寅)」と考え、鬼の角は牛(丑)の角を表し、虎柄のパンツは虎(寅)を表しているのです。
こういった理由で、鬼は虎のパンツを履いているのですね。
強いイメージのある虎のパンツを履くことで、鬼が「虎よりも強い!」ということをアピールしているわけではなかったのですね。
流行り病や自然災害など、なぜそういうことが起こるのかわからなかった時代には、それらは鬼の仕業だと考え、鬼が出入りする鬼門は忌み嫌われていました。
忌み嫌われる方角を表現するために、鬼は角があり虎柄のパンツを履いているというのは、ちょっとだけかわいそうですね。
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