「年内に会うのは最後かな?」と思う相手には「良いお年を!」と言って別れる人も多いと思うのですが、「良いお年を」には続きがあるのでしょうか?
また、年内に会うのが最後といっても使う時期は決まっているのでしょうか?
今回は「良いお年を」の続きや使う時期についてご紹介します。
「良いお年を」の続きとは?
「良いお年を」の続きは「お迎えください」です。
「良いお年をお迎えください」を略したものが「良いお年を」となります。
「良いお年を」の「お年」は新年のことを意味します。
「今年も大晦日まで無事に過ごし、良い一年を迎えることができますように」という願いが込められており、いつのころからか「良いお年を」に略されたようです。
江戸時代(1603年~1868年)には、日々の買い物や外食はツケがほとんどでした。
ツケとは、商品の購入や、飲食の代金などをその場で支払うのではなく、お店の帳簿に記録をしてもらい、お金が入った時にまとめて支払うことをいいます。
ツケを新年まで持ち越すのではなく、年内に支払って気持ち良く新しい年を迎えたいという思いから、江戸の庶民は「お互いに精一杯頑張って、気持ち良く新年を迎えよう」という意味で「良いお年を」と挨拶していたそうです。
また、「良いお年をお過ごしください」という意味で使う場合もあり、この場合の「お年」は年内のことを指します。
「お正月の準備をする大晦日までとても忙しい日々を過ごすことになるけれど、無事に過ごすことができますように」という願いを込め「良いお年をお過ごしください」と言っていたそうです。
「お過ごしください」は間違いではないのですが、現在はそういう意味で使われることはほとんどなく、 一般的には「お迎えください」が正しいとされています。
「良いお年を」を使う時期はいつから?
「良いお年を」は、年末に使う言葉です。
年末は「年の瀬」や「年の暮れ」と言い換えることもでき、いずれも「いつからいつまで」という具体的な期間は決まっていませんが、12月中旬ごろから12月30日まで使うのが一般的です。
すでに説明したとおり「良いお年を」には「大晦日までを無事に過ごし、良い一年を迎えることができますように」という意味がありますが、大晦日(12月31日)はお正月の準備がすでに整っているとされるため、「良いお年を」を使うのは適していません。
現在は大晦日に大掃除をしたりお正月飾りをするご家庭もありますが、本来は、大晦日にお正月飾りをすることを「一夜飾り」といって、年神様(としがみさま・毎年お正月に各家にやってくる豊作や幸せをもたらす神様)に失礼にあたると考えられていました。
そのため、大晦日の前日(12月30日)には大掃除を終わらせるのが良いとされています。
ということで、
「良いお年を」は12月30日まで、12月31日の大晦日には「来年もよろしくお願いします」と挨拶をします。
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「良いお年を」の使い方は?
同僚や後輩、身内や親しい人には「良いお年を!」と略しても問題ありませんが、目上の人や取引先の相手などには「良いお年をお迎えください」と略さずに言うようにしましょう。
相手から「良いお年を」と言われた場合は、「〇〇さんも、良いお年を!」や「みなさまも、良いお年をお迎えください」のように、「良いお年を」という言葉を繰り返して返事をすると良いでしょう。
より丁寧に返事をする場合は「ありがとうございます。〇〇さまも良いお年をお迎えください」と言うと良いですね。
喪中の場合、お祝いの言葉などは控えるべきですが、「良いお年を」はお祝いの言葉ではないので用いても問題はありません。
しかし、新年をおめでたいものとして迎えるのではなく、ひっそりと心静かに迎えたいと考える人もいるので、相手が喪中の場合は「良いお年を」という挨拶は用いないのが無難です。
「来年もよろしくお願いします」のような挨拶をする方が差しさわりがないでしょう。
「良いお年を」は正式には「良いお年をお迎えください」だったのですね!
使う時期に決まりはありませんが、年末の雰囲気が高まり、大掃除を始めたり、お正月の準備を始めるころから使い始めると良いようですね。
年末には元気に「良いお年を!」と挨拶をして別れて、新しい年には「あけましておめでとう!今年もよろしくね!」と挨拶できるよう、日々頑張りましょうね!
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