「初午」という言葉を聞いたことはありますか?
地域や家庭によっては毎年盛大にお祭りをすることもあるようですが、馴染みのない人にとっては「初午ってなに?」と思ってしまうかもしれません。
「初午」とはどういうもので、2025年はいつなのでしょうか?
また、初午でいなり寿司を食べるのはなぜなのでしょうか?
初午とは?2025年はいつ?
初午の読み方は「はつうま」です。
初午とは、2月最初の午(うま)の日のことをいいます。
「午」は十二支(じゅうにし)の一つです。
十二支はみなさんご存知の通り
子(ね)
丑(うし)
寅(とら)
卯(う)
辰(たつ)
巳(み)
午(うま)
未(ひつじ)
申(さる)
酉(とり)
戌(いぬ)
亥(い)
のことで一年ごとに変わり、十二年で一巡しますよね。
生まれた十二支の年を迎えた男女のことを年男・年女といい、12歳、24歳、36歳と12年ごとに巡ってくることはご存知だと思います。
これは十二支を年に当てはめたものですが、日に当てはめることもあり、昔は日付を表すために十二支を使っていました。
日に当てはめたときは、
1日目が「子」の日
2日目が「丑」の日
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7日目が「午」の日
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12日目が「亥」の日で一巡し、
13日目にはまた「子」の日に戻ります。
このように2月最初の午の日のことを「初午」というのです。
2025年の初午は、2月6日(木)になります。
また、昔は立春(りっしゅん・2月4日頃)が一年の始まりとされており、初午はその年最初の午の日を指していました。
そのころは旧暦なので、現在の新暦(太陽暦)に当てはめると2月下旬から4月上旬ごろに当たり、農作業を始める目安ともなっていたそうです。
そのため、現在でも旧暦で初午のお祭りを行う神社や地域もあります。
その場合、初午は、3月2日(日)になります。
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初午の由来とは?
初午は、奈良時代の和銅4年(711年)に、五穀をつかさどる農業神の宇迦之御魂(うかのみたま)が、京都の伊奈利山(いなりやま・京都市東山連峰)へ降臨された日といわれています。
降臨された日に「初午祭(はつうまさい)」が催され、宇迦之御魂は伏見稲荷大社に祀られるようになりました。
そして、初午のときには「初午詣(はつうまもうで)」をするようになり、農村では「五穀豊穣を願うお祭り」を行い、街中では商家が「商売繁盛を願うお祭り」を行う日になりました。
午の日は十二支に基づいているため、12日に一度は必ず巡ってきます。
そのため、2月中には初午の日の後に2回目、3回目の午の日が巡ってくることもあります。
この場合、2回目の午の日は「二の午」、3回目の午の日は「三の午」と言います。
いなり寿司を食べるのはなぜ?
初午の日に食べるいなり寿司のことを「初午いなり」といいます。
ではなぜ、初午の日にいなり寿司を食べるのでしょうか?
伏見稲荷大社は、稲荷神社の総本社です。
稲荷神社は稲荷神(いなりしん・いなりのかみ)を祀る神社のことをいいます。
稲荷神とは、先ほど紹介した宇迦之御魂のことで、
稲荷大明神(いなりだいみょうじん)
お稲荷様(おいなりさま)
お稲荷さん(おいなりさん)
とも呼ばれます。
また、稲荷神社では狐が神の使いとして祀られています。
古来より日本人は狐を神聖なものとして見てきました。
そして、神の使いである狐の好物が油揚げと考えられているので、油揚げをお供えするのです。
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そこから、油揚げを使った料理を「稲荷」と呼び、油揚げの中に酢飯を入れたものを「いなり寿司」と呼ぶようになり、初午の日にはいなり寿司をいただくようになったといわれています。
また、宇迦之御魂が五穀を司る農業神なので、お供えするいなり寿司は米俵を模しているともいわれています。
初午の日には、日本各地の稲荷神社で油揚げを奉納するそうです。
大きな稲荷神社になるとお祭りも行われ、多くの人でにぎわうようですね。
また、ここ数年では、町おこしや、地域のイベントのひとつとして初午の日にいなり寿司を食べることを広めようという動きもあるようです。
五穀豊穣、商売繁盛を願って参拝したあとは、いなり寿司を作って家族みんなで美味しくいただくのもいいですね。
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