お通夜や葬儀は、お祝いごとのように何週間、何か月も前から予定が決まっているわけではありません。
突然やってくるお通夜や葬儀、そしてその後に行われる四十九日法要。
それらに参列するとき、不祝儀袋はどういうものを選んでいますか?
今回は、「御香典」「御霊前」「御仏前」の違いについて調べてみましょう。
突然のことに慌てないよう、参考になさってください。
Contents/目次
不祝儀袋とは?

読み方は「ぶしゅうぎぶくろ」です。
お通夜や葬儀、法事などの際、現金を包む水引のついた袋です。
「香典袋(こうでんぶくろ)」「お悔み用ののし袋」などとも呼ばれています。
不祝儀袋にはさまざまな表書きがあり、今回は「御香典」「御霊前」「御仏前」について説明します。
御香典と御霊前と御仏前とは?
御香典(おこうでん)
「香」は線香を、「典」はお供え物を意味します。
お通夜や葬儀、告別式のいずれかに持参するもので、故人にお花や線香のかわりに金銭をお供えします。
「御香典」とは、御霊前や御仏前を含むお供え全般のことをいいます。
葬儀という突然の出費に対して、お互いに助け合うという意味もあり、ご遺族に「葬儀費用の一部にあててください」という気持ちが含まれています。
御霊前(ごれいぜん)
故人の御霊(みたま)の前、もしくは御霊に供える金品のことを表しています。
御仏前(ごぶつぜん)
故人が成仏した仏様の前、もしくは御仏に供える金品のことを表しています。
御霊前と御仏前の違いとは?お通夜、四十九日はどれ?
仏教の場合、一般的にはお通夜や葬儀では「御霊前」、四十九日を過ぎたら「御仏前」と書きます。
これは、「人は亡くなると霊になり、四十九日法要を終えると成仏し極楽浄土へ向かう」と考えられているからです。
四十九日法要の御香典は「御霊前」になりますので気をつけましょう。
それ以降の法要では「御仏前」と書きます。
また、仏教の中でも、真宗(浄土真宗や真宗大谷派など)は、四十九日の前でも「御仏前」と書きます。
これは、真宗では「人は亡くなったらすぐに成仏し浄土へ向かう」と考えられているからです。
ですので、お通夜や葬儀の時にも「御仏前」と書いた御香典を準備しましょう。
仏教ではあるけれど、宗派が分からない場合は「御香典」と書くと無難でしょう。
それぞれの違いがわかりましたか?
ほとんどの仏教では四十九日が過ぎるまでは「御霊前」、過ぎたら「御仏前」、真宗など一部の仏教では通夜から「御仏前」、宗派が分からない場合は「御香典」と覚えておきましょう。
ここで説明したものは一般的なものです。
宗派や地域によっては細かいしきたりやマナーもあるようですので、もしも確認できるような間柄であるのなら、ご遺族に失礼のないよう尋ねるのもいいかもしれません。
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