「旧正月」 と「立春」はどちらも同じ新年?関係と違いとは?

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「旧正月」と聞くと、旧暦の新年を思い浮かべる人は多いと思います。

では「立春」はいかがですか?

「立春」も、春の始まり、一年の始まりということで新年ということになるのですが、「旧正月」と「立春」は同じ新年なのでしょうか?

今回は「旧正月」と「立春」の関係と違いについて解説します。

 

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目次

「旧正月」とは?

「旧正月」とは、旧暦のお正月(1月1日)のことです。

旧暦とは、明治5年(1872年)まで使われていた「太陰太陽暦(たいいんたいようれき)」のことで、月の満ち欠けを基準としていますが、季節とずれがないよう太陽の動きも考慮に入れた暦です。

 

明治5年に太陽の動きをもとに作られた新暦(太陽暦・グレゴリオ暦)が採用され、それ以来、日本では新暦の1月1日をお正月とし、お祝いをしていますが、ほかのアジアの国々では旧正月を「お正月」と考えています。

 

 

旧暦は月の満ち欠けを基準として月日が決められており、新月が1日(ついたち)で、満月が15日、さらに次の新月になるまでを1ヶ月としていました。

そして、二十四節気の雨水(うすい・2月19日ごろ)の直前の新月の日を1月1日としていたのです。

 

二十四節気

 

二十四節気とは1年間の季節を四季よりも細かく24個に分けたもので、それぞれの節気は太陽の黄道上(太陽の通り道)の位置によって算出されます。

 

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また新月から次の新月は平均して29.5日間で、一年間が354日になります。

太陽の動きを基準とする1年(365日)より11日短く、3年で約一か月のずれが生じることになります。

そうすると、実際の季節とだんだんずれてしまうことになりますよね。

この問題を解消するために、約3年に一度、「閏月(うるうづき)」というものを設け、一年間を13か月にして太陽の動きに合うように調整していました。

閏月は平均すると19年に7回ぐらいの割合で入ります。

 

関連:【閏月一覧】旧暦の閏月の意味と置き方の規則とは?2025年の閏月はいつ?旧暦2033年問題をわかりやすく解説

 

旧正月を新暦にあてはめるとおよそ20~50日ずれが生じ、毎年違います。

2025年の旧正月は、1月29日(水)です。

 

なぜアジアの中で日本だけが旧正月を祝わなくなったのか、理由は定かではありません。

日本でも、長崎、神戸、横浜にある中華街など、中国の影響が強い地域では、旧正月に盛大なお祭りが行われています。

また、沖縄県の一部地域では旧正月を「お正月」として祝い、新暦のお正月と、2度もお正月を祝う地域もあるそうです。

 

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「立春」とは?

立春とは、「二十四節気(にじゅうしせっき)」の最初の節気です。

既に説明したとおり、旧暦で月の満ち欠けを基準にして暦を作ると実際の季節との間にずれが生じるため、そのずれを調整するために用いられたのがこの二十四節気です。

立春は二十四節気の起点であり「この日から春が始まる」という意味があることから新年の始まりとされています。

立春は太陽の運行に基づいて算出されるためその年によって違います。

 

2025年の立春は2月3日(月)です。

 

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「旧正月」と「立春」はどちらも同じ新年?関係と違いとは?

「どちらも同じ新年の始まりなのに日にちが異なるのはなぜか?」と混乱してしまいますが、

「旧正月」とは、月の満ち欠けを基準とした暦での新年、旧暦1月1日のことです。

「立春」とは、太陽の運行に基づいて決められている二十四節気での新年のことです。

ということで、考え方が全く違うのです。

 

「旧正月」は月の満ち欠けを基準とした1月1日のことですが、「立春」は「この日を1月1日にする」ということではなく、太陽の運行に基づいて決められた二十四節気の起点の日付(新暦で2月4日ごろ)を「新年、春の始まり」とする考え方です。

 

「年内立春」「新年立春」「朔旦立春」とは?

2025年の

旧正月は1月29日(水)

立春は2月3日(月)

です。

 

このように、旧正月のあとに立春が訪れることを「新年立春」と呼びます。

また、2024年のように旧正月(2月10日(土))の前に立春(2月4日(日))が訪れることを「年内立春」と呼びます。

 

また、旧正月と立春は、約30年に一度重なることがあります。

「朔旦立春(さくたんりっしゅん)」と呼ばれ、とてもおめでたい年とされており、次は2038年に訪れるそうですよ。

 

他に「無春年」というものもあり、これは、旧暦の一年間に立春が訪れない年のことです。

「無春年」は珍しいことではなく、数年に一度訪れます。

 

例えば、近年では、

2016年2月8日(旧暦1月1日)から2017年1月27日(旧暦1月1日の前日)の間

2019年2月5日(旧暦1月1日)から2020年1月24日(旧暦1月1日の前日)の間

立春がありませんでした。

 

 

旧暦と新暦のずれだけではなく、二十四節気なども関係してきて少々ややこしくなってしまいますが、「旧正月」と「立春」の違いがわかりましたね。

「無春年」は立春がない年でしたが、旧暦の一年間に立春が2回訪れる年もあります。

それを「双春年」といいます。

「無春年」同様珍しいことではありませんが、近年では、

2023年1月22日(旧暦1月1日)から2024年2月9日(旧暦1月1日の前日)の間は、2023年2月4日と、2024年2月4日の2回立春が訪れます。

 

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