会話や文章の中で「万一」や「万が一」と使う場合があります。
「万一に備えて準備しておこう」とか「万が一、雨が降った時は延期にします」などと使いますが、「万一」と「万が一」の違いはなんなのでしょうか?
どちらかが正しくて、どちらかが間違っているのでしょうか?
今回は「万一」と「万が一」についてわかりやすく解説します。
「万一」とは?
「万一」の読み方は「まんいち」です。
「万」には、数えきれないほど大きな数という意味があり、「一」は「ひとつ」なので「数えきれないほど大きな数の中のひとつ」を表します。
つまり、「万一」は、滅多にないけれどごくまれにあることを意味します。
「万が一」とは?
「万が一」の読み方は「まんがいち」です。
「万一」と同様、滅多にないけれどごくまれにあることを意味します。
「万一」と「万が一」の違いとは?正しいのはどちら?
「万一」と「万が一」はどちらも正しい言葉で意味も同じです。
違うとすればニュアンスが異なり、「万が一」は、「万一」を強調する場合に用いることが多いです。
つまり、「万一」は滅多にないことで、起こる可能性は低いという意味ですが、「万が一」はさらに起こる可能性が低いということになります。
「万一」と「万が一」の使い分け
しかし、このくらい可能性があれば「万一」で、このくらいの可能性ならば「万が一」だという使い分けの明確な基準はなく、人によって基準は異なりますので、どちらを使ってもいいです。
ビジネスシーンでもどちらを使っても問題ありません。
また、「万一」と「万が一」は、滅多にないことのなかでも「起こってほしくない」「起こると困る」というような場合に用い、良いことよりも悪いことに対して使うことが多いです。
たとえば、天気予報では100%の雨でも希望をこめて「明日、万一(万が一)晴れたら出かけよう!」という風に「起こって欲しいこと」に対して使うこともあります。
しかし、多くの場合は「明日は晴れ予報だけど万一(万が一)雨だった場合は中止だよ」というように、「起こって欲しくないこと」に対して使うことが多いです。
他にも
「万一(万が一)遅刻をしたら大変なので早めに行こう」
「万一(万が一)に備えて火災保険に入っておこう」
「第一希望の学校しか受験しないが、万一(万が一)不合格だったらどうしよう?」
「公文書は万一(万が一)に備えてバックアップ等行っています」
「万一(万が一)故障していたらすぐに交換いたします」
というように起こってほしくないことに使う場合が多いです。
また、「万一」と「万が一」は、別の言葉で置き換える場合は「もしも」を使います。
「万一」と「万が一」はどちらも同じ意味の言葉なのですね。
「万が一」は「万一」を強調するニュアンスがありますが、明確な使い分けのルールはなく、どのようなシーンでどのように使っても問題はないようです。
「万一」と「万が一」を使い分けている人がいたとしても、その基準はとても曖昧なものなので、受け取る側はどちらの場合も「滅多にないこと」と思えば良いですね。
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