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春夏秋冬の七草とそれぞれの意味とは?夏や冬にも七草はあるの?

      2019/05/24


 

「七草」というと、「春の七草」と「秋の七草」を思い出しますよね。

ところで、そのほかの季節に七草はないのか疑問に思ったことはないですか?

今回はそんな疑問について調べてみました。


春の七草とは?


 

春の七草は、平安時代(794年~1185年ごろ)に四辻(よつつじ)の左大臣が詠んだ「せりなづな 御形(ごぎょう)はこべら 仏の座 すずなすずしろ これぞ七草」短歌が由来になっておいるといのが通説ですが、この短歌は作者不明だという説もあります。

春の七草は以下の七つです。


●せり

「競り勝つ(せりかつ)」を意味しており縁起が良い。整腸作用があり栄養価が高い。


●なずな

「撫でて汚れを払う」を意味しており縁起が良い。解毒作用があり胃腸障害などに効果が期待できる。


●はこべら

「繁栄がはびこる」を意味しており縁起が良い。鎮痛作用があり、歯槽膿漏の予防薬としても使用されてきた歴史がある。


●すずな(蕪)

「神を呼ぶ鈴」を意味しており縁起が良い。便秘や胃炎など胃腸の調子が悪い時に食べると良いとされている。


●すずしろ(大根)

「汚れのない純白さ」を意味しており縁起が良い。食物の消化を助け、二日酔いにも効果が期待できる。


●御形(ごぎょう)

「仏体」を意味してり縁起が良い。咳止めやのどの炎症に効果が期待できる。


●仏の座(ほとけのざ)

「仏の安座」を意味しており縁起が良い。整腸作用があり食欲増進や高血圧予防にも効果が期待できる。

 

春の七草は「七草粥」にして、人日(じんじつ)の節句である1月7日に食べ、一年の豊作と、無病息災を願います。

七草粥の風習は中国から伝わってきたとされ、中国では、1月7日に邪気を払って1年の無病息災を願って7種類の野菜が入った吸い物などを食べる習慣がありました。

 

一方、日本では年の初めに若菜を摘んで、新しい生命力をいただく「若菜摘み」という習慣がありました。

平安時代(794年~1185年)に、吸い物を食べる習慣が中国から日本に伝わったとき、若菜摘みの習慣と相まって、1月7日に春の七草を入れたお粥を食べる「七草粥」になったと言われています。


夏の七草とは?

夏の七草は、「春の七草」や「秋の七草」のように古くからあるものではなく、近年になって選ばれたもので、複数の種類があります。

最初にご紹介するのは、明治時代(1868年~1912年)の貴族が詠んだ「涼しさは よしいおもだか ひつじぐさ はちすかわほね さぎそうの花」が由来といわれており、涼しさを感じさせる以下の七種類が選ばれ、昭和時代(1926年~1989年)の初期ごろまでに定着したそうです。


●葦(よし・あし)
●井草(いぐさ)
●沢瀉(おもだか)
●未草(ひつじぐさ)
●蓮(はちす・はす)
●河骨(こうほね)
●鷺草(さぎそう)
 

 

次にご紹介する夏の七草は、第二次世界大戦中に選定されたもので、焼け跡でも生えることができるほど生命力が強く、食糧不足を補うために食べることができる植物が選ばれています。


●藜(あかざ)
●莧(ひゆ)
●猪子鎚(いのこづち)
●姫女菀(ひめじょおん)
●露草(つゆくさ)
●白詰草(しろつめくさ)
●滑莧(すべりひゆ)


秋の七草とは?


 

秋の七草は、万葉集(まんようしゅう・現存する日本最古の和歌集、759年)に収録されている、山上憶良(やまのうえのおくら)が詠んだ「萩の花 尾花 葛(くず)の花 撫子(なでしこ)の花 女郎花(おみなえし) また 藤袴(ふじばかま) 朝貌(あさがお)の花」が由来といわれています。

秋の七草は以下の七つです。


●萩(はぎ)

根が、咳止めや胃の痛み、下痢止めなどに効果がある。


●薄(すすき・尾花のこと)

根や茎に、利尿作用がある。


●葛(くず)

肩こりや神経痛にも効果が期待できる。


●撫子(なでしこ)

煎じて飲むと、むくみや高血圧に効果が期待できる。


●女郎花(おみなえし)

根に消炎作用がある。


●藤袴(ふじばかま)

乾燥させたものを煎じて飲むと、糖尿病に効果が期待できる。


●桔梗(ききょう・朝貌のこと)

根を煎じて飲むと咳やのどの痛みに効果が期待できる。

 

「秋の七草」は、厳しい冬を前に、美しい花を愛で秋の風情を楽しみ、薬草として効果のあるものが集められています。

「秋の七草」の鑑賞時期は旧暦の7月、8月、9月ですので、現在の暦にあてはめると、9月中旬ごろから11月初旬ごろになります。

 

冬の七草とは?

冬の七草は明確なものはないようですが、草の代わりに野菜などの食材を7つ選んで「冬の七草」としているものがあります。

冬至(毎年12月22日ごろ)には、かぼちゃ(なんきん)やうどん、ニンジンなど「ん」が2つつく食べ物を食べると「運気が倍になる」といわれており、「ん」が2つつく食べ物が七つ選ばれて「冬の七草」と呼ばれています。


●かぼちゃ(なんきん)
●うどん(うんどん)
●ニンジン
●レンコン
●寒天(かんてん)
●銀杏(ぎんなん)
●金柑(きんかん)
 

ほかに、体を温める効果が期待できる冬野菜を七つあつめて「冬の七草」と呼ぶことがあります。


●白菜
●大根
●ネギ
●春菊
●キャベツ
●小松菜
●ほうれん草

夏や冬にも七草と呼ばれているものがあったのですね。

寒さが厳しい冬には野山に草が生えないので、植物の「冬の七草」を選ぶことができなかったのかもしれません。

その代わり、冬至に食べたら良いと言われているものや冬野菜を七つ集めて「冬の七草」にしているのですね。

春夏秋冬それぞれの「七草」をぜひ楽しんでくださいね!

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