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「三伏」の意味とは?2023年はいつからいつまで?

日本には、一年のある時期をいろいろな言葉で表現しますが、今回紹介する「三伏」もある時期を表しています。

一体いつからいつまで時期のことでしょうか?

三伏は手紙などの季節の挨拶に用いられることがありますので、見聞きしたことがある人もいらっしゃるかもしれません。

今回は「三伏」についてわかりやすく解説します。

 

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「三伏」の意味とは?

読み方は「さんぷく」です。

 

陰陽五行説に基いて決められた「初伏(しょふく)」「中伏(ちゅうふく)」「末伏(まっぷく)」の総称を「三伏」といいます。

 

「三伏」は、夏の勢いがとても盛んで秋の気配を伏する(降伏させる)という意味があり、夏の最も暑い時期のことをいいます。

 

陰陽五行説とは、「陰陽説(いんようせつ)」といって、この世のすべてのものを陰と陽に分類する思想と「五行説(ごぎょうせつ)」といって、万物は木、火、土、金、水の五種類の元素からなるという自然哲学の思想が合わさったものです。

 

「三伏」はいつ?

「三伏」の日付(三伏日)は一般的に以下の通りです。

 
三伏日付
初伏
(しょふく)
夏至(げし・毎年6月22日ごろ)以後の三度目の庚の日(かのえのひ)
中伏
(ちゅうふく)
夏至以後の四度目の庚の日
末伏
(まっぷく)
立秋(りっしゅう・毎年8月8日ごろ)以後の最初の庚の日
 

「庚の日(かのえのひ)」とは?

「庚(かのえ)」は、「十干(じっかん)」の7番目にあたります。

 

十干(じっかん)とは、

 

甲(こう)

乙(おつ)

丙(へい)

丁(てい)

戊(ぼ)

己(き)

庚(こう)

辛(しん)

壬(じん)

癸(き)

 

のことです。

 

この「十干」に、陰陽五行説の五行「木」「火」「土」「金」「水」と、陽を表す「兄(え)」と、陰を表す「弟(と)」を当てはめると次のようになります。

 

甲(こう・木)兄=「木の兄(きのえ)」

乙(おつ・木)弟=「木の弟(きのと)」

丙(へい・火)兄=「火の兄(ひのえ)」

丁(てい・火)弟=「火の弟(ひのと)」

戊(ぼ・土)兄=「土の兄(つちのえ)」

己(き・土)弟=「土の弟(つちのと)」

庚(こう・金)兄=「金の兄(かのえ)」

辛(しん・金)弟=「金の弟(かのと)」

壬(じん・水)兄=「水の兄(みずのえ)」

癸(き・水)弟=「水の弟(みずのと)」

 

「金の兄(かのえ)」の兄は陽を表し、陽は「強い」「盛ん」という意味になるので、庚(金の兄)は金の性質が盛んということになります。

また、陰陽五行説で金は秋に対応し、夏は火に対応します。


五行
季節土用
 

 

火と金は図のように「相克」の関係にあり、火は金を溶かすと考えます。

このことから夏(火)の勢いが盛んで秋(金)の気配は伏する(降伏させる)ことになり、夏の最も暑い時期になるということになるのです。

 


 

また、暦注で三伏日は、「旅行・婚姻・種まきを忌む日」とされています。

暦注とはカレンダーに記載される日時・方位の吉凶などに関する注記事項のことです。

十干を日にちに当てはめると10日間で一周することになるので、「庚の日」は10日ごとに訪れます。

 

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2023年は「三伏」いつからいつまで?

2023年の三伏日は以下の通りです。

 

●初伏は7月11日(火)

●中伏は7月21日(金)

●末伏は8月10日(木)

 

よって、2023年の「三伏」の期間は、

2023年7月11日(火)~8月10日(木)

となります。

 

手紙で「三伏」を用いる場合

手紙などで季節の挨拶として「三伏」を用いる場合、7月中旬から8月上旬までで、暑中見舞いと同じ期間に使います。

 

暑中見舞いは一般的に「梅雨明けからお盆まで」、または「暦の上では秋になる立秋まで」といわれており、夏の最も暑い時期である「三伏」とほぼ重なります。

 

暑中見舞いといえば「暑中お見舞い申し上げます」という文章が一般的ですが、「三伏の候」や「三伏のみぎり」というふうに、暑い季節の挨拶として用いることができます。

例:「拝啓、三伏の候」

 

「九夏三伏」とは?

「三伏」に関連する言葉で「九夏三伏(きゅうかさんぷく)」という言葉があります。

夏のこと。また、夏の最も暑いころをいいます。

 

「九夏」は夏の90日間のことで立夏(りっか・5月6日ごろ)から立秋(りっしゅう・8月7日ごろ)までの期間を指し、「夏の期間いっぱい」「夏の間全部」の意味があります。

ということで「九夏」は「三伏」よりも期間が長いということになりますね。

 


 

「三伏」という言葉の意味がわかりましたね。

秋を降伏させるほど夏の勢いが盛んということで、夏の厳しい暑さを表現しているのです。

毎年同じ日になるわけではありませんが、「7月中旬から8月上旬まで」や「暑中見舞いと同じ時期」と覚えておくと良いかもしれませんね。

 

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