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「天一天上」の意味とは?2020年の始まりと終わりの日はいつ?

      2019/12/10

 

「今日の運勢はどうなっているかな?」とカレンダーの暦注を日々の生活の参考にしている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

歴注とは、カレンダーに書かれた日時や方位などの吉凶、大安や大凶などその日の運勢が書かれた注意事項のことです。

「天一天上」という言葉も、暦注に書かれているもののひとつなのですが、どういうものかわかりますか?

 

今回は「天一天上」について調べてみました!

 


天一天上の意味とは?

読み方は「てんいちてんじょう」です。

 

「天一天上」は、天一神(てんいちじん)という方位神(ほういしん・方角を司る神)が天へと帰っている期間のことをいいます。

「天一神」は、天と地を規則的に巡っており、天一神がいる方角に向かうと祟りが起こると考えられています。

「天一天上」の期間は、天一神が天へ帰っており、地上のどの方角にもいないので、良くない方角を気にせず動ける期間のことで、16日間あります。

 

 

平安時代(794年~1185年ごろ)には、天一神の祟りを受けないために、天一神のいる方角へまっすぐ進んだり、行かないようする「方忌み(かたいみ・その方角を避けること)」が行われていたそうです。

たとえば天一神が東にいるときに、目的地が東だった場合は、遠回りになりますがわざわざ北や南など別の方角へ進んでから、目的地へ向かい、天一神のいる「東」を避けてたそうです。

「天一天上」の期間は、天一神が地上のどの方角にもいないので、方忌みは必要なく、目的地へまっすぐに向かっていけます。

16日間続くため、カレンダーの暦注には最初の日が「天一天上始まり」、最後の日が「天一天上終わり」と書かれています。

 

「天一天上」に良いとされているものは以下の通りです。

●旅行

●引っ越し

●休暇

●お出かけ

●掃除

 

また、「天一天上」の期間は、天一神と入れ違いに「日遊神(にちゆうしん)」という不浄を嫌う方位神が天から降りてきて、家の中にとどまるといわれており、家の中が汚いと祟りを起こすと考えられています。

家の中を掃除して清潔に保つことで、「天一天上」はより良い吉日になるといわれています。

 

「天一天上」と陰陽五行説

私たちが普段使うカレンダーは日にちが数字で書かれていますよね?

これを数字ではなく干支(えと)に当てはめたものを「日の干支」といいますが、「天一天上」は、日の干支が「癸巳(みずのとみ)」から「戊申(つちのえさる)」までの16日間のことを指します。

「天一天上」の日数は、陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)に基づいた考え方から来ています。

 

陰陽五行説とは「陰陽説(いんようせつ)」と「五行説(ごぎょうせつ)」が合わさった考え方でそれぞれの説は以下のとおりです。

●「陰陽説」・・・この世のすべてのものを陰と陽に分類する思想

●「五行説」・・・万物は木、火、土、金、水の五種類の元素からなるという自然哲学の思想

 


 

先ほどカレンダーの日にちを数字ではなく干支(えと)に当てはめたものを「日の干支」と説明しました。

干支は「十干十二支(じっかんじゅうにし)」ともいいます。

 

十干(じっかん)とは、甲(こう)、乙(おつ)、丙(へい)、丁(てい)、戊(ぼ)、己(き)、庚(こう)、辛(しん)、壬(じん)、癸(き)

 

のことで

 

十二支(じゅうにし)は、子(ね)、丑(うし)、寅(とら)、卯(う)、辰(たつ)、巳(み)、午(うま)、未(ひつじ)申(さる)、酉(とり)、戌(いぬ)、亥(い)

 

のことです。

 

 

そして、五行説の考えから、十干にはそれぞれ「木」「火」「土」「金」「水」のどれかが割り当てられており、さらに、陰陽説の陽を表す「兄(え)」と陰を表す「弟(と)」が割り当てられ、以下のようになります。

甲(木(き)の兄(え))=「きのえ」

乙(木(き)の弟(と))=「きのと」

丙(火(ひ)の兄(え))=「ひのえ」

丁(火(ひ)の弟(と))=「ひのと」

戊(土(つち)の兄(え))=「つちのえ」

己(土(つち)の弟(と))=「つちのと」

庚(金(か)の兄(え))=「かのえ」

辛(金(か)の弟(と))=「かのと」

壬(水(みず)の兄(え))=「みずのえ」

癸(水(みず)の弟(と))=「みずのと」

 

 

十二支も五行説の考えから「木」「火」「土」「金」「水」が割り当てられており、以下のようになります。

子(水)

丑(土)

寅(木)

卯(木)

辰(土)

巳(火)

午(火)

未(土)

申(金)

酉(金)

戌(土)

亥(水)

 

これらの十干と十二支を組み合わせると60の組み合わせが出来上がります。


 

組み合わせの順番は、1番目を「甲子(きのえね)」、2番目を「乙丑(きのとうし)」、3番目を「丙寅(ひのえとら)、4番目を「丁卯(ひのとう)」、5番目を「戊辰(つちのえたつ)」・・・と続き、「癸巳(みずのとみ)」は30番目、「戊申(つちのえさる)」は45番目、60番目が「癸亥(みずのとい)」となります。

これを年に当てはめると、60年で一巡し、日に当てはめると、60日で一巡します。

このように日の干支は60日で一巡することになります。

 

 

天一神は、各方角を規則的に巡っており、これを「天一神遊行(てんいちじんゆうぎょう)」といいます。

天一神遊行は、日の干支で己酉(きのととり)から甲寅(きのえとら)までの6日間は「北東」に天一神がいて、次の乙卯(きのとう)から己未(つちのとひつじ)までの5日間は「東」に天一神がいる・・・という風になっており、以下のように日数や方角が決まっています

 

己酉(きのととり・46番目)から甲寅(きのえとら・51番目)までの6日間は「北東」

乙卯(きのとう・52番目)から己未(つちのとひつじ・56番目)までの5日間は「東」

庚申(かのえさる・57番目)から乙丑(きのとうし・2番目)までの6日間は「東南」

丙寅(ひのえとら・3番目)から庚午(かのえうま・7番目)までの5日間は「南」

辛未(かのとひつじ・8番目)から丙子(ひのえね・13番目)までの6日間は「南西」

丁丑(ひのとうし・14番目)から辛巳(かのとみ・18番目)までの5日間は「西」

壬午(みずのえうま・19番目)から丁亥(ひのとい・24番目)までの6日間は「西北」

戊子(つちのえね・25番目)から壬辰(みずのえたつ・29番目)までの5日間は「北」

癸巳(みずのとみ・30番目)から戊申(つちのえさる・45番目)までの16日間は「天上」

 

癸巳(みずのとみ)から戊申(つちのえさる)までの16日間の「天上」が、「天一天上」になります。


「天一天上」はいつ?

天一天上は、すでに説明した通り、日の干支が癸巳(30番目)から戊申(45番目)の16日間のことで、以下のとおりになります。

 

30番目「癸巳(みずのとみ)」

31番目「甲午(きのえうま)」

32番目「乙未(きのとひつじ)」

33番目「丙申(ひのえさる)」

34番目「丁酉(ひのえとり)」

35番目「戊戌(つちのえいぬ)」

36番目「己亥(つちのとい)」

37番目「庚子(かのえね)」

38番目「辛丑(かのとうし)」

39番目「壬寅(みずのえとら)」

40番目「癸卯(みずのとう)」

41番目「甲辰(きのえたつ)」

42番目「乙巳(きのえみ)」

43番目「丙午(ひのえうま)」

44番目「丁未(ひのとひつじ)」

45番目「戊申(つちのえさる)」

 

日の干支は60日で一巡するので、天一天上は一年間の間に何度も訪れます。

 

2020年天一天上の始まりと終わりの日はいつ?

2020年の天一天上は以下の通りです。


天一天上始まり天一天上終わり
2019年12月22日(日)2020年1月6日(月)
2月20日(木)3月6日(金)
4月20日(月)5月5日(火)
6月19日(金)7月4日(土)
8月18日(火)9月2日(水)
10月17日(土)11月1日(日)
12月16日(水)12月31日(木)

他の歴注と重なった場合はどうなるの?

ほかにも多くの暦注があり、吉日と凶日が重なった場合はどうなるのでしょうか?

 

●不成就日(ふじょうじゅび)と重なった日は?

不成就日は何事も成就しない日、悪い結果だけを招く日という意味があり、結婚や開店、引っ越し、契約、願い事、納車など、色々なことが凶となっていて、なにかを始めるには適さない日とされており、天一天上と重なった場合は不成就日を気にした方が良いようです。

 

 

一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)と重なった日は?

一粒万倍日は、一粒の籾(もみ)が稲穂のように万倍にも増えるといわれる吉日で、何事を始めるにも良い日とされ、開店、種まき、商売始めなど、お金を出すことが特に良い日といわれています。

財布を新しくしたり、宝くじを買うにも最適の日で、天一天上と重なった場合は更に良い日になるそうです。

 

 

土用(どよう)と重なった日は?

土用とは、五行説の考え方をもとに、春=木、夏=火、秋=金、冬=水を割り当て、季節の変わり目に土が割り当てられていて、土が割り当てられた期間を「土用」といいます。

土用の期間は土いじり、井戸や穴を掘る、増改築、地鎮祭など、土に関することは避けた方が良く、どの方角も良くないと言われているため、旅行や引っ越しは避けるべきと考えられています。

天一天上と重なった場合は、土用を気にした方が良いようです。

 

 

十方暮(じっぽうぐれ)と重なった日は?

十方暮とは、全ての方向が闇に閉ざされるような日々という意味があり、入籍や結婚など婚姻関係、相談事、旅行、引っ越しなど、さまざまなことがよくない日とされています。

十方暮は10日間あり、十方暮の最後の日と、天一天上の最初の日が重なるようになっているのですが、この日だけは十方暮を気にした方が良いようです。

吉日と凶日が重なる場合、明確な根拠があるわけではないのですが、凶日のパワーが吉日を抑え込んでしまうという考えがあり、凶日を気にする方が良いようです。

 

※不成就日、土用、十方暮という凶日でも、神社への参拝は問題ありません。

 


 

天一天上がどういう日なのかわかりましたね。

地上から天一神がいなくなるのでどこの方向へ行っても良い!ということですが、家の中を清潔にしていないと日遊神の祟りがありますので、普段以上にしっかり掃除をすると良いかもしれませんね。

日々の吉凶を占う暦注ですが、科学的根拠はなにもありませんので、より良い日を選ぶ参考程度にすると良いですし、出産のように日にちを選ぶことができないことは気にしないのが一番なのではないでしょうか。



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