「土用」といえば、「土用の丑の日」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?
特に、夏の土用の丑の日はうなぎを食べる日として有名です。
「土用」には、土いじりや旅行、引っ越しはしないほうがいいとか、新しいことを始めてはいけないとか、昔から言われているのですが、それはなぜでしょうか?
また、「間日」や「土用殺」とはなんでしょうか?わかりやすく解説します。
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土用とは?
土用(どよう)とは、雑節(ざっせつ)のひとつです。

一年間を24等分したものを「二十四節気」といいますが、それだけでは十分に季節の変化を読み取れないので、二十四節気を補助するために設けられた日本独自の暦日を「雑節」といいます。
関連:『雑節』の意味と読み方とは?2023年の雑節の日付一覧
五行思想(ごぎょうしそう・万物は木、火、土、金、水の五種類の元素からなるという自然哲学の思想)では
●春=木
●夏=火
●秋=金
●冬=水
というように割り当てられていますが、季節の変わり目には”土”が割り当てられており、これを「土用」といいます。

土用の期間は春夏秋冬の年4回あります。
●立春(2月4日ごろ)直前の約18日間
●立夏(5月6日ごろ)直前の約18日間
●立秋(8月7日ごろ)直前の約18日間
●立冬(11月7日ごろ)直前の約18日間
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2023年の土用はいつ?
2023年の春夏秋冬の土用は以下のとおりです。
■2023年の土用
土用 | 期間 |
冬の土用 | 1月17日(火)~2月3日(金) |
春の土用 | 4月17日(月)~5月5日(金) |
夏の土用 | 7月20日(木)~8月7日(月) |
秋の土用 | 10月21日(土)~11月7日(火) |
土用に土いじり、旅行、引っ越しはNG?
土用の期間中は、以下のことをするのは良くないといわれています。
土に関すること(土いじり、草むしり、井戸や穴を掘る、増改築、地鎮祭など)

土用に土いじりをすると良くないと言われているのは、土公神(どくじん・どこうじん・土の神様)が嫌がって怒ったり祟りを起こすからといわれています。
土公神は、時期によっていろいろな場所にいらっしゃるのですが、土用期間中は土の中にいらっしゃるそうです。
土公神が静かにゆっくりしていたいのに土をいじられると怒ると考えられているんですね。
ただし、土用に入る前に作業を始め、土用中も作業を続けることについては問題ないとされています。
新しいこと(新居購入、就職や転職、結婚や結納、開業や開店など)
土用は季節の変わり目です。
季節の変わり目は体調を崩しやすく、医学が発達していない昔の人たちにとってはちょっとした体調変化でも、大きな影響を与えかねない状況でした。
そのため、土用の期間は新しいことを始めず、普段以上に注意し静かに過ごすようになったのではないかと考えられています。
方角に関すること(旅行、引っ越しなど)

土用の期間は吉凶関係なくどの方角も良くないと言われており、旅行や引っ越しは避けるべきと考えられています。
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間日って何?
読み方は「まび」です。
土用の期間は約18日間あります。
この期間、ずっと土いじりなどができないと仕事や生活に支障がでます。
間日には、土公神が土の中から出て天上界へ行っているので、土いじりなどをしても大丈夫だと考えられています。
間日は以下のようになります。
土用 | 間日 |
冬の土用 | 寅、卯、巳の日 |
春の土用 | 巳、午、酉の日 |
夏の土用 | 卯、辰、申の日 |
秋の土用 | 未、酉、亥の日 |
間日にはそれぞれ十二支が当てはめられています。
・子(ね)
・丑(うし)
・寅(とら)
・卯(う)
・辰(たつ)
・巳(み)
・午(うま)
・未(ひつじ)
・申(さる)
・酉(とり)
・戌(いぬ)
・亥(い)
2023年の土用の間日は以下のようになります。
■2023年の土用の間日
土用 | 間日 |
冬の土用 | 1月20日(寅)、21日(卯)、23日(巳) 2月1日(寅)、2日(卯) |
春の土用 | 4月17日(巳)、18日(午)、21日(酉)、29日(巳)、30(午) 5月3日(酉) |
夏の土用 | 7月20日(卯)、21日(辰)、25日(申) 8月1日(卯)、2日(辰)、6(申) |
秋の土用 | 10月28日(未)、30日(酉) 11月1日(亥) |
土用の期間中にどうしても土いじりなどを行わなければならない時はこれらの日に行うといいですね。
土用殺って何?
読み方は「どようさつ」です。
土用殺とは、凶とされる方位のことで下記のようになり、季節によって異なります。
土用の期間はどの方向も良くないのですが、土用殺の方角は特に注意したほうがいいといわれています。
土用 | 方角(土用殺) |
冬の土用 | 北東 |
春の土用 | 南東 |
夏の土用 | 南西 |
秋の土用 | 北西 |
昔の人々は日々の吉凶をとても気にしながら生活していたそうです。
現在、土用は科学的根拠がないただの迷信や言い伝えだといわれており、「より良い日を選ぶため」とか「なるべくなら避けた方がいい日」という程度で、あまり気にしていない人が多いのかもしれません。
季節の変わり目でもある土用の期間は、体調を崩しやすかったり、精神的に不安定になったりするので、昔の人々の言い伝えを信じ、静かにゆっくり過ごすのもいいのではないでしょうか。
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