年末年始休暇が終わり学校や会社が始まっても、まだまだお正月気分が抜けきらない頃に「どんど焼き」の案内を見たことはありませんか?
ご近所や、通勤通学で通る神社やお寺、もしかしたら町内会の回覧板で案内が回ってくることもあるかもしれませんね。
今回は「どんど焼き」の意味や期間などについて調べてみました!
Contents/目次
どんど焼きの意味とは?
どんど焼きは、地域によって呼び方が異なり、ほかに「どんどん焼き」「どんと焼き」「左義長(さぎちょう)」などの呼び方があります。
不要になって処分する物に感謝し、燃やすことで空へ帰ってもらう儀式を「お焚き上げ」といいますが、どんど焼きでは、年神様(毎年お正月、各家にやってくる豊作や幸せをもたらす神様)が空へ帰っていくのをお見送りし、無病息災や五穀豊穣などを祈願する行事です。
やぐらなどを組み、火をつけ、お正月飾りや書き初めなどを燃やしますが、年神様はこの時の煙に乗って空へ帰っていくと考えられています。

地域によっては、どんど焼きの火で餅や団子を焼くこともあります。
その餅や団子を食べることで虫歯ができないとか、健康に過ごせるといわれていたり、どんど焼きの火や煙に当たることで、その一年を無病息災で過ごせるといわれたりしています。
どんど焼きの歴史とは?
どんど焼きの起源は定かではありませんが、有名なのは平安時代(794年~1185年)に宮中で行われていた「左義長(さぎちょう)」という行事が由来という説です。
左義長は、1月15日の小正月(こしょうがつ・昔のお正月のこと)に行われる火祭りで、平安時代のお正月遊びで用いる毬杖(ぎっちょう)という木製の杖3本を陰陽師(おんみょうじ・天文や医療などを行う当時の官職のひとつ)が焼き、その年の吉兆などを占ったそうです。
毬杖とは、木製杖を使って木製の毬(まり)を相手陣に打ち込む当時の平安貴族のお正月遊び、またはその杖のことを言います。

3本の毬杖を用いることから「三毬杖(さぎちょう)」と呼ばれるようになり、現在も「三毬杖」と書くことがあるようですが、なぜ「左義長」という漢字になったのかは定かではありません。また、左利きのことを「ぎっちょ」という事がありますが、左義長が由来という説があります。
この左義長の風習が庶民の間にも広まりどんど焼きになったといわれています。
そのため、現在でもどんど焼きのことを左義長という名前で呼ぶ地域があるのです。
左義長がなぜ「どんど焼き」という名称になったのかは定かではありませんが、「尊(とうと)尊(とうと)」、または「尊(どうと)尊(どうと)」と囃(はや)しながら燃やしていたのが訛り、「どんど」や「どんと」になったという説やがあります。
他にもどんどん燃える様子から「どんど焼き」や「どんと焼き」になったという説があります。

また、小正月とは、旧暦1月15日のことです。
旧暦では、新月の日を毎月1日とし、15日が満月、そして次の新月までを一ヶ月としており、小正月である1月15日は満月にあたります。
昔の日本人は満月には特別な力があるめでたいものとして中国式の暦が導入される前は一年で初めての満月の日を「元日」にしていたと考えられ、その名残が小正月の起源だと考えられています。
明治5年(1872年)に現在の暦が採用されたことになってからは、そのままの日付の1月15日を「小正月」と呼ぶようになりました。
ただし、新暦は月の運行を考慮していませんので、小正月が満月になるとは限りません。
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どんど焼きの期間はいつからいつまで?
元々、どんど焼きは小正月の行事なので1月15日に行っていました。
1月15日は成人の日でお休みでしたので、多くの地域でこの日に行われていたようです。
しかし、2000年からハッピーマンデー制度が導入され、成人の日が1月第二月曜日になってからは1月15日にこだわらず、成人の日に行ったり、1月15日が平日の場合には前後の土日に行うよう行われるようになりました。
松の内(まつのうち)が1月7日の地域では、1月7日から1月15日ごろにどんど焼きを行い、1月15日の地域では、1月15日から1月中に行われることが多いようです。
松の内とは、門松やしめ縄、正月花(縁起の良い花を活けたもの)などのお正月飾りを飾っておく期間のことをいいます。

年神様(毎年お正月、各家にやってくる豊作や幸せをもたらす神様)が迷うことなく家にいらっしゃるよう、目印になるのが門松で、神様をお迎えするのにふさわしい場所であることを表すのがしめ縄です。
松の内は地域によって異なり、関東では1月7日まで、関西では1月15日までとなっています。
正月飾りは、一般的には松の内が明けたら片付け、どんど焼きで処分します。
松の内が明けて、どんど焼きまでに日数がある場合でも、正月飾りをそのまま飾りっぱなしにするのではなく、取り外して保管しておくのが作法です。

神社やお寺によってはどんど焼きを2月や3月に行うこともありますので、参加する際には事前に確認しておくと安心です。
神社やお寺によっては、どんど焼きの数日前から受付をしていたり、どんど焼きで燃やすものを保管する場所を設けられていますので、当日行けない場合は事前に持って行くこともできます。
どんど焼きに行けなかったらどうするの?
どんど焼きの会場に行ったけれど、すでに火が消えていて間に合わなかった!
日程を確認していたのに忘れた!
気付いたときには、日にちが過ぎていた!
などなど、いろいろな事情でどんど焼きに行けないこともあると思います。
そのような場合でも、神社やお寺に持って行けば受付てくれることがほとんどです。
また、正月飾りは縁起物ですので、ゴミとして処分するのはなるべく避けたいところですが、様々な事情でゴミとして処分することもあるかもしれません。
その際は、塩で清めてからゴミに出すようにしましょう。
また、門松など大きなものは粗大ごみのサイズになることもありますので、お住いの自治体の粗大ごみ処理の方法を確認してくださいね。
どんど焼きで燃やしていいものは?
正月飾り(門松、しめ縄など)、破魔矢、お札、古いお守り、おみくじ、祈願成就しただるま、書き初めなどは燃やしていいですが、神社やお寺によってはお正月飾り以外は燃やせない場合もありますので事前に確認をしておきましょう。
また、燃やす時に有害物質が出てしまうプラスチックや化学繊維などや、燃え残ってしまうガラスなどは取り外してから燃やす場合もありますので、どんど焼きを行っている神社やお寺、地域の人の指示に従ってください。
「どんど焼き」はいつの季語?
どんど焼きは新年の季語です。有名な俳句は以下のものがあります。
『どんど焼き どんどと雪の 降りにけり』 小林一茶

どんど焼きがどのようなものかわかりましたか?
昔ながらの風習ですが、最近は煙が迷惑と言われたり、火災の心配があったり、有害物質の問題があるなどの理由で、どんど焼きを行わなくなった地域も多いようです。
昔ながらの風習が無くなることはちょっと寂しいですが、時代の流れを考えると仕方のないことなのかもしれませんね。
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